
2010年4月 3日 (土)
遅ればせながら、新シーズンスタート
0時半なんて、起きてない! いよいよNHK語学講座の新シーズンがスタートです。 とはいえ、「テレビでドイåツ語」と「テレビでイタリア語」の放送時間は夜の0時半。当然よい子はおねむの時間です。 だって、朝は5時台に起きるので、遅くとも11時半までには寝ないといけません。となると、「リトルチャロ2」と、せいぜい「3ヶ月トピック英会話」くらいまでがリアルタイム視聴できる限界です。 朝の再放送は6時から。 これは起きている時間ではありますが、食事の支度をして食べたら歯を磨いて...と、とてもじっくり勉強している場合ではないのです。 なので、テレビ講座は録画してあとで観ることになります。で、平日はなんだかんだと忙しくしているため、週末にまとめて4カ国。 EURO24 もうここで書くまでのこともないほどですが、今年のテレビでのヨーロッパ系語学講座の目玉は「EURO24」。イタリア・ドイツ・フランス・スペインの4カ国語で、旅行や短期滞在に使える24のフレーズが共通で紹介されます。 本格的に話せなくても、「ありがとう」や「おいしい」をその土地の言葉で話せると良いですよね。昨年夏の旅行でイタリアンのレストランでは、妻がイタリア人のテーブル係となんだか楽しそうに話してました(私はちんぷんかんぷんで聞いていただけ...)。 初回の4番組を続けて見終えたところですが、ドイツ語ならばナレーション部分も字幕なしでなんとか意味を理解できるのですが、ほかの3つは全滅です。まあ当たり前ですけど。 で、確認できるのは「この4つの中では、ドイツ語が仲間はずれ」ってことです。フランス・イタリア・スペインはいずれもローマ時代の俗ラテン語を共通のルーツに持つロマンス諸語。しかしドイツ語は別です。 もちろん、「〜ieren」で終わる動詞のようにラテン語から来た言葉もあるので、完全に無縁ではありませんが... たとえば初回の自己紹介 フランス語では「Je suis d-mate.」、スペイン語では「Soy d-mate.」です。スペイン語で主語が省略されていますが、とてもよく似ています。 イタリア語は「Mi chiamo d-mate.」ですが、これは「〜という名前である」という動詞が使われているからで、同じく英語でいうbe動詞を使えば「Io sono d-mate.」、これもそっくりさん。 かたやドイツ語では「Ich heiße d-mate.」、be動詞(sein動詞)を使った場合でも「Ich bin d-mate.」です。ああ、仲間はずれ。 もちろん、ドイツ語だってゲルマン系の言葉として考えると、英語をはじめとしてデンマークやスウェーデン等の北欧やオランダ語、フラマン語などけっこうな勢力を誇ります。 とはいえ、英語をある程度やってきたからドイツ語が容易に学習できる感じも、あまりしませんしねえ。11世紀のノルマン征服が起こらず、フランス王の臣下なのにイングランド王でもあるなんていう、ややこしいプランタジネット朝もなく、無事アングロサクソンの支配が続いていたら、もうちょっとドイツ語と英語は近かったでしょうに(ただしその後の歴史の中で、英語がいまのような地位を確立したかどうかは、わかりませんが)。 こうなったら、EURO24なんてうっちゃっておいて、オランダ語やスウェーデン語の勉強でも始めましょうか。 などとつまらない愚痴を言ってないで、勉強しましょうかね。来週からはドイツ語教室も新年度が始まります。来年の今頃は、本気で「次はどの言葉にしようか」と考え始められるようで、ありたいものです。 |
2010年4月 6日 (火)
辞書と洗濯物
Wäsche machnen? oder Wäsche waschen? 以前ドイツ語日記をここに書いた際に、maringeさんから『「洗濯する」、私は Wäsche waschen を使っています。耳障りがイマイチですが(笑)』とコメントをいただきました。 下記リンクの通り、2月16日の記事です。 ドイツ語で日記、継続中(2010.2.16) コメントの通り、ほぼ同じような単語が動詞と目的語に並んでしまうので、ちょうど日本語でいうと「洗濯物を洗濯します」的な響きになってしまうのがいやで、私は「Wäsche machen」を使ったのでした。 それ以来、きっとmaringeさんのほうが正しいのだろうな、と思いつつ、どうも不自然な気がしてずっと気に掛かっていたのです。だって、たとえば英語でいうと「I washed washings today.」みたいな感じですよ、どうも不自然で。 ドイツ語のコロケーション さて、NHKラジオ講座でもおなじみの清野智昭さんの著書に、「中級ドイツ語のしくみ」があります。 この本を、ドイツ語学習を始めたころに(つまり1年とちょっと前)に読んでいたのですが、最近引っ張り出して再度読み直しています。初回にはあまりよくわからずに飛ばしていた部分が多かったのですが、ラジオ講座やドイツ語教室で習った事柄とうまくリンクしてきて、とても面白いです。さすが中級。 来年の今頃もう一度読んだら、さらに発見があるのではないかと期待しちゃいます。 で、この本の中でドイツ語のコロケーション(文中での単語どうしの結びつき)についてのWEBサイトが紹介されていました。 DWDS(Das Digital Wörterbuch der deutschen Sprache des 20. Jh.)という名称のこのサイト、単語の意味だけでなく用例や他の単語のの結びつきを図示してくれるなど盛りだくさんのサービスです。すなわちドイツ語のコーパスが無料で使えちゃう。 ネットでさまざまな便利サイトが無料で使えてしまうのには慣れてきたとはいえ、やっぱりこのサイトが無料だなんてすごいです。ドイツ語学習者は必見! そして洗濯物の行方は 何はともあれ、調べてみました、「Wäsche」。 最初は用例をひとつずつ読んでみなくちゃ、と思っていたのですが、画面の右下に出てきた「Automatisch berechnete Kollokationen aus dem DWDS Kerncorpus」の図に、しっかりと「waschen」と表示されてます。 他には「frisch」「Kleid」「Kleidung」「schmutzig」などがありますが、動詞はたったひとつ。したがって、「Wäsche」と結びつく動詞の中で最も多く用いられるのは「waschen」であると判断してかまわないでしょう。 というわけで、「洗濯する」はドイツ語では「Wäsche waschen」であると考えて良さそうです。 maringeさん、大正解。 英語ならば、私の電子辞書にも「英和活用大辞典」略して「英活」が収録されていて、英語表現を考える際にいつも使っています。 けれど、ドイツ語の辞書となると「独和」「和独」と「独英」「英独」があるだけで、「英活」と同じように使える辞書がありません。 ドイツ語日記を書いていても(そうそう、4月5日まで、きちんと書き続けています)、知っている単語だけでは不足なので和独辞典をよく使いますが、「その言葉は適切なのか(形式張った表現だったりしないか)」と「組み合わせる動詞や前置詞は何が適切なのか」がどうしてもわかりにくいのです。再度独和辞典で調べて用例を眺めたり、しているのですが。 なので、日記でも手紙でもメールでも、あるいは日常会話の表現を増やしていく上でも、コーパス辞書があればとても重宝するはず。 もちろんネットで無料で使えるのですが、すなわちネットにつながっていないところでは使えませんし、電子辞書に内蔵された辞書よりも表示に時間がかかります。どちらかといえば、電子辞書の内容が充実するよりも、ネットの接続環境が改善されるほうが早そうですが... |
2010年4月10日 (土)
"Ich bin ein Berliner."と"Civis Romanus sum."
ドイツ語うるわし ラジオドイツ語講座、毎週金曜日は「ドイツ語うるわし」の再放送です。 昨年はこの講座をそれほど熱心に聴かなかったので、今年は楽しんでいこうと思ってます。ストリーミングもあるので時間をずらしても大丈夫だし(朝の忙しい、ゆとりのない時間帯に聴いても、ねえ)。 第一回は(もうラジオ放送は二回目が終わってますが...)、John F. Kennedyの西ベルリンでの演説から、「Ich bin ein Berliner.」でした。 せっかくなので、この部分だけでなく全体を見てみましょう。この演説の全文はさまざまな場所で読むことができます。ここではBBCとWikisourceのリンクをあげておきます。 Text: Kennedy's Berlin speech(BBC NEWS) Ich bin ein Berliner(Wikisource) 読んでみると、ケネディは2回、冒頭部分(ラジオ講座で紹介された部分)と最後に、この「Ich bin ein Berliner.」といっています。自由世界の人々が西ベルリン市民と連帯して闘うという強いメッセージを、この短いフレーズに込めているわけですね。 全文を読んでも、非常にシンプルなメッセージを繰り返し、表現を重ねながら印象づけていく、聴衆に訴えかける力のある演説であったことがわかります。 もちろん、動画も見られます。私が見つけたのは下記のサイトですが、おそらくほかにもあるかと思われます。 "Ich bin ein Berliner" Speech (June 26, 1963)(Miller Center of Public Affairs) |
2010年4月13日 (火)
語学教室は何曜日が良いのか?
基本は毎日勉強 はいはい、わかってます。外国語学習はたまに時間をかけてやるのよりも、例え15分でも毎日やるのが基本です。 とはいえ、なんのメリハリもなく毎日続けられるかというと、私の場合はそうでもありません。ある程度固定されたスケジュールがないと、すぐにサボり癖がついてしまうからです。英語にせよドイツ語にせよ、教室に行く日は毎週固定しておかないと、「今週はちょっと忙しいから」という便利な言い訳ができてしまいますから。 いま、6月からの学習計画中ですが、見学に行ったある英会話教室は、はじめに40分間のレッスン10回分の料金を払い、それを期間内に消化していくというシステム。 要するに集中的にやりたければ毎日でも良いし、忙しいときには数週間飛ばしてもかまわないという、ある意味では柔軟な仕組みです。 これが性格に合っていれば良いのでしょうが、私がこの仕組みを利用したとしても、基本的には「毎週水曜日の19時から」などと決め打ちをしないと、すぐにスケジュールが組み立てられなくなるでしょう。 もちろん急な仕事など、曜日を固定してしまうことにもデメリットはあります。 ただ、私の場合は、比較的「早く切り上げる日」を決めやすい仕事の環境から、また性格的にも、ある程度固めてしまったほうが良さそうです。 で、何曜日が良いのか? この1年間ほど、私のスケジュールは、「火曜日に英語、水曜日にドイツ語」で安定しています。 火曜日の英語は前日までの連絡で振替がきくので、ときおり木曜日や土曜日に変更しますが、非常に希でほぼ火曜日固定で通えています。 水曜日のドイツ語は振替がきかないので、これはもうけっこう努力して水曜日に急な仕事が舞い込まないように調整しています。まあ、新入社員や若手だと、そうも行かないかもしれませんね。 何か科学的な根拠があって曜日を選んでいるわけではないのですが、月曜日はちょっときついですね。会社に行くのでさえ、けっこう気が重いのに、さらに放課後に勉強となると、週の頭で疲れ切ってしまいそうです。 実は妻のイタリア語教室は月曜なのですが、日曜の夕方から「あー、宿題しなきゃ」「むずかしいぃ~」と毎週のように喚いているのを見るにつけ、「やっぱり自分は月曜日はやめておこう」と思います。 私にとって好都合なのは、月曜の夜は妻が不在なので、私は早めに帰れればじっくりと一人で火曜の英語と水曜のドイツ語に備えた予習ができることでしょうか。 意外に悪くない金曜日 以前は金曜の夜に英語のレッスンがありました。これは悪くありません。 ひとつは、週の仕事が終わってからの勉強になるので、けっこう晴れやかな気分でレッスンに向かえます。それに帰宅が遅くなるのもあまり気になりません。 また、金曜は社内のつきあいがありがちですが、「すいませーん、英会話なんで」とサクッと断れます。日本の会社にありがちな「過剰なノミニュケーション」を回避したい場合は、絶好の言い訳になるんじゃないでしょうか。あー、それにしてもあのオジサンたち、どうしてあんなに飲み会が好きなのでしょう...オジサンといったって同じような年なのに... 火曜から木曜の週中ですが、やはりここが無難な選択といえます。 もし、検討しているスクールに「レッスン日の振替制度」があれば、火曜日がおすすめですね。これだと、急に変更が必要になったときにも候補日がいくつかある場合が多いでしょう。 でも、振替制度がないのなら、どこでもそれほど違いませんから、たとえば出張や会議の予定が入りにくい曜日を設定するのが良いかと思います。 私の場合は、毎週火曜日に部署内の全体ミーティングがありました。このため「火曜日は出張予定が入らない日」でしたので、前述した振替のメリットもあわせて決めたわけです。 他のご家族の習い事の曜日とあわせてしまえば、誰かが遅くなって食事の時間がすれ違ってしまうのを最小限にできるかもしれません。 わが家の場合ここには問題があって、妻が月曜日、私が火曜日と水曜日にレッスンがあるので、週の前半は完全にすれ違います。一人だとどうしても外食になりがちで健康にもよろしくありません。 週末の勉強とのバランスで メリハリが必要とはいっても、レッスン日だけに山があってあとはずっと谷のまま、というわけにはいきません。やはり週末に多少は集中できる時間がほしいところです。 となると、月曜日や金曜日にレッスンがあると、山と山との間が近すぎてしまってペースをつくりにくい、ということもいえそうです。 いろいろな要素があるので、どれを重視するかで望ましい曜日設定は変わってきますが、私自身の条件を重ねると、やはり「水曜日が一番」と思っています。 1) 月曜日ではないので心身ともにつらくない 2) 仕事が多少混み合っても前後に日があるので調整しやすい 3) 週末との間に二日ずつあるので、週末にも学習意欲がわきやすい 4) 週末に予習や宿題ができなくても、まだ2日間ある こんなところでしょうか。 だからかどうかはわかりませんが、いろいろ調べてみると「これは」と思う講座に限って水曜日であることが多いのです。 でも、身体はひとつなので、水曜日にドイツ語教室を入れてしまうと、他のなにかを受講することはできません。残念です。火曜日と木曜日をなくして、水曜日が三日続くようにすればいいのに...って、なんの解決にもなりませんが。 |
2010年4月17日 (土)
テレビでイタリア語・ヴィオレッタさんの「ペポーゾ」をつくろう
イラストはこちらでどうぞ 「テレビでイタリア語」みてますか? 萬田久子さんとルカ&レオの通訳なしの掛け合いが面白いですね。 昨年のイタリア語講座、「ヴォカボリ宮殿」の「CMタイム」で鈴木マリアさんがパロディを演じていたヴィオレッタさんの料理コーナーが、今年は本物で観られるのもうれしいです。でも、ここ2回ほどを観た限りでは、「材料を鍋にぶち込んで煮る/炒める」というのが基本なんでしょうか...かなりおおざっぱな気がします。 え、どんなのだったっけ? というかたのために、こちらでYuhさんのイラストが見られます。ヴィオレッタさんもそっくり。 Yuhさんの記事にもあるとおり、レシピはNHKのテキストに載っています。とはいえ、上で書いたとおり「材料を揃える、ちょっとだけ下ごしらえ、鍋に入れる、待つ、以上!」というすごく簡単なものです。さすがはレンガ職人が仕事の片手間でつくれる料理だけあります。 突然余談なのですが、イタリアのトリノで行われた今年のフィギュアスケートの世界選手権をご覧になったかたも多いと思います。 女子シングルの鈴木明子選手のフリー演技中、日本人アナウンサー(NHKにあらず。あまりにくだらないことばかり言うので、BSの再放送では日本語音声を切って観ていました)いわく「鈴木にマリアがのりうつったぁ~っ!」 ここでいう「マリア」は、鈴木選手が使っている曲「ウェストサイド物語」のヒロインのことですが、わが家では「ん?鈴木マリア? 歌って踊れるイタリア語講師ですかっ!」と大受け。おかげでフリー演技の内容を全然覚えていません。すいません、ほんとに余談で。 つくってみました「ペポーゾ」 さて、番組で紹介されたのは「ペポーゾ」という料理でした。 牛のすね肉を粒コショウと赤ワインとでじっくりと煮込むもので、なんとその煮込み時間は3時間半以上! なので、晩ご飯で食べようと思ったらお昼ご飯が終わったらすぐに始めるくらいでないと間に合いません。 これを、先週の土曜日につくってみました。 ![]() 上述の通りレシピはテキストにありますが、ポイントはすね肉の下ごしらえです。テレビでも「余分な脂を取り除いて」となっていましたが、横着せずに不要な部分をちゃんとカットしましょう。 煮込みに使うワインは高いものでなくてもかまいません。できあがった料理には当然ワインの味が残りますから、嫌いな味のワインではないほうが良いでしょうけどね。私は、デパートのセールで6本セット5千円で売っていたボルドーの安ワイン(「愛の妙薬」ですね!)を使いました。これで十分です。 さて、3時間半以上煮込むとなると、そのあいだ火から目を離すわけにはいきません。 とはいえ出掛ける用事もあったので、煮込み料理の友「シャトルシェフ」を使うことにしました。材料を全部鍋に入れて沸騰してから10分ほど、アクを取りながら(そういえばヴィオレッタさん、、アクも取っていませんでしたね)煮たあとは、保温容器に入れてあとはほっとくだけ。 4時間ほどでしっかりと柔らかく煮えていました。 ただし、この方法だとソースは煮詰まらないので、ちょっと違うものに仕上がったような気もします。とろみもつきませんでした。やっぱりちゃんと煮込み用の鍋を使ってコトコトやるほうが良いかも。 やわらか~い! できあがった「ペポーゾ」、肉を切るのにナイフは不要、箸でも、フォークでも簡単に切れてしまいます。とても柔らかく仕上がりました。 レシピ通りに粒コショウを入れましたが、驚くほど辛い、ということはありません。食べていると、たしかにコショウの風味があるという程度。人によっては味が薄いと感じるかもしれません(つくっているあいだは塩は最小限にしたので)。でも、塩分はあとで足せますから、薄味にしておくのが良いんじゃないでしょうか。 本当に肉だけですから、バランス良く食べるのなら温野菜を添えるなり、サラダを別に用意するなり、したほうが良いでしょう。 日曜日の夕食では、野菜の代わりにグリーンピースご飯(NHK「ためしてガッテン」で3月31日に放映された、「みじんピースごはん」です)とペポーゾ、そして赤ワインにしました。ワインもトスカーナ...だと良かったのですが、自宅の在庫が切れていたので、「persistente」なワインということでチリのモンテス・アルファのメルローを選びました。2007年です。 鍋に入れたらあとは待つだけ、という料理なので、普段料理は苦手なかたでも、あるいは料理なんかしたことないよ、というかたでもきっとおいしくつくれます。焦がさないように注意しさえすれば大丈夫! あ、ついでに「みじんピースごはん」も絶品でしたよ。 さて、番組でもテキストでも、すね肉は「安い」と強調されていますが、それでも100gあたり298円でした。レシピ通り1.2kgを使いましたから材料費は4千円弱也(あとはワインとスパイスとオリーブ油だけ)。きっとトスカーナではもっと安いのでしょうけど、そう「安いっ!」というものではないです。 同じ値段を出すのなら、豚のロース肉をブロックで買ってきて、煮込む前に表面をしっかりと焼いてからつくっても良かったかな、と思います。でもそれじゃぁ、「トスカーナ料理」じゃないですけど。 さて次回は何をつくりましょうか、と思ったら、こちらもグリーンピースでしたね。ま、この季節なので、今度はドイツ風にホワイトアスパラでも茹でましょうか。 |
2010年4月20日 (火)
iPad、Kindle、ケータイ...NHK語学の5年後は?
Oh, No! 一ヶ月延期 みなさん、「iPad」ほしいですか? 私はほしいです。 4月に入って、アメリカ中で新しもの好きやAppleファンが話題の新デバイス「iPad」を手にしていたにもかかわらず、日本では正式な価格も発表されずに「どうしたのかな?」と思っていたところ、案の定、日本を含むアメリカ以外の各国での発売延期が伝えられました。 4月下旬を待ちかねていたファンには失望感や怒りが拡がったことでしょうが、でも、「一ヶ月で海の向こうの評判を見ながら冷静に検討できる」と思えば、良いのかも。 さてこの「iPad」は、ブックリーダーとしても使えるのが魅力のひとつで、美しい液晶画面を備えることから、新しい形の雑誌や新聞を読むためのツールとしても期待されています。 先行したAmazonのブックリーダー「Kindle」がモノクロの電子ペーパーを使っているのに対して、iPadに搭載されているのはフルカラーの液晶ですから、文字情報中心の本を長時間読むというよりは、写真や動画などをふんだんに盛り込んだ雑誌や新聞に向いているかもしれません。長時間読んでも目が疲れないことを優先するのなら、電子ペーパーのほうに分がありそうですが。 既に日本でも端末が販売されているKindleですが、残念なことに私はまだ使用者にあったことがありません。妻は一度電車の中で見かけたそうなんですが。 まだ日本語の本は売られていません(PDFファイルで読むことはできますが)から、購入者は洋書好きのかたが多いのではないかと思います。好きなジャンルの小説を読むことで、語彙が増え構文の理解力も高まるので、電子ブックは語学学習のツールとしても注目です。 以前にも書きましたが、定期購読している雑誌が電子化されたら、私も紙からの乗り換えを本気で検討するのですが... ネットでゴガク、モバイルでもゴガク このサイト、「ゴガクル」ももちろんその代表ですが、ネットで語学学習ができる場が本当に増えてきました。もう、どれを選んだらよいのかわからないくらいです。 この分野での代表選手といえば、私がすぐに思いつくのは「smart.fm」でしょうか。スタート段階では「iKnow」というサイト名でしたね。だいぶ前に登録したっきりにしていたのですが、2週間ほど前からあらためて使い始めています。 5~10分刻みで学習が可能なので、ちょっとした空き時間に勉強できちゃうところが素晴らしいです。ただし、ネットにつながった状態のPCが必要ですが。 まだ累計の学習時間が4時間になったところなのですが、特に新たに覚えている単語ばかりのフィンランド語では、まさに「忘れたころに確認される」のが実に心憎いです。 これが単なる反復練習だと、短時間で繰り返しただけで「良し、おぼえた」と思ってしまいがち。一日二日おいて再学習すると、すっかり忘れていることに気がつきます。NHKの語学講座でも、「smart.fm」に公式ゴールをつくってはいかがでしょ。ゴガクルと競合しちゃうからダメですか? でも、英語・中国語・韓国語以外のフレーズ機能って、中途半端じゃありませんか。 さて、ネット以上に利用者が多そうなのが、携帯ゲーム機を使っての語学学習ソフトです。 実は私はゲームをまったくしないので、けっこう最近まで「そんなにゲームって面白いの?」といぶかしんでいたのですが、英語の勉強にいそしんでいるかたもけっこう多かったのですね。 ゲーム機を持っていない私は、iPod touchに「ドイツ語三昧」なる学習アプリを入れてみました。旅行などで使えるフレーズを学習するためのアプリで、テストの内容はドイツ語フレーズから日本語訳を選ぶ、日本語から対応するドイツ語フレーズを選ぶ、というスタイルです。 このため、全問正解して「テストに合格」しても、本当に使えるレベルになったかどうかはちょっと疑問。ま、ドイツ語をこれひとつで習得しようと思う人は、いないでしょう。空き時間活用には、良いかもしれません。 iPadでこんなコトできたらいいな 流行りなので「iPad」と書きましたが、もちろん、iPhoneや携帯電話でもかまいません。 たとえば、NHKの語学講座を私は録音してiPodに入れ、テキストを開きながら通勤電車で聴いています。でも、たまに忘れたり、古いのがカバンに入っていたり。 どうせなら、CDで販売されている音声とテキストがハイブリッドになった、「電子書籍版」のNHK語学テキストができると、きっとたくさんの学習者が幸せになれます。少なくとも私はうれしいです。 スキット全体でも特定のフレーズでも、確認したければ表示したテキストで指定してやれば何度でも繰り返し聞けるようになるでしょう。日本語訳や詳しい文法解説、語句解説などにジャンプできるようにもできますね。 電子辞書ソフトが入っていれば、連携して調べられるようになっていると、さらに便利です。テキストからお気に入りフレーズ集をダイレクトにつくれるようになるかも。ゴガクルサイトでのサービスにそのままつながっていると、自宅に帰ってからPCで復習するのも簡単です。 とにかくいまは「ラジオの放送」「一部を収録したCD」「紙のテキスト」「ゴガクルなどの学習サポートサイト」がバラバラにありますが、これを電子テキストを中心に相互につなげるだけで、相当使い勝手が上がると思うのです。 その上で、たとえば上述した「smart.fm」のようなサービスと連携して使えるようなオープンさがあれば、さらにうれしいです。なんせ、次から次へと新たな、しかも魅力のあるサービスが生まれてくるのがネットのすごさですから。 ...なあんて、適当に妄想を書き並べてみましたが、みなさんは5年後のNHK語学講座、どんなふうになっていると思いますか? あるいは、どうなっていてほしいですか? |
2010年4月24日 (土)
英語で勉強してみた
英語「を」じゃないよ タイトルを見て、「何をいまさら?」と思ったかたはもう一度確認してください。「英語を勉強」じゃなくて、「英語で勉強」。 要するに、英語で行われるワークショップに、参加してきました。ただいま帰りたてのホヤホヤ、まだ頭の中では妻との会話でも英語で受け答えを考えてるくらいです。 いって来たのは、東京の中心部にある、アメリカの大学の日本キャンパス(ま、検索すればすぐにどこだかわかっちゃいますね)。ここではすべての授業が英語で行われます。 受講したのは、自信を持って話すために、という一日(正味5時間半)のワークショップでした。先月、この学校にどんな講座があるのかの説明を受けに行った際、雰囲気を知る上で参考になれば、と薦められたものです。 日本人だけかと思ったら 事前の説明では、受講者はたしかに日本人が多いものの、近隣の外資系企業に勤務する、英語を母国語とする人たちも全く同じようにクラスにいるため、授業はあくまで通常のスピードで行われるとのこと。すなわち、語学学習の場ではない、ということは強調されました。 そこで問題なのが、「果たしてネイティブ向けの英語で行われる授業に、ついていけるか?」ということ。そこで、とりあえずの試運転として参加してみたわけです。 日本人だけじゃないとは言われていたものの、今日のワークショップに限ってはネイティブスピーカーの前で自信を持って英語を話すためのトレーニングなので、日本人ばかりだろうと思っていました。 ところが蓋を開けてみると、参加した12名のうち、日本人は8名、ほかにはフィリピン、フランス、カタールといった、バラエティに富んだメンバーです。なるほど、英語ネイティブスピーカーの前でうまく英語で話せないというのは、日本人だけの悩みではないというわけ。 準備できない会話 やはりこういったワークショップは、実際に参加してみるのが一番だと思いますので、内容について詳しく書くのはやめときます。 ただ、英語で話す時間、および英語を聞く時間はたっぷりとありました。中でも、3〜4人が順番に物語を語り継いでいくエクササイズが印象深いものでした。 英語で話すとき、「次は何を話そうか」と頭の中で英文を組み立てるのに熱心なあまり、肝心の相手の話が聞こえていなかったことはありませんか? 私はけっこう毎度のことで、英会話教室の中だけでなく、旅行中にちょっとした立ち話をする際にも、あれこれと受け答えを考えているうちに会話が見えなくなってしまったことが何度もあります。これでは会話は成立しません。 このエクササイズでは、3〜4人が話し継いでいくので、前の人の話が終わるまで自分が何を話すべきかが考えられません。したがって人の話を聞かずに自分の言葉を探すことなどできないわけです。 この主な目的は、「話すとき自分だけではなく、相手に注意を向けること」にあったのですが、単に会話でのレスポンスの力を高めるための訓練としても、効果的であるように思いました。 他にもコミュニケーション上の問題を解決する上で役に立つさまざまな気づきのある一日となり、「英語レベルの確認」にとどまらない充実した一日となりました。 この学校での夏シーズンの講義は5月から始まるのですが、週に一度英語を聞き、話す場としてかなり有効かもしれません。 |
2010年4月27日 (火)
夜の女王にドイツ語を学ぶ
のだめカンタービレ 大ヒットコミックの「のだめカンタービレ」は、映画版も公開されてますます人気なのでしょう。完結後の番外編である「アンコール オペラ編」をまとめた単行本の24巻が発売になりました。 さっそく、妻と一緒にいそいそと書店に出かけ、DVDとCD付きの限定版を入手。妻はそのままアイリッシュパブでビールを飲みつつ読みはじめちゃいました。店内で笑うのは勘弁して...と言いたかったのですが、私のほうも同じく待望の「今日の早川さん3」を読んで「ぶぶっ」と笑いが漏れる始末。一杯だけ飲んでお客が増える前に退散しました。 さて、我らが早川量子さんに春はいつ来るのか...ではなくって、のだめ「オペラ編」の舞台は日本。本編を読んでいたファンには懐かしいある人が主役のモーツァルト「魔笛」がテーマです。 オペラなんて堅苦しくって、というかたでも、「パ、パ、パ、パ」で始まるパパゲーノとパパゲーナのアリア(アイスのCMでも使われてました)や、夜の女王のアリアなどは一度は耳にしたことがあるはず。おとぎ話のようなストーリーでもあり、比較的入門者にも親しみやすい作品です。2006年に公開された映画でご覧になったかたも多いでしょう そうそう、かくいう私も「魔笛を字幕なしで聴こう!」と思って、大学ではドイツ語を選択したのでした。 なぜ「ドイツ語」なのか?(2009.3.28) 限定版コミックには、この作品の序曲と著名なアリアが収められたCDがセットされているので、再生しながら読むと楽しみも倍増というわけです。 たしかに、ベートーヴェンの第7交響曲やシューベルトのソナタ以上に、「魔笛」のCDを手許に持っている人は多くないでしょうから、これはなかなかうまい配慮です。 「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」 さて、このオペラのなかでもっとも知られているアリアが、第2幕で歌われる夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」です。ほとんど超音波かと思えるような高音域でのコロラトゥーラを駆使しますので、素人がまねをすることはほぼ不可能。 夜の女王というキャラクターはおおざっぱに言って3回しか登場しないのですが、このアリアがあるおかげで存在感は(一応)ヒロインであるパミーナよりもずっと上です。私は「魔笛」の主人公はだれ? と問われると、けっこう本気で「夜の女王とパパゲーノのどっちだろうか?」と考えちゃうのですが、そのくらい優等生タイプの王子タミーノとパミーナは印象が薄いのです。 なので、「のだめ」でなぜあの登場人物はわざわざ自分からパミーナになったのだろうかと、ちょっと不思議に思えるほど。目立つことが目的ではないということでしょうね。 「魔笛」はドイツ語によって歌われ、演じられます。当時オペラといえばイタリア語で歌うのが当然であり、この作品はオペラではなく「Singspiel(歌芝居)」と呼ばれます。 宮廷劇場での上演ではなく、興行主のシカネーダーが一般庶民のために依頼したものなので、わかりやすいドイツ語で、しかも台詞をふんだんに取り入れた「歌芝居」になったのは当然のことでしょう。したがって、この有名なアリアも歌詞はドイツ語です。 場面は、ザラストロのもとにとどめられている娘パミーナに、夜の女王がナイフを手渡し「これでザラストロを殺害せよ、さもなくば娘ではない」と殺人を教唆します。 Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen, Tod und Verzweiflung flammet um mich her! Fühlt nicht durch dich Sarastro Todesschmerzen, So bist du meine Tochter nimmermehr. Verstossen sei auf ewig, Verlassen sei auf ewig, Zertrümmert sei'n auf ewig Alle Bande der Natur Wenn nicht durch dich Sarastro wird erblassen! Hört, Rachegötter, hört der Mutter Schwur! 他のオペラでもそうですが、アリアはだいたい歌い出しの歌詞で呼ばれます。「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」は、一行目の歌詞そのままです。 同じモーツァルトのオペラに登場するアリアで有名な「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」の歌い出しは「Non più andrai farfallone amoroso」だし、プッチーニの蝶々夫人は「Un bel dì, vedremo(ある晴れた日に)」と歌い始めます。 では読んでみましょう さあ、このもっとも有名なドイツ語の歌のひとつ(たぶん、有名なドイツ語の歌のダントツの一位は、ベートーヴェンの第9交響曲の合唱部分でしょうね)であろうこの歌詞、読んでみましょう。短いからすぐですね。 あ、前にも一度この手を使ったの、おぼえてますか? 好きな歌で覚える外国語(2010.2.9) Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen, Tod und Verzweiflung flammet um mich her! Der Hölle Racheは「地獄の復讐」です。恐いですね。HölleもRacheも女性名詞なので一格ならば「Die Rache」となるべきですが、「(Die) Rache der Hölle」が調子を合わせるためにひっくり返っているのでしょう。 kochenはおなじみの動詞で、この場合目的語がないので、自動詞として沸騰する、沸き立つ。したがって一行目を直訳すると「地獄の復讐が我が心の中で沸き立つ」となります。 次の行は「死と絶望が、私のまわりで燃え立つ」です。「um 4格 her」で「~の周囲に、~をめぐって」です。 Fühlt nicht durch dich Sarastro Todesschmerzen, So bist du meine Tochter nimmermehr. さて、いきなり動詞から始まっています、困りました。 ここは文頭に「Wenn」を補って、「Wenn Sarastro durch dich nicht Todesschmerzen fühlt,」と読み替えましょう。「もしザラストロがお前の手で死の苦痛を味あわなければ」。 で、続きは「お前はもはや私の娘ではない」。nimmermehrで「決して~でない」「もはや~でない」です。ひどい母親ですねまったく。 Verstossen sei auf ewig, Verlassen sei auf ewig, Zertrümmert sei'n auf ewig Alle Bande der Natur ここは畳みかけるように(歌でもそんな感じです)「auf ewig(永遠に)」が重ねられます。 seiは、sein動詞の接続法I式、一人称および三人称単数の形です。 ここには「sie」やら「ich」はありませんから、「Verstossen」「Verlassen」が名詞として扱われていると理解できます。「永遠に追放があれ!」「永遠に見捨てることがあれ!」なので、「(お前が)永遠に追放され、永遠に見捨てられよ!」。 次はseienがsei'nと短縮されていますから、主語は複数。ここでは「Alle Bande(すべての絆)」でしょうから、「すべての本来の絆が永遠に打ち砕かれよ!」。本来の絆とは、ここでは親子の絆を意味するのだと思われます。 Wenn nicht durch dich Sarastro wird erblassen! 良かった、今度はちゃんと「Wenn」があってわかりやすいです。「もしザラストロがお前の手で蒼白にされない(=殺されない)のなら」。前の4行に条件としてかかっています。 Hört, Rachegötter, hört der Mutter Schwur! 最後です。「聞け、復讐の神々よ、聞け、母の誓いを!」 「(den) Schwur der Mutter」をここでもひっくり返してますね。「Mutterschwur」という複合語ととらえちゃうと、ここは「der」じゃなく「den」です。 さて、いかがでしたでしょうか。オペラで観ると、だいたいは恐そうな化粧をして派手派手しい衣装を着けた歌手がヒステリックに歌いあげているこのアリア、歌詞のほうもかなりキレてます。 Youtubeなどでさまざまな動画が観られますから、関心があれば検索してみてください。ディアナ・ダムラウなんか良いと思いますよ。 歌詞は語順が変えられたり省略されたり、場合によっては語調を整えるために語尾が変えられたりするので、けっこう文として読もうとすると大変ですが、この歌詞は比較的素直なほうではないでしょうか。きっと庶民向けの作品ということもあるのでしょう。 「のだめ」のオペラ編を読んでみるみなさん、この歌詞をかみしめつつ読み返すと、またなかなか味わい深いものが、あるかもしれません。 |