2009年6月 1日 (月)
むむ、「英語」なのか!?
ゴガクルのリニューアルが終わり ゴガクルの事務局から「リニューアルするんで更新できなくなるよ」というメールが届いたのが1ヶ月くらい前でしたが、5月18日から2週間の工事期間が終わり、今日から新しいサイトがお目見えしています。さあて、大きな変更点は、と思ってみてみると... ほほう、トップページから「ゴガクルブログセレクション」へのリンクが消失しました(笑) 月曜日の出勤前だというのに探し回ること数分、なるほど、各言語のトップページにリンクバナーが集合しています。 このブログは、「英語」にあるみたい。「ドイツ語」のトップへいってみると、なるほど、maringeさんの「それでもつづけるドイツ語」があります。なんだかバナーがでっかくてお得な感じ? ここまででわかったこと さてさて、ブログセレクションについて今回どんなリニューアルが行われるかは、事前には知りませんでした。とりあえず、これまでに判明したことをあげます。・「ゴガクルブログセレクション」というまとまりのトップページは消失 ・各ブログは、各言語のページに移動 ・複数の言語について書かれるブログは「英語」に入った ・川本さんが更新停止期間中に強行投稿した(笑)記事は、いったん消えている ・なお、ブログそのものはデザインも含めてまったく変更なし 違和感があるのは、3番目でしょうか。 Yuhさんの「好奇心のままに!おうちでゴガク」は8カ国語に関わる記事が掲載されているのに、私のと同じく「英語」カテゴリに入っちゃいました。うーん、同ブログ内で「英語」の記事は3つだけでっせ。 こうなったら、Yuhさんと連携して、徹底して「英語」についての記事は書かないで抵抗を...て、私はドイツ語ネタだけではちょっともちそうにありませんので無理かな。 だけど、複数の言語トップに入り口を作るくらいは、やっても良いんじゃないかな。ロシア語なんて、番組のサイトへのリンクしかないんだし。 やだなあ、と思うのは、開始後半年にしていきなり部門縮小の感じが否めないこと。 ゴガクル事務局さん、もしかしたら「ブログセレクション」が意外と受けなかったので、さっさと店じまいの準備に取りかかっていませんか? あ、書き手の責任ですか、失礼しました。 おぼえた日記、ですか とりあえず気を取りなおして、マイページの設定をしてみました。勉強中の言葉は英語とドイツ語にして、と、あれれ、アバターを選ばないと進ませてもらえません。しかたがないので、とりあえずブルーのシルエットを選びます。 なるほど、先ほど選んだカテゴリーのフレーズが表示されますこれをひとつずつ覚えて使える表現を増やしていきましょう、ということですね。 月にいくつのフレーズをおぼえるかの目標設定をして、おぼえたら「おぼえた日記」につけていけるようになってるのですな。 ゴガクル全体を、各言語の学習番組で登場するフレーズをおぼえていく、という学習過程をサポートするサイトとしてまとめ上げた感じ。「※おぼえた日記は公開されます」とあるので、仲間がいると励みになるかもしれません。 今のところフレーズを検索してマイページに登録できるのは、英語に限られているようですが、その範囲でならば同じようなフレーズを登録している「学習仲間」を見つけるのは、比較的容易かもしれません。プロフィールには、ブログやWEBサイトを紹介できる欄もありますし。 英語中心は、やむを得ないが せっかくシステムができあがっているのだから、英語だけでなく他の言語についてもフレーズの検索機能なんかは使えると便利そうですが、これは先々に期待するしかなさそうです。とはいえ、英語に比べると学習に関わる情報が決して多くない言語でこそ、こういった機能が喜ばれる気もしますから、早いとありがたいですね。 とはいえ、英語以外の言語の学習者はそれぞれに目標を持っていたりもするので、必ずしもお仕着せの学習機能を活用する人が多いかどうかもギモンではあります。 結局は、英語に比べると学習者の絶対数が桁違いに少ないのだから、なにをするにもちょいと後回しは、しかたのないところかも。 でも、Googleで試しに「ドイツ語 学習サイト」と検索すると、やはりNHKの語学番組サイトは上位に出てくるのですね。なので、新たな学習機能の英語以外への展開、ぜひ早めにお願いしたいな。 |
2009年6月 2日 (火)
アトムクリークにおいてジーガーはいない
時事ネタではないのですが 時事ネタを書くつもりはないのですが、核実験のニュースが連日報道されていますね。このようなニュースに触れるたびに、思い出すドイツ語のフレーズがあります。たしか大学1年のドイツ語の試験に出ていた、ドイツ語単文和訳の問題のひとつです。 Es gibt kein Sieger in einem Atomkrieg. 別段難しい文章ではありませんから、たぶん1年生の前期テストの問題だったのではないかと思います。 大学の試験の問題なんてほとんど忘れているのに、これだけを覚えているのにはワケがあります。 Es gibt~は、There is~ おそらくは各種のドイツ語の講座でも、かなり最初の頃に登場して習う表現だと思います。gibtはgebenの三人称単数の形、英語でいうとgiveにあたりますから、そのままとらえると「It gives~」になってしまって、ちょっとわかりにくいですが、これはもう「There is~」の意味だと納得して覚えちゃうしかないですね。 手許の辞書には、こんな例文が出ています。 Gibt es noch andere Fragen?(ほかにまだ質問がありますか?) Im Bahnhof gibt es einen Friseur.(駅の構内に理髪店がある) 一度覚えてしまえば、別に複雑な構文でもありませんし、まごつくことはないでしょう。 もちろん、会話のときにさっと出てくるかというと、今の私はとてもそんな状態ではなく、あくまでこの表現を見かけても首をかしげることはない、という程度ですけど。 アトムクリークでは~ さて、冒頭の問題文に戻りましょう。もう一度書きます。Es gibt kein Sieger in einem Atomkrieg. もうおわかりですね。 「der Sieger」は「勝者、覇者」という名詞、「der Atomkrieg」は「核戦争」という名詞です。 すなわち、「核戦争には勝者はいない」というのがこの文の意味です。核戦争は人類全体を破滅に追いやるものなので、そこには勝者など存在しない、ということでしょう。「限定核戦争」なんていう概念もありますが、大まかな感覚としては賛同されるかたも多いんじゃないかと。 で、当時大学生だった私は大きな問題にぶつかりました。 そう、英語でもドイツ語でも語彙力が極端に弱かった私には、「Sieger」も「Atomkrieg」もなんだかわかりません。そりゃ、冷静に考えれば「Atom」と「Krieg」にわけてみて...という筋道はあります。「核戦争」さえ出てくれば、文脈から「勝者」は容易に推測できるでしょう。 けれど、このテストでは、決して熱心な学習者ではなかった私には時間の余裕がありませんでした。すぐに次の問題に取りかからなくては、とても時間内に終わらないのです。 そこで苦し紛れに回答用紙に書き込んだ答えが、タイトルのとおりです。 アトムクリークにおいてジーガーはいない 永年テストにおいて最小限の努力で得点を重ねることを得意としてきた私には、これでも中間点が獲得できる目算がありました。 この問題においては、「Es gibt~」の意味が理解できているか、「kein + 名詞」が否定であることがわかるか、そして文全体の意味が取れるか、というのが問われています。私の珍妙な訳文では、前の2つがカバーされていますから、5点の配点中2ないし3点が獲得できるであろうと算段したのです。 返ってきたテスト結果をみると、期待通り、2点の中間点が与えられていました。 もう少し長い文章なら...(言い訳) さて、この問題は単文の和訳でしたから、この前後の文は提示されていません。仮に、これが長文読解の問題であったとしたら、前後の文脈から「Atomkrieg」や「Sieger」の意味を推測することはより容易であったことでしょう(もっとも、さらに多くの未知単語が出てきて、さらに混迷を深める結果になったかもしれませんが)。 中学高校での英語も含めて、単語をひたすら暗記するのが苦痛でたまらなかった私は、その代わりに知っている単語同士を組み合わせて全体の意味を推測し、わからない単語の意味を仮に置きながら進むという「読み方」を習得しました。 この読み方には大きなメリットがあって、個々の単語の意味がわからなくても、とりあえず保留しておいてどんどん前に進めば「そのうちにわかるかもしれない」という心持ちでいられることです。 長文を読むときに、いちいち辞書で単語を調べていてはなかなか読み進むことができませんし、細部にこだわるあまりに全体の意味合いを見失うことさえあります。 文学作品を味読するならばともかく、雑誌や新聞の記事、WEBサイトやパンフレットなんかをざっと読むのならば、精読よりも主題を適確につかむことが重視されます。 語彙の圧倒的な不足という弱点をカバーするための、苦し紛れの読み方が、けっこう役に立つとわかったのは、英文の雑誌などを読み始めてすぐの頃でした。 だから単語の暗記なんかしなくて良いよ、とは思いません。やっぱり語彙は豊富であったほうがなんかと便利だしラクだと思います。けれど、それ以上に、とにかく読んで全体から大意を推測したり、重要なポイントでは肯定か否定かの取り違えをしないようにすることって、大事でしょうね。 なので、私はある程度の基礎語彙力が付いたら(たぶん、2000語とか3000語とかじゃないかと思うのですが)、あとは単語を暗記するよりも日本語で良いから文章をたくさん読んで、基礎的な読解力を高めるほうが、外国語学習でも役に立つんじゃないかと思います。 まあ、それでも「der Atomkrieg」くらいは、現代人として知っておくべきでしょうけどね(笑) |
2009年6月 6日 (土)
テーマパークで英語を使おう! ~ Vol.3 リゾートでの移動あれこれ
Walt Disney Worldはとにかく広い 良くガイドブックには「東京の山手線内と同じくらいの広さ」なんて書いてありますが、本当に広いです。広いだけあって、東京ディズニーリゾートのようにホテルからてくてく歩いてパークへ、なんていうことはできません(まあ、一部可能なホテルもありますが)。リゾート内には各ホテルとテーマパークを結ぶバスや船などの交通手段があり、滞在中は無料で使えます。 たとえば、渋谷あたりのホテルに滞在していて、四ッ谷にあるテーマパークに遊びにいくのです。 たとえバスに乗って、しかも渋滞がなくたって、10分や15分かかりますよね? しかも、バスは山手線のように3分おきにやってくるのではなく、基本的には20分間隔くらいです(運が悪いと1時間近くも待たされるし、5分ごとにきたりする)。 英会話とは関係ありませんが、ホテルを出発してパークで遊び始めるまでには最低でも30分、安全を見れば1時間くらいはかかるつもりでいたほうが無難。リゾートなんだし焦ったってしょうがありませんよ。 一番使う機会が多いのはバス 多くはオレンジ色の車体をした大きなバスで、行き先は正面上部に電光掲示されています。これがちょっと読みにくいことが多いのと、複数のホテルに向かうときには切り替え表示になるので見落としがちです。そんなときには、乗る前にちゃんと行き先を確かめましょう。「Does this bus go to Wilderness Lodge?(このバスはウィルダネスロッジへ行きますか?)」あたりになりますが、面倒ならば「Wilderness Lodge?」と語尾を上げれば、行き先があっていれば「乗んなよ」という感じの手振りで教えてくれます。 もし、どこかへ行きたいのにバス乗り場がわからない、あるいはバスが運行されているかどうかもわからないのなら、近くのキャストをつかまえて「Could you tell me how to get to DownTown Disney?(ダウンタウン・ディズニーにはどうやっていけますか?)」と尋ねましょう。親切に教えてくれますし、聴き取れずに不安げにしていればゆっくりと話してくれたり工夫はしてくれます)。 いま自分の並んでいる列が正しいかどうか不安だったら、「Is this line for Animal Kindom?(この列はアニマルキングダム行きのですか?)」と尋ねればOK。答えはきっとシンプルにYesかNoで、Noならあっちだよ、というふうに教えてくれるでしょう。キャストがいなくたって、これくらいなら横にいたひとに訊けますよね(相手もわかっていなかった、というオチもありえますけど)。 行列は「a line」もしくは「a queue」です。 パークのバス乗り場では、アトラクション乗り場と同じように列になって待つ場所がありますが、ホテルのバス停にはそんなものはありません。ごちゃごちゃっと待っていて到着したら乗り込むという感じですが、不思議と横入りだなんだというトラブルは目にしません。リゾートなので、みんなのんびりしているのかも。 単に早い者勝ちじゃなく、基本的には年寄りや子供優先、続いておおまかに先にきて待っていた人が優先されます。このあたりは厳密じゃありませんが。 車椅子やカートのゲストがいる場合には、問答無用でそちらが優先です。気付かずにどんどん乗り込もうとして、けっこう強い調子で止められるひとを見かけますから気をつけて。 小さな船の旅もおすすめです マジックキングダム(東京ディズニーランドと似たようなパークです)の前には、「Seven Sea's Lagoon」という大きな湖が拡がっていて、岸にあるホテルには小さな船でも渡れます。モノレールでも移動はできるのですが、私はこの船がおすすめ。時間は多少多めにかかるけど、湖の上を風に吹かれながらのんびりと移動するのは気持ちが良いし、そこからでなければ見えない風景も楽しめます。 船の運行はバスよりも頻度が低くなりますから、乗り場に見つけたら急ぎましょう。手を振りながら急ぎ足で歩けば、きっとわかってくれます。転んだりすると危ないので、走らないように。 待ってもらったらもちろん「Thank you!」を忘れずに。日本だと「どうもすみません」だからといって「I'm sorry.」では感謝の気持ちにはなっていませんよ。 船長さんのなかにはお茶目な性格の人もいて、明らかに席が空いているのに「I'm sorry, it's full!」とかいわれたりします。ちゃんと泣きそうな顔をして期待に応えてあげましょうね。もちろん、ちゃんと乗せてくれますのでご安心を。 逆にタッチの差で乗れなかったら、同じように急いできて取り残されたゲスト同士、なにか話すのも良いでしょう。 なにかって、何を話すのやら、と不安がる必要はありません。お互いに観光客なんですし、ムスッとして20分30分と過ごすよりは、楽しいほうが良いだろうというくらいです。観光地ではとにかく困ったら「Where did you come from?」という必殺技を繰り出しましょう。「We came from New York. Did you?(ニューヨークからだよ、そちらは?)」「We came from Tokyo.(東京からです)」といった感じ。 知っている場所なら話題をひろげればいいですし、知らない場所だと「?」という顔をしていれば、相手がどんな場所かを説明してくれます。あるいは、感心のある人なら日本についてなにかを尋ねられたり。 船による移動は、リゾートの南東の端にあるダウンタウン・ディズニーに向かう狭い水路(川?)を使ったものもあります。 おそらくホテルのわりとわかりやすい場所に乗り場がありますから、機会があれば是非乗ってみてください。真夏以外だと、夕方以降はけっこう寒いかもしれませんけどね。 必要に応じてタクシーもあります リゾートの外にあるショッピングモールへ行きたいとか、あるいはドレスアップして食事に行くので(リゾート内には、ジャケットとネクタイ着用が求められるレストランもあります)バスはちょっと...という場合には、タクシーを使いましょう。ホテルからならば、タクシーは正面玄関の前に数台、いつも止まって客待ちをしています。乗り込んだら行き先を告げるだけ。 日本と同様に、話し好きな運転手にあたったらいろいろと話しかけられることでしょう。 そんなときには、早めに共通の話題を見つけるのが良いですね。たとえば、アメリカだと野球ファンが多いでしょうから、「Where did you come from?」と出身地を訊いてあたりをつけます。2008年の初めの旅行で乗ったタクシーでは「I'm from Boston.」ということだったので、「Wow. It was a great season for Redsox last year!(ああ、去年のレッドソックスはすごかったねえ)」ということでだいぶ間が持ちました(2007年にワールドシリーズ・チャンピオンになった直後だった)。「Matsuzaka is a great player but a little bit expensive.(松坂は良い選手だけど、ちょっと高いよねえ)」なんていわれましたけど。 それ以外にも、普段この道は渋滞がひどくていま走ってきた道のりで30分はかかるんだとか、あの大きな建物はこの辺で一番有名な教会なんだよとか、いろいろ教えてくれました。勝手にいろいろと話してくれる相手なら、適当に相づちを打っていれば(「Really?」とか「A-ha」とか適当に)時間は過ぎるので楽ですね。 逆に話し好きではなさそうなら、あえて話しかける必要もありません。同行した友人や家族と話してればいいでしょう。 移動中も楽しく バスがなかなか来なくてイライラしたり、船において行かれてがっかりしたり、タクシーで緊張したり、たぶんいつもハッピーというわけにはいかないかもしれません。けれど、外国語を勉強して旅行に行ったら、ちょっとでも誰かと会話ができること自体が、旅の楽しさを倍加させてくれます。英語が多少下手でも語彙が不足していても、ほとんどの場合相手の日本語よりはこちらの英語が上手なはず。気を大きくもって話しかけてみましょう。 そうそう、バスでも船でもタクシーでも、無事に目的地に着いたら運転手(や船長)に「Thanks!」を忘れずに。 |
2009年6月 9日 (火)
3ヶ月トピック英会話「カリフォルニア縦断!シンプル会話術」
5月分を一気見 悪い癖で、録画・録音してしまうと安心して、なかなかちゃんと消化できません。毎日15分・20分なら簡単なのに、5回分ためてしまうと1時間~1時間半と、まとまった時間が必要になります。じゃあ今度時間のあるときに、と思っているうちにあっという間に10回分、20回分とたまってしまうと、もうアキラメの境地。 そうなりかけていたのですが、土曜日に3ヶ月トピック英会話「カリフォルニア縦断!シンプル会話術」の5月放送分を一気に消化しました。 途中、「おいおい、NHKで飲酒運転ですか?」という危ない場面もありましたが、そこはもちろん教育番組ですから、ビルさん我慢してました。余談ですが、私は食事に際して飲まないでいるのはちょっと寂しいので、旅先でのレンタカー利用は無理ですね。 テーマパークで~とかなりかぶってます この番組をあらためてみていると、このブログで3回ほど掲載した「テーマパークで英語を使おう!」と似たような場面が多いですね。レストラン、リゾートホテル、そして交通手段...必要最小限の(番組サイトには、「中学校で学ぶ英語を主に、コミュニケーションを円滑に進める学習方法をご紹介」とありあす)知識と語彙力で、旅先での会話をナントカしよう、という基本思想が共通ですし、旅先での会話なんてそうそうバリエーションはありません。似てくるのも当然か。 こうなると、中身は一緒ならこの番組のフレーズをまるごと使っちゃえばいいかも、とも思うのですが、さすがにそれなら書く意味がないですね(笑) どうせなら、Walt Disney Worldの紹介でも追加しましょうか(写真もたくさんあるのですが、著作権がらみがいやらしいので載せていません)。でも、そうなるとあっという間に主従が逆転しそうです。 旅行者にはちょうど良いレベルではないかと さてこの番組、講師の田中真紀子さん(毎度いわれているでしょうけど、名前のインパクトが...)の不自然な斜め座りに対して「腰痛くなりませんか?」と訊いてみたくなるのですが、それはおいといて、「もうちょっと話したい!」という旅行者にはちょうど良い感じだな、と思って観ています。旅行時に実際に必要になりそうな場面でのフレーズが紹介されていますし、それぞれについてあまり難しい表現や単語は使われていません。 実際には、とりあえず単語を並べればちゃんと通じますよ、というところでも、語学番組のフレーズとしてはきちんとしなくちゃいけないので、この通りに喋らなくちゃならない、というわけではありません。 Could you put them in separate bags? (袋を別々にして入れてくださいますか?) であれば、「In separate bags, OK?」とか「Can I have extra bags?」とかいえば、それなりにちゃんとした結果が得られます(「extra bags」については田中さんも紹介してましたっけか)。極端な話、「More bags, please?」でも良いですしね、ま、相手にもよりますが。 通じればいいってモンじゃなくて、やはりある程度ちゃんと話せるならそうしたいね、ということで、これらのフレーズをおぼえ、受け答えができるようになるのはとても良いことだと思います。 この番組で紹介されているフレーズが、字幕なしでも理解できるようになってくれば、旅行時にお店やレストランなどで英語がわからずに立ち往生することは、ほぼなくなるのではないでしょうか。自分から話すほうは、おそらくあの半分もあれば十分ではないかと。 「そんなの無理!」と思うか「意外と簡単なんだ」と思うかは人それぞれですが、この程度であれば、ちょっとの訓練で十分に実用レベルになると思います。録画しているかたはビデオに向かって同じスピードで読んでみると、だんだんと口がなれてくると思いますから、一度やってみてください。 |
2009年6月13日 (土)
ハワイにはビールがない?
ドイツビールよ、がんばれ ビールといえばドイツ、ドイツといえばビール、そうですよね。たぶん40代以上のかたがたに、「ビールのおいしい街といえば?」と尋ねると、迷うことなく「ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー!」と答えるのではないでしょうか。 ミュンヘンといえば、毎年秋に行われる「オクトーバーフェスト(das Oktoberfest)」があまりにも有名。かくいう私も、一生に一度はあのテントのなかでの大騒ぎを体験してみたいと思ってます。 かほどにドイツビールは有名なのに、なぜかドイツビールをおいしく飲む方法は決して多くありません。 デパートや輸入酒専門店などでも、目立つのはベルギービールやアメリカのマイクロブリュワリーのもの。ドイツ圏があったと思えばレーベンブロイ(Löwenbräu)やイエーファー(Jever)などのメジャーな商品ばかりです。 もちろん、東京にいれば数は少ないながらもドイツのビールを飲めるお店はあります。けれど、私たちの「ドイツ=ビール」の印象ほどには、日常生活でのドイツビールの存在感は大きくありません。 ベルギービールをお店やパブで見かける度合いは、この10年ほどで急速に増えてきています。また、ギネスやキルケニーを擁するアイリッシュパブも大流行といって良いでしょう。 ここはひとつ、ドイツビール界の奮起に期待したいところです。 ドイツビールを楽しむ 先月から、都内のある大学で「ドイツビールを楽しむ」なる公開講座に出ています。受講料と教材費で15,000円ほどかかりますが、教材費が不足するのではないかと思うほどふんだんにビールを「試飲」できます。もちろん、ただ飲んだくれているわけではなくて、ビールの歴史やドイツ各地で造られるビールの種類などビールにまつわるさまざまな知識もちゃんとつくという、大変においしい講座。 その講座では、毎回最後にビールを題材にした歌を聴き、合唱して終わるのですが、先日の歌が「Es gibt kein Bier auf Hawaii」というハワイアンふうの曲でした。Paul Kuhnという歌手による1963年のヒット曲だそうです。 Youtubeで検索すれば、ご本人がスタジオのお客さんと一緒に気持ちよさそうに歌っているビデオが見つかります。楽しい歌ですから一度ご覧あれ。 ハワイにはビールがない!? タイトルには前の記事でもおなじみの「Es gibt~」ですね。「ハワイにはビールがない」という意味になります。名詞を否定するときには、冠詞「kein」をつけます。「Es gibt ein Bier auf Hawaii nicht.」にはならないので注意しましょう。 お金がなければ「Ich habe kein Geld.」、やる気がなければ「Ich habe keine Lust.」、元気がなければ「Ich habe keine Energie.」...ああ、記事を書く気も失せてきました(笑) 歌詞を見ると、この歌の主人公にはもう12年もつきあっている彼女がいて、とっくに結婚しても良いと思っているのだけど、彼女が新婚旅行先に望んでいるのがハワイ、おいしいビールがないよ、と気が進まないのです。 せめて行き先がチェコだったらすぐにでも、なんていっているのですが、男のホンネがどこにあるのかはわかったものではありません。 ハワイにはおいしいビールがないから、というのを理由にして、単に結婚を先延ばしにして独身生活の気楽さから離れまいとしているだけ、にも思えますが... ハワイにもビールはある! アメリカのビールといえば、バドワイザーとかミラーとかクアーズとか、ひたすら軽いものが主流です。さらにそれぞれの「ライト」ともなると、私には一体何のために飲んでいるのかわからないようなものばかり。これなら炭酸水でも飲んでいる方がマシじゃないかと思えます。それだけに、ハワイに行ってもバド・ライトばかりじゃないかという気はしますよね。「ハワイにはビールがない」「その通り!」となっても不思議じゃありません。 ところが-この歌が作られた46年前はどうだったかわかりませんが-ハワイにもおいしいビールはちゃんとあります。 たとえば、コナ・ブルーイング・カンパニー(Kona Brewing Company)のビールなどは、日本のレストランやファストフード店などでもよく見かけます。 身近なところでは、ハワイのハンバーガーチェーンである「クア・アイナ(KUA`AINA)」、ここで大振りなハンバーガーと一緒にコナ・ビールの苦みと甘みがほどよくバランスしたエールを飲むと、休日のランチとしては満点をつけたくなります。12時頃になると混んじゃうのが、ちょっと難点ですけど。 世界のビールで乾杯できたら アメリカ本土でも、ボストンのサミュエル・アダムス(Samuel Adams)やサンフランシスコのアンカー(Anchor)など、個性的で味わいのあるビールがちゃんと作られ、日本でもかなりの人気をえています。英会話教室に行く前、私は軽く腹ごしらえをするのですが、よく行くお店のひとつが「アンカー・リバティ・エール」を並べていて、レッスン前だけに相当の意思力で我慢せねばなりません。そのうちほろ酔いで教室に行っちゃうかもしれず、危ないのです。 もちろん、日本国内でも地ビールは多く、多様性に富んだドイツのビールが受け容れられる素地は十分にあって、あとはビール醸造業者や業界のプロモーション次第ではないかと思えます。 冒頭でも触れたとおり、日本人にとってのドイツビールのイメージといえばオクトーバーフェストですが、ドイツビールの多様性は「ドイツビール」という共通のカテゴリーにおさめるのが困難なほどの幅を持ちます。 ベルギーのビールならヒューガルテン・ホワイト、アイルランドならギネスといった、核となる存在がない(あるとすればレーベンブロイになっちゃう)ので、プロモーションはそう簡単ではないのかもしれません。結局は大資本の商売ですから。 私はビールが好きですが、日本で一番売れている、銀色の缶に入ったビールは苦手。 好みの問題なのであの味が大好き、というかたがいてもかまわないのですが、どの居酒屋やビアホールに行っても、似たような味のビールばかりなのはちょっと寂しい。 店の看板が違っても、出てくるビールはアサヒかキリン、たまにサッポロかサントリーという画一的なのばかりじゃなく、国内の地ビールでも輸入されたものでも、さまざまなタイプのビールで乾杯できる場所が増えてくれると、良いのですが。 今回は外国語学習とほとんど関係ないですね。梅雨入りしてビールが恋しい季節だし、ま、いいか。今日も(ちょっとは勉強してから)おいしく乾杯しましょう。 |
2009年6月16日 (火)
ドラマや映画で英語レッスン
よく聞く話だけど、やってますか? 基礎がある程度できたあとのステップとして、よく勧められる学習法のひとつが、「ドラマや映画を英語で楽しむ」ことです。日本語字幕を消し、英語を聞き取るようにする。最初から無理そうなら、英語字幕を併用する。もともと好きで観ているドラマなら継続できるし、なんとなくストーリーも理解しやすいので聞き取りの手助けにもなる... 最近では海外ドラマのDVDも入手しやすいですし、DVDなら字幕の切り替えも簡単です(ビデオテープの頃は、クローズドキャプションなんてありましたね。妻が単体のデコーダーをもってました)。 何度も繰り返し観ているうちに、暗記するほどになったらそのフレーズを使うこともできるわけで、これはかなり良さそうに思えます。海外ドラマではありませんが、NHKの「リトル・チャロ」なんかも同じように活用している人が多いんでしょうか。 おすすめは、ディズニーの初期長編 いくら好きな海外ドラマでも、最近のものは必ずしも英語を学ぶ教材として優れているとばかりもいえないように思います。だって、台詞は早いし、口語表現も多くて聞き取りはかなり大変です。しかも口語表現の場合は、それがどんなシチュエーションで使われるものかを理解していないと、やっかいなことになりかねません。 あとはそのドラマのなかだけでの特殊な表現とか。私はスタートレックのファンですが、「Energize!」とか「Engage!」なんて使う場面、そうそうないですよね。 そこでおすすめするのは、ディズニーの初期の長編アニメーションです。たとえば、「白雪姫」「ピノキオ」「ダンボ」「シンデレラ」「眠れる森の美女」あたり。 これらの作品は小さな子供が観ることを前提に作られているので、けっこうゆっくりと、しかも正確に喋っています。使う場面を選ぶような汚い表現が出てくることはまずありません。 お話はだれでも知っているので、多少聞き取れないところがあっても映画を楽しむうえでは問題ありませんし、しかも観ていて苦痛を感じる人があまりいません(というところが苦痛だ、という人もいるでしょうけどね)。 まあ、「Magic mirror on the wall, who is the fairest one of all?」とか、日常会話でそのまま使うかといわれるとギモンですが、「この中で一番○○なのは?」というフレーズだと思えばいいでしょ。 「Someday my prince will come.~」とか、一緒に歌っちゃっても良いですね、「Supercalifragilisticexpialidocious」とか、無理かもしれませんけど...(笑)、あ、何のこっちゃというかたは「メリーポピンズ」観てください。 何度も観られる気に入った作品があれば リスニングやシャドーイングの教材と考えると、やはり何度も繰り返し観られる自分の好きな作品を題材にするのが基本だと思います。なので、ディズニー嫌いな人にお勧めする気は、ありません。自分が好きなら、「マトリックス」でも「タイタニック」でも「スターウォーズ」でも、何でも良いのじゃないでしょうか。もう字幕なしでもストーリーがわかるくらい好きな作品があれば、それが一番と思います。 私の場合だと、ディズニー以外で何度も観ている作品といえば、「インディ・ジョーンズ」の3作(最近のヤツは未見)と、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の3作、そして「ブルース・ブラザーズ」あたりです。 最後のヤツは、あまりお上品ではない表現ばかりなので、よい教材とはいえませんけど... そのほかに、「スタートレック」シリーズ、なかでもカーク船長の「宇宙大作戦」とピカード艦長の「ネクストジェネレーション」は、すべてのエピソードを複数回、多いものは10数回も観ていますが、残念なことにこれらはすべて日本語吹き替えで頭に入っちゃっていて、英語だとどうも違和感があります。 まあ、内容は良くわかっているので、これを今度は英語音声でひとつずつ観ていくのも、良いかもしれません。なにせ、実写のドラマだけでも5シリーズ700エピソード内外もありますから、教材の量には事欠かないわけで。 しかし、英語以外は教材の量自体が少ないですね。 ドイツ語だと、ワーグナーやR・シュトラウスのオペラ作品でしょうか、ちょっと違うような気もします。押韻のために語順が変わったり、あまり使われない単語も入っているでしょう。イタリア語でも、プッチーニやヴェルディの歌劇の歌詞は、普段使われるイタリア語とは違うもの、と聞いたことがあります。 まあそれでも、好きなものを観るのに越したことはないでしょうね。もっとも、オペラだとリスニングはまだしも、シャドウイングは無理かもしれません。 |
2009年6月20日 (土)
急に英語が嫌いになった中学2年
最初は得意科目だったのに 小学生のときに軽く英語をかじっていたおかげで、中学1年生の英語のテストは余裕で100点を取っていたんですが、2年生になる頃にはだんだんと怪しくなっていきました。小学校のときに先行して習った英語は役に立ったか 中学校で私が好きだった科目といえば、なんといっても社会(特に歴史)と理科(特に化学)です。本は好きでしたが、国語はちょうど反抗期で教師がいうことにいちいち反発していましたし、数学は得意だったものの好きでもなく、これらは中立といったところ。 主要5科目といわれる中で、実は最初に嫌いになったのが英語です。 中学生が特定の科目を嫌いになる理由なんて単純なものです。なんのことはない、英語の教師がなんだか陰気な人で(当時の北海道知事にちょっと似ていた)、好きになれなかったのですね。 当時はいまのように何をするにも英語英語というわけではなかったし、海外旅行だって身近にではありませんでしたから、英語を学ぶモチベーションも圧倒的に低かったのです。学校でやれというからやってます、という感じ。1970年代の話です。 英語学習のモチベーションが弱かったわけ 社会科や理科は進む都度に新しい知識が得られます。数学も新たな問題の解き方がわかります。一方で、国語と英語は新しくなにかができるようになる、という実感がないんですよね。学校の国語の授業なんかなくたって、本はいくらでも読めます。英語に至っては、それこそ普段の生活で触れる機会がありません。 今でこそ映画やドラマは二カ国語放送や字幕放送が当たり前ですが、当時は吹き替えオンリーです。クリント・イーストウッド演じるダーティ・ハリーとルパン三世は同じ声をしているのですよ。私の中では。 生活の中で英語に触れる機会自体が、いまよりもずっと少なく、生活における英語の比重は、いまとは比べものにならないくらいの小ささでした。 一方で、英語がやたらに好きな生徒もいるもので、悪いことにその中のひとりが私がものすごく嫌いな女子だったんですね。なにやら英語をやって将来はアメリカで、なんて話をしていて、たしかに英語の成績は良いんだけどあとはからきし、てな感じです。 坊主憎けりゃ袈裟まで、というわけで、私に英語好きになれというのが無理でした(こういうパターンって、「実はその女子が気になっていて...」みたいな展開だと思われるかもしれませんが、全然ありません。本気で嫌いでした、たぶん向こうもそう)。 「英語はいいや」 もしほかのクラスに編入されていて、別の人気教師から習っていたらいまごろは...とも想像するのですが、それはそれで別の理由をつけて英語をサボり始めていたでしょうね。その後私が多少なりとも英語にポジティブに取り組み始めたのは、高校を卒業して予備校での英作文の授業を受け始めたときでした。まさに空白の5年間があったわけです。 それでも大学入学後には、4年間一番親しくつきあった友達が英語好きで(いまも英語の教師をしているはずです)、「じゃ、オレは英語はいいや」と全く意味のない意思決定をしてしまったのです。縁がないとは、こういうことでしょうか。 どこかの交差路で違った道を選んでいれば、今別の自分がいたのだろうなあ、とは思いますが、いまさら過去は変えられません。 だいぶ回り道はしましたが、いまからでもやれることをやっていけば、それで良いのでしょう。 |
2009年6月23日 (火)
Outputが必要な理由~使わないと、覚えないから
わかるのと使えるのとは違う 外国語の文法や語彙を参考書などを使って学ぶこと自体は、そう難しくありません。おそらく頭も柔らかく、短期記憶力にも優れた十代二十代の頃なら、他の勉強と同じ程度の難易度しかないのではないかと思います。 けれど、それだけでは使えるようにならないのが知識というもの。 覚えたこと、理解したことを実際に使ってみて、記憶を定着させてようやく「わかった」「使える」という状態になります。 残念なことに、英語なり他の外国語なりを勉強しても、それを実際に使ってみる機会というのは多くありません。ひとりでできることといえば、日記なりブログをその言葉で書いてみることくらいでしょうか(だからか、「英語で日記を書いてみる」という本がよく売れましたね)。 わかっているつもり、覚えたつもりの表現も、実際に必要なときに口から出てこなければ、あるいはさっと書けなくては、知らないのと同じです。私はこの間、「fluctuate(変動する、揺れ動く」という単語がどうしても出てこずに、「Currency exchange rate is changing dramatically in these weeks.」で誤魔化しました。通じましたけど、やっぱりなんかこなれてませんよね。currencyとchangeが一緒に出てくると、なんだか両替したいみたいだし。 Outputの場はなかなかないから とくに英語話者の友人なり同僚でもいない限り、英語のOutputを日常的にできる環境はなかなか得られません。英会話教室は「InputではなくOutputの場」といわれることが多いようですが、私も同感です。あるレベルまではそこで英語の表現や文法を習うけれど、一定の水準に達したら、むしろ普段取り入れた情報や表現をいかに使えるものにするか、という訓練に中心が移ります。 中学・高校でそこそこ英語の授業について行っていたかたなら、比較的早い段階で「Outputの場」を確保することで上達が早まるように思います。 なにか知らないことを学ぶのでも、画期的な習得ノウハウがあるわけでもなく、単に英語話者と1時間話すために高い授業料を払うなんて! と思われるかもしれません。 けれど、現実に周囲に英語(あるいは他の原語)をOutputする環境、それも機械的な朗読ではなく、会話というインタラクティブな機会がなければ、それをお金を払ってでも買うというのは、合理的な判断じゃないかと思うのですね。 そして、その機会にお金を払っていると思えば、「なんにも教えてくれない」「ちっともしゃべれるようにならない」といった不満は出てきません。あるとすれば、「Output機会の獲得費用として、この授業料は適切か?」という判断だけです。 それが高すぎると思えば、別の場所を探せばよいし、見合っていると思えば続ければよい。 自分にあった場を見つける 私が英語の勉強を再開するきっかけとなった同僚ですが、彼女は一時期、当時の最大手英会話教室に行っていて、私にも勧めてくれました。「どうせなにかを習いに行くんじゃなく、英語を話す相手と場所を買うのだから、そのためには一番コストパフォーマンスが高いですよ」というのがその理由。たしかに理にかなっていたのですが、彼女の話だと講師はかなり砕けた英語を使うのだとか。私自身は「どうせならきちんとした英語を話せるように」なりたかったので、学校を替えませんでした(結果オーライ、というヤツです)。 そもそも英会話教室という選択をするか、どんなタイプの場を選ぶかは、それぞれが重要だと考えることが違うので、正解はありません。 ただ、ある程度英語で話すことに慣れてきたら、InputではなくOutputの場として最適なのはどんなところか、ということを考えても良いのではないかと思います。留学なんかも、語学の勉強に行くのも良いですが、ある程度できるようになってから再度でかけられれば、さらに充実したものになるのかもしれません。 |
2009年6月27日 (土)
たまに背伸びしてみる、ダメだったらしばらく忘れる
背伸び学習の効用 英語でもドイツ語でも、私はときおり背伸びをしてみることにしています。たとえば、ドイツ語に関しては今のところ基礎文法をやり直しているところで、語彙が圧倒的に不足しているので何を読んでも、聞いても、辞書なしで理解できることは希です。 それでも、中級以上のリーディング教材を読んでみるのです。ちょうど、このお正月にNHKラジオ講座の中級テキストを読んでいたように。 冬休みも(ちょっとだけ)勉強中(2008.12.31) 背伸びの理由のひとつは、いつもいつも基礎的な反復訓練ばかりをやっていては、飽きちゃうからです。 たしかに、定冠詞の変化(der,des,dem,den)とか、動詞の格変化(Ich sehe, Sie sehen, Er sieht)などは繰り返しながら覚えないことには使えないもの。理屈抜きで訓練して暗記しなければ話になりません。 とはいえ、こればかりではちっとも面白くありませんね。たまに気分を変えることもできずに、辛い基礎訓練ばかりではいやにもなります。 この点で、基礎講座から飽きさせないよう工夫の凝らされているテレビ・ラジオ講座というのは良くできていると思います。それでさえなかなか続かない私は、相当ダメなんでしょうが。 怠け者でも続けられる もうひとつの理由は、「前進できている実感」のため。ナマケモノである私の場合、とにかく少しずつでも「前進できている」という実感が継続のカギです。これなしには、勉強なんて面倒でやってられません。 そこで、たまに中級以上のテキストをとりだして、読んでみるのです。当然スラスラと読めるわけなどないのですが、ところどころで「あ、主語はこれで動詞がこれで、じゃあ、こういう意味だろう」というのがわかるところがあります。 つまり、意図的に「前進できている実感」を作るのですね。 語学にはどうしても必要な反復訓練の単調さを解消し、同時に、半年前、ひと月前よりも確実に前進している実感を得るため、たまに背伸びをしてみるというわけです。 背伸びにも限度があるので ところが、ここにも落とし穴があります。読んではみたものの、ちっともわからない場合はどうすればいいのか? 選んだテキストが中級どころかもっと難しいものだったり、ほとんど勉強が泊まった状態で気分だけを変えようとしたり、まあ、いろんなケースが考えられます。 そういうときにはとても簡単、とりあえず忘れましょう。 もともと中級~上級のテキストです。わからなくて当然。 わからなかったからといっていまやっている学習がムダだったり、無意味だったりするとは限りません。背伸び用の素材がちょっと難しければ、少し低いものを見つけてくればOKです。 素振りを100回やったから試合でホームランが打てるとは限りません。打てたらそれを喜べばいいけど、ダメだったら試合に出るのはやめてバッティングセンターにでも出直せば良いんじゃないか、といった具合。それでもダメならトスバッティングとかね。 不思議なもので、背伸びを繰り返すうちに伸びの度合いが小さくなります。 そのうちに、自分の背丈があってきているのが実感できるはず。そうなったら、大いばりで学習を次のステップに進めましょう。 もちろん、新しい背伸び用テキストを探しておくのも、お忘れなく。 |
2009年6月30日 (火)
言葉と気質
ドイツ語うるわし みなさん、今週も張り切ってラジオ講座聴いていますか?え、私ですか? それが、2TBの巨大容量を誇るネットワーク接続のハードディスクがあっけなく故障して、録音してあったラジオ講座が消えちゃいました。 故障時にも壊れたディスクを交換すればデータは大丈夫! という、ふれこみだったのですが、とんでもない。高い交換用ディスクと差し替えても起動すらしません。 しかも修理にあたってはテストのためにデータは上書きし、どんな事情があっても消します、という脅迫めいたサポートの回答にビビって修理にも出せていません。怖いなあ。 つまり、先週までのドイツ語講座は今のところ「あるけど読めない」ディスクのなか。まいったなあ。 そんなわけで、学習意欲も急速減退中ですが、かろうじてiPodに残っていたぶん(5月の初めまででしたが...)の復習でもしておきましょうか。 こういうときはハードに勉強するよりも、心の安らぎを得るためにあの講座ですよ。毎週金曜日の「ドイツ語うるわし」です。 ドイツ語の教室でご一緒しているかたによると「あれ聴いてもドイツ語の勉強にならないから、今年はやめちゃいました」なんだそうですが、まあ、たしかに(笑) でも、独特のやさしい語り口でドイツ語の印象的なフレーズと、作品や言葉の文化的・歴史的な背景を聴いていると、ドイツ通になったような錯覚にも陥ります。 早すぎる絶版 話は変わりますが、「ローマ人の物語」でおなじみの塩野七海さんがヴェネツィア共和国を題材にした「海の都の物語」が文庫になっています。さっそく前半3冊を買って読みましたが、第1巻のハイライトは「第4回十字軍」です。聖地奪回はどこへやら、同じキリスト教国の東ローマ帝国首都、コンタンティノポリスを攻略してしまうというとんでもない行動に出たこの十字軍は、「ヴェニスの商人」と並んでヴェネツィアの評判を落としているといえそう。 この「事件」についてもうちょっとくわしく読んでみようと、講談社学術文庫から出ていたはずの「コンスタンチノープル征服記」を買おうと書店に行ったら、なんとカタログから落ちていました。 複数の書店を回っても店頭にはなく、Amazonの中古価格はなんと1万3千円以上です(2009年6月末現在)。本なんてある日あっけなく絶版になって、読みたくても読めなくなるのですよね。 この本を探していて、同じ学術文庫で見つけたのが、上記「ドイツ語うるわし」の講師である小塩節さんの「ドイツ語とドイツ人気質」です。 言葉が気質を作る 言語というのは、その使われかたも含めて私たちの暮らしに深く影響を与えています。言葉が気質を作り、その気質が言葉を育てるのでしょう(どっちが先か...は、おいといて)。できるだけ直接的な表現を避け、お互いの心中を察して行動することが望まれる日本人が使う言葉は、やはり持って回った言い回しに富み、逆に直接的な物言いは強いだけでなく、相手への非難と受け取られることもしばしば。 英語にせよドイツ語にせよ、私たちが学習を始めるときにまごつくのは、日本語で非常によく使う表現、たとえば「よろしく」「すみません」「どうも」が翻訳できないことです。 これらの代表的な表現だけでなく、フレーズや表現を見比べて(意味は同じであっても)なんとなく違う感じがするのは、その言葉を使う場面やその際の心の持ちよう、好ましいとされる態度や表情などが、そもそも違うから。 これらのコンテクストの違い(なんて、カタカナに頼る私は、すでにきちんとした日本語の使い手ではないのですが)を乗り越えて文学作品を訳し、鑑賞に堪える日本語を書く翻訳家というのは、すごい仕事だなあ、と感心します。 そんな、言葉と気質との関係を、さまざまな実例を引きながら楽しく紹介してくれるのが、この「ドイツ語とドイツ人気質」でした。 なかでも、人称代名詞のSieとdu、そしてichに関する考察がもっとも興味深く、全編のハイライトともいえると思います。申し訳ないですが、終盤の孫とおじいちゃんのくだりは、代名詞に関してゲーテやハイネを引いて組み立てた考察に比べてしまうと、軽口のコラムのようで、ページを増やすための埋め草とさえ思えるほど。 私も「ファウスト」は愛読書のひとつで(もちろん、高橋義孝さんによる訳本ですが)、数年に一度は読み返していますが、こうした文化的な背景まで含めてしっかりと読み込んではいません。 「ファウスト」に限らず、長く読み継がれる作品は一度読んで筋がわかったから良しというものではなく、繰り返し読むことでそのときどきならではの味わいかたができるものです。小塩さんの本で得た新たなドイツ語とドイツ人についての(まあ、ゲーテの時代の「ドイツ人」という概念自体についても、もう少し考察が必要そうですが)認識をもとに、また読み返してみると新たな発見があるかもしれません。 もっとも、「ダメダメ、言語で読まなきゃ、読んだうちには入らないよ」なんていわれちゃうと、これはもう一生無理そうですが... |