2009年6月13日 (土)
ハワイにはビールがない?
ドイツビールよ、がんばれ ビールといえばドイツ、ドイツといえばビール、そうですよね。たぶん40代以上のかたがたに、「ビールのおいしい街といえば?」と尋ねると、迷うことなく「ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー!」と答えるのではないでしょうか。 ミュンヘンといえば、毎年秋に行われる「オクトーバーフェスト(das Oktoberfest)」があまりにも有名。かくいう私も、一生に一度はあのテントのなかでの大騒ぎを体験してみたいと思ってます。 かほどにドイツビールは有名なのに、なぜかドイツビールをおいしく飲む方法は決して多くありません。 デパートや輸入酒専門店などでも、目立つのはベルギービールやアメリカのマイクロブリュワリーのもの。ドイツ圏があったと思えばレーベンブロイ(Löwenbräu)やイエーファー(Jever)などのメジャーな商品ばかりです。 もちろん、東京にいれば数は少ないながらもドイツのビールを飲めるお店はあります。けれど、私たちの「ドイツ=ビール」の印象ほどには、日常生活でのドイツビールの存在感は大きくありません。 ベルギービールをお店やパブで見かける度合いは、この10年ほどで急速に増えてきています。また、ギネスやキルケニーを擁するアイリッシュパブも大流行といって良いでしょう。 ここはひとつ、ドイツビール界の奮起に期待したいところです。 ドイツビールを楽しむ 先月から、都内のある大学で「ドイツビールを楽しむ」なる公開講座に出ています。受講料と教材費で15,000円ほどかかりますが、教材費が不足するのではないかと思うほどふんだんにビールを「試飲」できます。もちろん、ただ飲んだくれているわけではなくて、ビールの歴史やドイツ各地で造られるビールの種類などビールにまつわるさまざまな知識もちゃんとつくという、大変においしい講座。 その講座では、毎回最後にビールを題材にした歌を聴き、合唱して終わるのですが、先日の歌が「Es gibt kein Bier auf Hawaii」というハワイアンふうの曲でした。Paul Kuhnという歌手による1963年のヒット曲だそうです。 Youtubeで検索すれば、ご本人がスタジオのお客さんと一緒に気持ちよさそうに歌っているビデオが見つかります。楽しい歌ですから一度ご覧あれ。 ハワイにはビールがない!? タイトルには前の記事でもおなじみの「Es gibt~」ですね。「ハワイにはビールがない」という意味になります。名詞を否定するときには、冠詞「kein」をつけます。「Es gibt ein Bier auf Hawaii nicht.」にはならないので注意しましょう。 お金がなければ「Ich habe kein Geld.」、やる気がなければ「Ich habe keine Lust.」、元気がなければ「Ich habe keine Energie.」...ああ、記事を書く気も失せてきました(笑) 歌詞を見ると、この歌の主人公にはもう12年もつきあっている彼女がいて、とっくに結婚しても良いと思っているのだけど、彼女が新婚旅行先に望んでいるのがハワイ、おいしいビールがないよ、と気が進まないのです。 せめて行き先がチェコだったらすぐにでも、なんていっているのですが、男のホンネがどこにあるのかはわかったものではありません。 ハワイにはおいしいビールがないから、というのを理由にして、単に結婚を先延ばしにして独身生活の気楽さから離れまいとしているだけ、にも思えますが... ハワイにもビールはある! アメリカのビールといえば、バドワイザーとかミラーとかクアーズとか、ひたすら軽いものが主流です。さらにそれぞれの「ライト」ともなると、私には一体何のために飲んでいるのかわからないようなものばかり。これなら炭酸水でも飲んでいる方がマシじゃないかと思えます。それだけに、ハワイに行ってもバド・ライトばかりじゃないかという気はしますよね。「ハワイにはビールがない」「その通り!」となっても不思議じゃありません。 ところが-この歌が作られた46年前はどうだったかわかりませんが-ハワイにもおいしいビールはちゃんとあります。 たとえば、コナ・ブルーイング・カンパニー(Kona Brewing Company)のビールなどは、日本のレストランやファストフード店などでもよく見かけます。 身近なところでは、ハワイのハンバーガーチェーンである「クア・アイナ(KUA`AINA)」、ここで大振りなハンバーガーと一緒にコナ・ビールの苦みと甘みがほどよくバランスしたエールを飲むと、休日のランチとしては満点をつけたくなります。12時頃になると混んじゃうのが、ちょっと難点ですけど。 世界のビールで乾杯できたら アメリカ本土でも、ボストンのサミュエル・アダムス(Samuel Adams)やサンフランシスコのアンカー(Anchor)など、個性的で味わいのあるビールがちゃんと作られ、日本でもかなりの人気をえています。英会話教室に行く前、私は軽く腹ごしらえをするのですが、よく行くお店のひとつが「アンカー・リバティ・エール」を並べていて、レッスン前だけに相当の意思力で我慢せねばなりません。そのうちほろ酔いで教室に行っちゃうかもしれず、危ないのです。 もちろん、日本国内でも地ビールは多く、多様性に富んだドイツのビールが受け容れられる素地は十分にあって、あとはビール醸造業者や業界のプロモーション次第ではないかと思えます。 冒頭でも触れたとおり、日本人にとってのドイツビールのイメージといえばオクトーバーフェストですが、ドイツビールの多様性は「ドイツビール」という共通のカテゴリーにおさめるのが困難なほどの幅を持ちます。 ベルギーのビールならヒューガルテン・ホワイト、アイルランドならギネスといった、核となる存在がない(あるとすればレーベンブロイになっちゃう)ので、プロモーションはそう簡単ではないのかもしれません。結局は大資本の商売ですから。 私はビールが好きですが、日本で一番売れている、銀色の缶に入ったビールは苦手。 好みの問題なのであの味が大好き、というかたがいてもかまわないのですが、どの居酒屋やビアホールに行っても、似たような味のビールばかりなのはちょっと寂しい。 店の看板が違っても、出てくるビールはアサヒかキリン、たまにサッポロかサントリーという画一的なのばかりじゃなく、国内の地ビールでも輸入されたものでも、さまざまなタイプのビールで乾杯できる場所が増えてくれると、良いのですが。 今回は外国語学習とほとんど関係ないですね。梅雨入りしてビールが恋しい季節だし、ま、いいか。今日も(ちょっとは勉強してから)おいしく乾杯しましょう。 |
ドイツのビールを日本で飲みたいと考えると、10年程前に全国各地でわき上がった地ビールを味わうのがいいですね。ドイツのビール、そもそも中小企業ばかりで地ビールを愉しむというものです。日本の地ビールは下面発酵のピルスナーばかりでなく上面発酵のケルシュ(ケルンの地ビール)やアルト(デュッセルドルフの地ビール)、ヴァイスビール(小麦のビール)などもあります。
東京では、ドイツレストランに輸入のドイツビールをおいていますが、あまり商売っ気はなさそうです。一つにはドイツでつくられたビールそのものは苦味が強く、日本の気候で飲むには少しきついということがあげられると思います。苦味は確か日本の2~3倍だと記憶しています。乾燥した気候ならではの味ということのようです。
投稿者: シュタイントギル | 2009年6月14日 19:44
日時: 2009年6月14日 19:44
日本の地ビールも、あれこれと試して好みの一本を探す楽しみがありますね。
ヒューガルテンやギネスのような、大資本でないからこその地ビールであり、ドイツビールなのかもしれません。
ドイツ国内では殺菌処理をしないで飲むのだが、輸出用はそれができないので飲めても味は違うのだとか。やはりドイツにでかけていって楽しむのが一番なのでしょう。
苦いビール、日本でさえキリンのラガーがどんどんと「ドライビール」に引っ張られてしまい(クラシックラガーもありますけどね)、受けないのでしょうかね。私は苦くてけっこうなんですが…
投稿者: d-mate | 2009年6月14日 22:10
日時: 2009年6月14日 22:10