2009年8月25日 (火)
船上では「Reading Materials」を忘れずに
ホントに書いてある 最近ちゃんと外国語の勉強してないもんだから、バケーションの話ばかりしているのですが(笑) もうちょっとお付き合いください。さて、このブログをちょっと前からお読みになっているかたならばわりと簡単に推測がつくでしょうが、今回のクルーズは「ディズニー・クルーズライン」の「ディズニー・ワンダー号」での旅でした。出発の2ヶ月ほど前になるでしょうか、クルーズに向けての準備を記した封筒が送られてきたのですが、さすがにディズニーだけあって凝ったもの。 そこには専用WEBサイトからログインして事前登録をせよとか、表示された誓約書のページをプリントアウトしてサインして持参せよとか、事前の準備がステップごとに書かれています。サイトからの登録も親切なチュートリアルがあって、まごつくところもありません。 それだけではなく、旅行前に必要な持ち物の簡単なチェックリストにもなっていて、海外旅行経験が少なくても、致命的な忘れ物が防げるようになっています。なかなかの配慮ですね。 で、その持ち物リストのなかにあったのが「Reading Materials」を忘れないように! という一文でした。 クルーズといえば私の最初のイメージはクリスティの小説を映画化した「ナイル殺人事件」なのですが(古い?)、たしかに乗客が何をするでもなくデッキで本を読んでいるシーンがあったように思います(実は20年以上前に観たきりなので定かではないのですが)。 なるほど、あくせくと遊ばずにデッキで読書ってのは良いな、と、今回の旅にはあわせて8冊の本を持参しました。 内訳は西澤保彦のミステリ3冊、ジェイムズ・ブリッシュの「宇宙都市」シリーズ4冊、そして今野敏の最強ジャズ小説「怪物が街にやってくる」です。 結局読んだのは機内だけ 旅を終えて、結局期間中に読み終えたのは半分の4冊でした。しかも船の上で読んだのはたった50ページくらいで、残りは行き帰りの機内で読んだものです。なんとなれば、クルーズ船内って忙しいのですよ。本読んでるヒマがないのです。 朝は6時頃に起きて最上デッキで日の出を眺め、7時頃部屋に戻って今日の予定を考える、8時か8時半にはレストランで朝食サービスが始まり、食べ終わるともう10時(私たちは食事がゆっくりなのです)。 11時頃には上陸してのアクティビティ(英語では「Shore Excurtions」)の集合時間になります。これを終えるともう昼食時間です。午後にもひとつアクティビティがあるとあっという間に午後3時か4時になってしまいますね。 5時45分と8時とにわかれる夕食時間ですが、私たちは早いほうを選んだので、4時半頃には船室に戻って着替えなどの身支度をせねばなりません(日によってドレスコードが変わるので)。 夕食を8時頃に終えると8時半からはショーが始まります。終了は9時半から10時頃で、こうなるともうくたくたでちょっとビールでも飲んで23時過ぎにはベッドに倒れ込む... 意地になって時間を作れば本も読めないことはありませんが、やっぱりちょっとムリでした。 ちなみに50ページ読んだのは最後の洋上で一日を過ごした日で、夕食前に大人用プールで30分ほど。実際何か予定に追われたのではなくのんびりとしたのはこのときくらい。初クルーズということもあって、4泊しかないというのに欲張りすぎてしまいました。 次の機会があれば、上陸地での予定はせいぜいひとつにして、ショーもスキップしてくつろぐゆとりを作りたいもの。クルーズをゆったりと楽しめるようになるのは、何度かリピーターとなってからなのかもしれません。 ところで、なぜ「Book」や「Magazine」じゃないの? さて、不勉強な私のことですので、今回初めて「Reading Materials」なる言葉に触れました。直訳すると「読むもの」、日本語でも「何か読むもの持っておいで」なんていいますから、それほどの違和感はありません。のんびりと暇つぶしに読むものなので、本でも雑誌でも、はたまた巻物や手紙の束だってかまいません。「Book」とかいってしまうと限定的になりすぎるのでしょう。でも、突然旅行用の持ち物リストに「Camera and Battry」や「Swimware」なんかと一緒に並んでいると、ちょっとばかりゴツゴツした言葉に感じられますね。英語話者にとってはどうなのでしょうか? デッキ上をぶらぶらとしているときに、2人ほどがAmazonの電子ブックリーダーである「Kindle」を使ってなにやら熱心に読んでいました。これなんかまさに「Material」って感じです。 アメリカでは音楽がネットでのダウンロードと大型スーパーでの店頭販売が主で、専門店はどんどん減っているそうですが、そのうちに書店も消えてしまう、なんていうことにもなるかもしれません。ちょっと前のヒット映画「You've got mail」では街の小さな書店が大型書店に押しつぶされそうになっていましたが、街の書店が次々と消えているのは日本でも歴然とした事実です。 全体としては分厚いペーパーバック、というのがいまでも主流のようですが(リゾートホテルで売られている本も、やはりちょっと厚めのペーパーバックばかり)、彼らにとっては国内旅行とはいっても、あの本はかさばりそうです。電子ブックリーダーへのシフトは急速に進んでいくのかも。 私も今回8冊の本を(まあ、文庫と新書なのでそんなには重くなかったのですが)持参して、使いやすい電子ブックリーダーがあって、しかも青空文庫とベストセラー、そしてコミックばかりではなく、いまは品切れとなり入手の難しいものも含めて容易に読める環境になったら、切り替えても良いかな、と思い始めています。 ただ、そのせいで愛する書店が消えていくとしたら、ちょっと困りものなのですが。なんとか書籍のオンライン販売と、書店という場所が共存できる方法はないものでしょうか。 |