2009年10月10日 (土)
英語読書派は大注目です、電子ブックリーダー
向かいの人の新聞で 台風18号が本州を縦断中の木曜日、朝の通勤電車で向かいのおじさんが読んでいる新聞の記事が目に飛び込んできました。 「Amazonが電子ブックリーダーを100ヶ国で」 見出し以外は見えませんでしたので、そのときは、「どうせ日本以外での話でしょ」と思っていたのですが、どうやら日本も「100ヶ国」の対象だったようです。 ただし、日本の書籍が電子ブックで買え、今回世界の多くで販売が開始される「Kindle」という電子ブックリーダーで読めるようになったわけではありません。 たんに、以前から売られていたリーダーが日本を含む100ヶ国で買えるようになり、現在電子ブックとして売られている「本」も買えるようになった、ということ。つまりは、ほぼ英語の本しか読めないのです(Kindleでは、画像データにでもしない限りそもそも日本語は表示できないと思いますし)。 でも、これなら日本国内での著作権やら流通の権益やらを一切無視して、ひとまず電子ブックリーダーの市場をひろげることができます。 市場ができてしまえば、日本の出版社や書籍流通もなにかを考え始めるかもしれません。Amazonとしては、正面から戦いにいくのではなく、側面からじっくりと攻めることにしたのでしょう。 クルーズ船でも数名見かけましたが 夏休みに乗ったクルーズ船でも、この電子ブックリーダー「Kindle」を手になにかを読んでいる人を数人見かけました。 あちらの人はバケーションとなるとやたらに分厚いペーパーバックなんかを手に、デッキチェアで読んでいますから、あれにくらべればさして重さは変わりません。Kindleは289gと軽量で、これならば文庫本数冊と同じ程度です。 船上では「Reading Materials」を忘れずに(2009.8.25) 旅行や長い出張にでかけるたびに、何冊本を持って行くかは私の荷物づくりにおける最大の問題のひとつです。少なければ途中で読み終わるかもしれないし、読み始めたけどイマイチということもあり得る。でも、あまりたくさんだと荷物が重いし結局ムダになる。 若い頃は船戸与一の「蝦夷地別件」上下巻(もちろんハードカバー)を同時にカバンに入れて歩くくらいはへっちゃらだったのですが、最近はちょっと荷物が重いとたちまち腰が痛みます。 使いやすく、読みたい本がちゃんとそろってさえいれば、電子ブックは魅力のある「本」の形であるのは間違いないのです。 英語読書派には大注目では? 英語の本を読もうとすると、英語そのものは別としても、ふたつの大きな障害があります。 ひとつは、お値段。 昔ほどではありませんが、未だに英語の本を書店で購入すると割高に感じられます。 もちろん、リスクを負って商品を仕入れ、店頭や倉庫に高い賃料を払って保管する上、不届きな客に汚されたりすることさえあるわけですから、一概に「高い」とは言いにくいのですが、現地で売られている値段と比較してしまうと二の足を踏んでしまう程度の差があるのはたしかです。 もうひとつは、本自体がかさばること。 ペーパーバックになってから購入すればよいのでしょうが、新刊は頑丈なハードカバーで、しかも紙質の問題なのかページ数以上に分厚いものが多くあります(それほど重くはないのですが)。毎日の通勤電車で読むことを考えると、これはちょっとつらい。 このふたつの問題が、今度の電子ブックリーダーでは解決されています。 電子ブックの価格は紙よりも安く設定されており、その上ネットワークを通じて購入できますから、配送を待つ必要さえありません。今読みたいと思ったら数分後には読み始められるわけです。 もちろん、電子ブックを何冊詰め込んでも、本体の重さが1gも変わることはないので、ふたつめの問題も(たしかに文庫本一冊よりは重いでしょうが)解決です。 さらには、このリーダーには「The New Oxford American Dictionary」が内蔵されており、本を読んでいてわからない単語があればその場で意味を調べることができます。 もちろん電子化された情報なので検索もできるし、電子音声ながら読み上げの機能も付いています。 まだ試したことがないので実際の使い勝手はわからないのですが、比較的頻繁に英語の本を読んでいるのなら、この仕様はなかなか魅力的なのではないかと。 私自身も、まだKindleストアに登場していない「Harvard Business Review」が対応してくれるのなら、買ってソンはないかな、と感じるほどです(一手間かけてオンラインで表示させた記事をPDFファイルとして保存し、データ変換して転送すれば、読めちゃいますが)。 英語の本を毎月のように読んでいるかたにとっては、この電子ブックリーダー、ちょっと注目だと思いますよ。 |