2009年2月10日 (火)
私の職場でのTOEICの位置づけは
たまにはTOEICの話題でも 最近かなり下火になったようにも感じられるのですが、いっとき、多くの企業でTOEICのスコアが採用基準や昇格基準になる、といった報道が多かったように記憶しています。下火というよりは、定着しただけかな。TOEICという試験が本当に英語のコミュニケーション能力の指標になりうるのか、あるいは、各企業が基準とするスコアが本当に職務上必要な水準を満たしているのか、など、批判的な意見も多いようですが、最近の状況はどうなのでしょう。 私の勤務する会社でも、21世紀に入ってからTOEICの受験を推奨するようになり、数年前には管理職への昇格試験において「一定期間内にTOEICを受験していること」が要件になりました。 もともと仕事内容は国内の比率が極めて高いので、英語のコミュニケーション能力がどの程度求められるかといえば、疑問もあるのですね。なので、「受験していること」という基準はなんだか緩いようでいて、けっこう絶妙なバランスなのかも、と思います。 先日、以前人事部門で担当だった同僚に訊いてみたところ、若手の中では800点台、900点台の社員が相当増えてきているのだとか。頼もしい限りですが、その能力・適性と努力を活かせる事業を拡大していくことも、同時に進めないとね。 「880」というスコアの意味 私のスコアはといえば、3年前で880。社内の管理職の中ではかなり高いほうだと聞きました。とはいえ、880あったって海外へ行ってバリバリと交渉を英語でこなして...なんていうのはムリだということが会社にもわかっているのでしょう、私には海外赴任の話は来ません。あいつを海外に出したってたいした成果なんか出せないだろうし、と思われているかもしれませんしね。 もちろん、会社によって国際化の度合いや人の評価の仕方、育成の考え方はさざままでしょうから、どれが正解、ということではないのですが。 本当にビジネスで使える英語コミュニケーションを問うのなら、TOEICのスコアが800とか850いうのはようやく出発点じゃないですかね。本当に国際的な活躍を望んでハードルを設けるなら、850ないし900くらいでなければ無意味なんじゃないかと私は思います。 まさかいまどき多くの会社の人事部門が、かつての私のように「700点もあったらペラペラなんだよね?」などという美しき誤解はしていないと思うのですが...ときおり見かける「管理職になるためには600点が必要」「730点以上」といった基準は、果たして有効なのでしょうか? 英語力が「点数」で表せる便利さ、でも実効性は? その一方で、個人が学習成果を「目に見える形にしながら」確認して行くには、TOEICはわかりやすくて有効な方法なのだろうと思います。何しろたくさんのひとが受験しているので、少なくとも日本国内では共通言語になっていますし(じゃ、世界中で通じるのか、となると不安ですが)。ただし、結果が5点刻みの「点数」になっていることの問題もありますよね。あくまでも受験者が正規分布していることを前提として数値化されたスコアが、5点10点動いたからといって英語力が向上した証明にはなりません。けれど、出てきた数字にはけっこう振り回されてしまう...多くの企業が「600点」「700点」などといったハードルを設けるのも、理解はできますが、実効性には大いに疑問。 そんなわけで(どんなわけ?)、私はあまり海外赴任の可能性を考えることもなく、ただひたすら趣味として英語の勉強を続けています。 TOEICも会社の人事情報には「860点以上」と登録されるだけなので、この先900点を取ろうが、仮に990点を達成しようが、まあ無意味です。せっかくなので、切りの良いところで900点は取っておきたいな、とは思っているのですが。 それって、とりあえず一度は富士山に登っておこうか、という程度の話なんですけどね。 |
はじめまして。
私は海外生活15年以上で、仕事でも日常生活でも英語ばかりです。
最近になって1年ほど日本で暮してみたくなり、ネットで派遣の仕事を探し出しわかったことは、英語を使う業種では時折TOEICのスコアーが問われることです。そこで、やはりTOEICを受けておいた方がよいのかな〜と、思うようになりました。d-mateさんのおっしゃるとおり、実効性にはどうかと思うのですが、ここにきて自分が何点取れるのかを知りたくもなりました。ですから面白半分で受けてみようと思っています。そういう風に気軽に考えれば、今まで避けていたテストも何だか楽しみでもあります。
投稿者: soleil | 2009年3月20日 16:26
日時: 2009年3月20日 16:26
soleilさん、はじめまして。
15年以上も仕事も日常も英語ばかりとは、おそらくコミュニケーションの道具としての英語には何の不便もないのでしょうね。
それでも、TOEICのスコアが問われることがあるのですか。不自然な気さえしますね。採用時などはなにか客観的な数字がほしくなるからでしょうか。
でもまあ、ここで何点取らなくちゃ、といったプレッシャーとは無関係のところで、いったいどのくらいの評価が出るのか試してみるのも、おもしろいかもしれません。結構長時間の集中が必要なので、英語力よりも、むしろ途中で飽きちゃわないかが心配かもしれませんよ。
実際に英語を使って暮らしているかたから見ると、私の語学学習はずいぶんと回りくどくて無駄が多いように感じられるかもしれませんが、今後ともお暇がありましたらお立ち寄りください。
投稿者: d-mate | 2009年3月20日 19:17
日時: 2009年3月20日 19:17
>英語を使う業種では時折TOEICのスコアーが問われることです。そこで、やはりTOEICを受けておいた方がよいのかな〜と、思うようになりました。
英語ペラペラな人の場合は無理に受ける必要はないと思いますよ。普通にその場で会話すれば、TOEIC800~900点以上の能力があることくらいは、すぐに分かりますから。あとTOEICでなくともTOEFLとかIELTSとかでも問題ないと思います。
日本でTOEICが普及しているのは、英語初心者向けテストで、比較的安価(6000円。他のテストだとおそらく倍くらいはする。)で、受験回数や受験場所が多いので受験しやすい、みたいな理由でしょう。
でもTOEIC800~900点くらいのTOEIC上級者でも、普通は英語中級くらいらしいんですよね。しかもそれさえとれる人は日本人ではごく一握りだという。
投稿者: 匿名 | 2009年6月30日 13:10
日時: 2009年6月30日 13:10
匿名さん(というのも、ヘンですが)こんばんは
ある程度話せるかたの場合、テストが必要かというと、たしかにそうではありませんね。ただ、話してわかる以前に、採用時に書類上の点数を求める企業があるのもまた事実ですしね。
英語を話すこと、TOEICである程度の高得点をめざすことは、べつだん日本人に必須なことではありませんから、高得点者が一握りであることが問題だとは私は思っていません。むしろ、英語ひとつで人生が決まってしまうかのような物言いに、より違和感を持つほうです。
英語など外国語の運用力を意識しすぎることも、ことさらに無視したりその価値を貶めたりすることもなく、自然体でつきあっていきたいものだと、私は思います。
投稿者: d-mate | 2009年6月30日 21:45
日時: 2009年6月30日 21:45