2012年12月22日 (土)
200周年!
Googleロゴ 検索サービスでおなじみのGoogleですが、さまざまな記念日にあわせてそのトップページのロゴマークデザインが変わるのは、みなさんご存知かと思います。最近では、ほぼ毎日なんらかの記念日になっているような... 先日の木曜日(12月20日)は、世界中で知られているあのお話がロゴデザインになって登場。もちろん、クリックすると物語がちゃんと進行しました。毎度手が込んでいます。 クリック、クリック、無事赤ずきんとおばあさんが救われ、オオカミはなぜか刑務所に。 グリム兄弟によるメルヒェン集の第1版が出版されたのが1812年の12月で、今年200周年を迎えたのだそうです。 グリム童話といえば、ほとんどのかたは子供のころから絵本や児童向け文学全集などでおなじみでしょうし、ディズニーのアニメーションからホラーまで、幅広い映画やドラマの原作にもなっています。おそらく、「グリム童話を一編も知らない」というひとは極めて少数なのではないかと。 「本当は怖い~」なんていう本がヒットしたのは、あれ何年前でしたっけ? 短いのが良い グリム兄弟といえば、もっぱら童話集の作者(編者?)として知られていますが、言語学者としての業績が高く評価されています。 ドイツ語学習者の多くが発音に苦労する「Ä,Ö,Ü」の「ウムラウト」という呼称も、長兄ヤーコプの造語なのだとか。 200年前、19世紀のはじめといえば、ちょうどナポレオンがヨーロッパを席巻していた時期に当たります。 1806年には神聖ローマ帝国の「解散」が宣言され、ここから半世紀の後にプロイセンを中心としたドイツ帝国が成立するまで、ドイツはそれまでの実態通りの分裂状態となります。ライプツィヒの戦いでプロイセン、オーストリア、ロシアなどがナポレオンを破ったのが1813年10月のことですから、ドイツが「帝国」を失い、フランスの支配から逃れようともがいていた時期に、グリム童話集が世に送り出されたということになります。 時代背景を考えると、これは単に子供向けの本ではなく、ドイツ人、ドイツ文化にとっての記念碑的な存在であったことが想像できますね。 さて、ドイツ語の学習者にとっては、グリム童話は優れたリーディング教材でもあります。 なんといっても短いのが良い。長いと途中で疲れますし、連続して何時間も集中して外国語を読む時間を捻出するのは、だれにとっても簡単ではありません。 また、マイナーなものをあえて選ばなければ、話の筋はだいたいわかっているので理解しやすいところもありがたいところです。これが初めて読む小説だと、話に入り込む前に睡魔が襲ってきます。 しかも無料 もちろんドイツ語教材として本を買うこともできますが、グリム童話をただ読みたいだけならば、さまざまなサイトから無料で入手可能です。 最近ついに日本でもサービスを開始したAmazonのKindleストアでも、さまざまなバージョンのものがやすいものは100円から、1000円までの範囲で販売されていますので、あちこち探す手間を省きたければこれでも良いでしょう。(英語だと無料がたくさん並んでますね) 以前探してみたときには、この童話を読み上げた音声ファイルが無料で公開されているのも見かけました。たぶんまだあるでしょう。 オーディオブックよろしく、リスニング教材として使うこともできますね。インターネット以前には、こんなに簡単に教材がそろうなんて考えられませんでした。 そんなこんなで、200周年の記念に、年内にひとつくらい、グリム童話の懐かしいお話を外国語で読んでみてはいかがでしょうか。 |