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人生まだ半分、37才からの外国語
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英会話教室や雑誌、ネットなど、ごく普通の環境だけで始められ、続けられる外国語学習の記録と秘訣を伝えていこうと思っています。
 

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人生まだ半分、37才からの外国語

2009年1月27日 (火)

肯定なの?否定なの? 謎の歌詞、謎の二重否定
めずらしくロックの話から

クラシック好きがロックを聴き始めるときの典型的な入り口のひとつが、プログレじゃないでしょうか。 高校からようやく聴く音楽の幅を拡げ始めた私もその典型で、キング・クリムゾンやイエスなどからの入門でした。
ちなみに、ジャズのほうの入門は父が好きだったMJQから(もちろん、ミルト・ジャクソンのいるほうです)でした。


中でも気に入ったのがピンク・フロイド。 ねちっこくてイジイジしたところが波長にあったのか、ほとんど演歌すれすれのギターサウンドが心に響いたのかは、理由はいまとなっては忘れてしまいましたが、高校から浪人時代を通じてのお気に入りでした。
で、当時の最新作であった「The Wall」の歌詞が今回のお題です。


この2枚組アルバム自体は、巨大なコンセプトアルバムともいうべきものですが、シングル・カットされてヒットし、ラジオ等でも良くかかっていたのが「Another Brick in the Wall part II」です。

学校で習った文法では理解できなかった歌詞

で、この歌は次のような一文で始まります。

We don't need no education. We don't need no thoughts controled.
当時、すでに英語が得意科目でなくなって久しかった私は、この歌詞についてかなり頭を悩ませたものでした。 学校で習う英文法では、「二重否定=肯定の強調」だったのですね。でも、このアルバムの内容から考えても、「ぼくら学校教育が大好きさっ」というふうには絶対なりません。意味は「学校教育なんてごめんだ」でなければおかしいのです。


似たような例に、上記の曲よりももっと有名な、The Rolling Stonesの「Satisfaction」があります。今さら引用さえ不要でしょうけど、以下のような歌詞です。
I can't get no satisfaction.
これも「満足できねえ」と歌っているはず、なのに二重否定。

当時私の出した結論は、「きっとロックの歌詞で文法の間違いをあげつらってもしょうがないんだ」でした。
日本語だって「ら抜き言葉」は間違いだと教えるけれど、歌詞でも日常会話でも、お構いなしに使われてますから。そんなもんなのだろうと。


実際には、言葉より先に文法があるわけではないので、二重否定についても文法が整備されてくる中でもともとの用法が矛盾を抱えたまま残ってしまったようです。なんて、Wikipediaの項目を囓っただけなんですが、どこかにわかりやすい解説があったら紹介していただけるとうれしいです。

二重否定はよくやる間違いでもある

この二重否定、英語で話すときに私がたまにやる間違いのひとつでもあります。
「私には子供がいません」といいたいときに、「I have no kids.」もしくは「I don't have any kids.」といえばいいものを、「I don't have no kids.」といっちゃうのですね。
あるいは、「I couldn't say nothing at that time.」とか、やりがちです。


ロックスターはおそらくわざとやっているのだけど、私のは単なる間違い、とっても恥ずかしいです。
もちろん、文脈上相手は「子供がいないんだろうな」とか、「何もいえなかったのね」と理解はしてくれます。けれど、やはり内容が曖昧になって危険だし、状況や文脈によっては逆に伝わってしまう可能性もあります。


ドイツ語でも一緒ですよね。「Ich habe keine Kinder.」でしょうけど、否定文だと「nicht」をつけたくなって「Ich habe nicht keine Kinder.」とかやらかしそう。


日本語だと「ゼロの~がある」という表現はまずしません。単純に「~がない」です。
なので、どうしても名詞の前に否定語を付加して否定文にするというのがなじめずに、無用の「not」や「nicht」をつけちゃうのですね。
二重否定文が気持ち悪く感じられるほどに英語が身についていれば、そう起こす間違いではないのでしょうが、私の場合、気をつけないとこれからも繰り返しそうです。

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