2011年4月23日 (土)
好きな音楽で響きを楽しむ
またしても来日キャンセル 震災以来、いや、原子力発電所の深刻な事故以来というべきでしょうか、来日を予定していた演奏家のキャンセルが相次いでいます。 ヨーロッパの多くの国々が渡航制限を行ったので、仕方のない側面はあります。たとえ深刻なレベルでないにせよ、放射能による汚染の可能性はあるわけですから。 そんなわけで、今日予定されていた日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会も、指揮者と曲が変更になって行われました。指揮者のインキネン氏は来日を切望していたとのことですが、フィンランド政府による渡航制限が最近まで解除されず、やむをえずキャンセルとのこと。 指揮者は若手の日本人指揮者として注目を集める山田和樹さん、マーラーの交響曲第4番を中心としたプログラムです。 ちゃんとドイツ語 マーラーの交響曲第4番の第4楽章は、ソプラノ独唱を伴う、いわば歌曲です。今日の演奏で歌ったのは、日本人ソプラノの市原愛さんでした。 オペラ歌手としてはすごくスレンダーなのに、しっかりとした歌声で天井の生活を歌い上げてくれ、曲全体を通して非常にバランスのとれた、すばらしい演奏を楽しむことができました。 歌詞はドイツ語なのですが、昨年とある有名歌手で同じ曲を聴いたときには、とてもドイツ語には聞こえないし、そもそも歌自体が調子が外れているように感じられました。 そのときはオーケストラの演奏もバラバラで、半分以上がエキストラなのではないかと思えるようなバランスの悪い、正直なところ駄演としかいいようのないものでした。まあ、そんな演奏でも掲示板などを見るとほめている人もいたようなので、好みはそれぞれなんでしょうけど。 今日の歌ですが、押し出しの強さはなかったものの、非常にピュアな歌声で曲にはとても良くあっていたと思います。 上述の演奏と比べると、音程やバランスが素人にもわかるほど崩れるということもありませんでしたし、著名演奏家のCDにも巻けない公演であったと思います。なによりも、ドイツ語の歌詞がしっかりとそう聞こえたのには感心しました。プロフィールを見るとミュンヘンの音大に留学していたかたのようです。 聴き取れるわけではないけれど もっとも、ドイツ語の歌詞を聴いてすべて理解できるわけではありません。 とはいえ、好きな作曲家の曲ですから、何度も歌詞は見ているので内容はわかっています。内容が大まかにわかっていると、外国語の歌詞でも比較的聴き取りやすいですね。フレーズ毎にいくつかの単語がはっきりと聞こえました。 ドイツ語の歌といえばシューベルトによる歌曲が有名ですが、他にもマーラーの声楽曲やリヒャルト・シュトラウスの歌劇、そしてヴァーグナーの歌劇・楽劇などがあります。 歌劇の歌詞は、韻文として語順を変えたり語尾を省略したりと、そのままでは会話には使えるわけではありません。しかし、単語をいくつか聞き取りながら少しずつでも言葉の響きに慣れるにはとても有益です。 英語を学ぶ方法の一つとして、ポピュラー音楽の歌詞から入ったかたは多いと思います。ビートルズやカーペンターズなんかはとても聞きやすいですし。 同じように、イタリア語やドイツ語、フランス語ならばオペラや歌曲から入るのは、そう悪くはないでしょう。なにごとも、好きなことならば勉強もつらくないし、継続できますからね。 |