2011年8月13日 (土)
好きな言葉を学ぼう
50年前の今日は 50年前、1961年の今日は、ベルリンの壁の建設が始まった日なのだそうです。 壁が破壊されたのは1989年11月でしたから、28年と3ヶ月ほどのあいだ、ベルリンは壁によって東西に分断されていました。 私が子供だったころは、地図帳には東西ドイツだけでなく、ベトナムもまた南北にわかれていました。朝鮮半島はいまでも南北に分断されたままですが、世界のいたるところが東西の両陣営に塗り分けられ、米ソのどちらかに分類されない国々が「第三世界」とくくられていた時代です。 そんな時代でしたから、小学校から中学にかけて見たニュースも今から考えると波瀾万丈。ド・ゴールやフランコ、そして周恩来や毛沢東の死去があり、第二次大戦当時の指導者が次々と世を去っていきました。 文化大革命はいったい何なのか理解できませんでしたが、その後の第一次天安門事件や四人組の逮捕は毎日のニュースで追いかけていました。1970年代から80年代にかけての変化は、「戦後」の最後の3分の1であったように思えます。 その一連の変化の最後にやってきたのが、ベルリンの壁の崩壊と、東西ドイツの再統一でした。これもまた、21年も前のことになります。 さらに100年前には さて、1961年からさらに100年をさかのぼった1861年の1月24日、当時のプロイセンと日本とのあいだに修好通商条約が調印され、交流が始まりました。 今年は日独の交流150周年にあたり、多くのイベントが開催されているのは、とくにドイツ語学習者のみなさんはよくご存じでしょう。 これを期にドイツ語学習熱が高まっているのかどうかは、実のところよくわかりません。 書店での学習教材の量を見ると、まだまだ英語・中国語・韓国語そしてフランス語に続いて多いようではありますが、このところイタリア語やスペイン語の教材が急速に増えている上、他の言語もどんどんと増えています。 むしろ、ドイツ語学習者のシェアは徐々に減ってきているようにも思えます。いまや医学=ドイツ語でもないでしょうし。 まあ、学習者が多かろうと少なかろうと、私はドイツの文化や食べ物とビール、そして歴史や芸術が好きなので、ドイツ語を学びたいのですけどね。 好きな文化、好きな言語 外国語を「仕事ための道具」と考えれば、英語と中国語さえあれば、極端にいえば他の言語など不要かもしれません。ドイツ語にしても、1億人と少ししか話す人がいないのですから、話者数という観点では日本語とそう変わりはありません。 ただ、外国語を学ぶのは仕事のため、もっとあからさまにいってしまえば「金のため」ばかりじゃありません。むしろ、自分の好きな文化・食べ物・風景や芸術作品により深く触れるために学んでいる人が、英語中国語以外の学習者には多いでしょう。 さまざまな場面でグローバル化が進んでいるとはいえ、日常生活に外国語が「必要な」人など未だ少数です。 英語はたしかに世界中で通じるし、現地の言葉などわからなくても旅行者が不自由する場面は決して多くはないでしょう。けれど、その国の文化が好きなら、その言葉を学びたいと思うのは自然なこと。私たちだって、「ありがとう」や「はじめまして」さえ学ぼうとしていない外国人が「日本文化に興味があります」なんていったって信用しませんよね? 英語が流暢に話せることもすごいことだと思いますが、最近ではたくさんの言葉を少しずつでも学んでいきたいと思っています。 世界中には数千もの言語があるのに、どんなにがんばったって10もマスターできるのは例外的。けれど、自分が関心を持ち、惹かれている文化があるのなら、英語なんかすっ飛ばしてその言葉を学ぶことを考えても、良いんじゃないかと思います。 |