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人生まだ半分、37才からの外国語
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英会話教室や雑誌、ネットなど、ごく普通の環境だけで始められ、続けられる外国語学習の記録と秘訣を伝えていこうと思っています。
 

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人生まだ半分、37才からの外国語

2013年3月31日 (日)

まだ「1世」じゃなかった
2世がいるから1世
先だって、新たに選出されたローマ教皇の名前が当初「フランシスコ1世」と報道されたことについて、「なぜ2世が出る前に1世なんだろうか?」と書いたのですが、その後、修正がありましたね。
つまり、通常は2世が出るまでは1世はつけない、ということで問題はないようです。したがって、「フランシスコ2世」が登場するまでは、現教皇は「フランシスコ」でOK。

そもそも、「1世」が即位した段階では、「2世」が続くかどうかは未確定なもの。
仮に国王などが生前譲位した場合で、後継者が同じ名前を名乗ったとしても、いきなりその日から前国王が「○○1世」と呼ばれるようになるのでさえ、不自然です。
ルパン三世はいるけど、おじいちゃんは「ルパン1世」じゃないですもんねえ。

Lupin the third!
ルパン三世といえば、これはもう世代を超えた日本のヒーローといって良いんじゃないかと。長寿なだけでなく大人も楽しめる作品であり、未だにほぼ毎年新作が発表されています。
スタイリッシュな主題歌も、当時の子供には新鮮でした。ただ単に「Lupin, Lupin, Lupin」と歌い続けるあのカッコよさは、まず絶対にカラオケでは再現不可能。

さてその主題歌の中で、「Lupin the third」と歌われる歌詞があるのですが、集中力にも注意力にも欠けていた当時の私(たしか中学生くらい)は、これをちゃんと聞き取れずに、ただ「ルパン、ルパ~ン」と聞いていて、友達に指摘されて始めて気がついたという恥ずかしい経験を持っています。
私はそのときまで、「三世」を英語でどう表現するのかさえ、わかっていなかったのでした。

でもおかげさまで、「定冠詞+序数」というのは印象に残ったので、ドイツ語を学び始めたときに「ルートヴィヒ2世」はすぐに「Ludwig der zweite」になるのだろうな、と想像ができました。知識というのは突然役に立つのです。
でも、調べてみると、フランス語だと「Luis XIV」は「ルイ・キャトルズ」であって、「ルイ・キャトルズィエーム(序数)」ではないんだとか。英語とドイツ語だったのでたまたま一緒だったというだけですな。

ところでなぜ「法王」?
そういえば、前教皇の突然の退位宣言以来、いつになくニュースを賑わし続けたこの位について、ずっと違和感があるのです。
それは、「ローマ法王」という呼称。

世界史の授業の記憶をたどってみてください。
グレゴリウス8世やインノケンティウス3世、ウルバヌス2世などはみな、「ローマ教皇」あるいは単に「教皇」であったはずです。
歴史の授業において「ほうおう」といえば、出家した上皇を指す「法皇」のほうが馴染み深いです。白河、鳥羽、後白河の三法皇の印象がかなり強いですから。

なので、ローマ「法王」といわれてしまうと、どうも教皇とは別のものを指しているように思えて、どうも落ち着きません。
第一、当のカトリック教会は日本語での呼称について「王」ではないので「法王」よりも「教皇」がふさわしいとして、呼称の統一を呼びかけているのです。
本人が「教皇」と呼んでくれ、といっているのに「法王」が使い続けられる原因は、もともとバチカンと日本との国交が成立した際に「ローマ法王庁」として登録してしまい、これが政体の変更なしには変えられないから、正式名称が「法王」のままなのだとか。
ならば、今回の生前譲位は一種の政権交代である、とか理屈をつけてでも、なんとかしてあげられないもんでしょうかねえ。
もともと、「法王」なんてのはローマ教皇の呼び名としてはマイナーなのだから。


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