2009年1月 6日 (火)
英会話教室で、最初に目指したハードルは
以前、こんなふうに書きました。妄想のなかの自分は映画やドラマのような英語を話すけれど、本当にやりたいことは旅行を楽しみたいだけ。低いハードルならたぶん越えられるし、越えてから少しずつ高くすればいい。 それまで私が本や教材を買っては投げ出していたのは、望んでいる「英語が使える自分」と、現実とのギャップが大きすぎて、ちょっとやそっとの努力では埋まりそうにもないと思い知ったから。 そんなの、教材の例文を1行、音読してみれば明白ですもんね。 会話はムリでも、読むほうは単語さえわかれば大丈夫なはずなのに、実際にはぜんぜんダメ。何度も何度も読み返さないと、文章の構造が全く見えてきません。 1ページの雑誌記事に3時間かかったりする状態でした。 37歳にしてようやく重い腰を上げ、英会話教室に通い始めたとき、とりあえず置いたハードルは「自分がどれだけできないかをちゃんとわかる」ことでした。 そんなのハードルじゃない、と思われるかもしれませんし、「できない自分」を確認するだけならもっと簡単にできそうな気もします。 けれど、この作業は私にとっては不可欠なものでした。 まずは自分がどこからスタートを切ろうとしているのかをきちんと認識して、謙虚さをもつことができなければ、いい年になってから新しくなにかを学ぶのはムリだろうな、と思っていたから。 幸か不幸か、このハードルは教室に通い始めて数週間のあいだに、簡単に到達できました。 とにかく言葉が出てきません。日本語で考えて翻訳を試みるので時間がかかる、あるいは単語を忘れていてつっかかるだけではありません、印刷されたテキストを読むのさえまともにできないのです。 周囲は講師も含めて日本人ばかりなのに、気後れする度合いは旅行中の比ではありません。 やっぱり恥ずかしいんですよ。他の生徒さんは自分よりずっと若くて、同じクラスなんだけどはるかに発音も良くて、間違いながらも堂々と会話をしています。 一方の私は早く50分(レッスンの時間です)が過ぎ去ってくれないかと思うほど。 学校でのテストはそれなりに点数をとっていたので、できもしないわりにおかしなプライドは持っていたんでしょうね。基礎力はオレのほうが上だぞ、的な。 こういう無意味なプライドは早めに消しておくのが良いです。 どんなことだって、15年も放置すればできないのと同じです。ましてや英語はさして得意だったわけでも好きだったわけでもありません。 学習の最初の段階で、基礎的な文法解説も含めて、ひとつひとつやり直そう、という気になれたのはとてもその後の学習をスムーズにしたように思います。 私と同じようにかなりのブランクを置いて語学学習を再開するのなら、まずは「自分がどこにいるのか」をきちんと見極め、無用なプライドや自信は取り払っておくことをおすすめします。 プライドが努力の源になるのなら良いですが、多くの場合は、学習の妨げにしかならないので。 なかなか難しいけれど、まず穴の大きさを把握しないことには、埋めるための労力は見えてきませんしね。その意味で、他人に自分の実力を見てもらえる機会は、貴重だと思います。 |