
2011年6月18日 (土)
今日の夕食は「Ratatouille」
その邦題に異議あり 映画といえばおかしな邦題はつきものですが、最近では、無理に日本語に直さずに、原題をそのままカタカナ表記するものも増えてきました。 しかし、「わかりやすかろう」とつけられる邦題が内容をねじ曲げてしまうのは考え物で、たとえばディズニー/ピクサーの「The Incredibles」など、引退した元ヒーローが「家族とともに」新たな出発をするところが感動を呼ぶところなのに(だからこそ、原題は「Incredibles」と複数形になっている。つまり主役はボブ・パーの家族全員)、邦題は「Mr.インクレディブル」とあっさり家族を無視。 ピクサー関係では他にも不満があって、原題の「Ratatouille」には、作中に登場して大きな転換の場面を演出する料理名と、その奇跡の味を生み出したシェフの秘密とがかけられています。何度見てもうまくつくられたタイトルです。 それがなんと、邦題は「レミーのおいしいレストラン」となってしまい、原題の洒落がまるごと消え去ってしまっています。これはもう少しなんとかならなかったものか。 ピクサーへの文句ついでにいえば、邦題がダメなだけの上記2作とは違い、「モンスターズ・インク」がなぜこれほどまでに評判がよいのか私にはわからないのです。 この作品、最後のワンシーンがすべてを台無しにしてしまっていると思うのです... 綴りにほとんど変化なし さて、この「Ratatouille」はみなさんご存じのとおりフランス料理の一つで、野菜の煮込みです。 ナスやズッキーニなどの夏野菜をふんだんに使い、トマトソースで仕上げると、ご飯のおかずにも良ければパンにつけてもおいしく、パスタやオムレツのソースにもなる、ある意味万能料理。 この料理名がドイツ語では何というのだろうかと、Google翻訳で見てみると、なんとそのままの綴りで読み方がドイツ風になるだけ。 ヨーロッパの他の言語で調べてみても、ほぼ綴りはそのままです。おそるべしラタトゥイユ。 まあこれはラタトィユに限らず、たとえば「すき焼き」だってどこへ行っても「Sukiyaki」で、読みが現地ふうになるだけです。きっと「すし」だってそうでしょう。わざわざ現地語に翻訳したり、新しい単語をつくって当てはめるよりは合理的です。 ドイツ語だと「ズキヤキ」「ズシ」になるわけで、あんまりおいしそうに聞こえませんけどね(ドイツ人にはおいしそうに聞こえるんでしょうか?)。 Ratatouilleとcaponata では、イタリア料理の、ほとんどラタトゥイユと区別のつかない「カポナータ/caponata」をフランス語にしてみたらどうなるのか? Google翻訳によれば、「caponata」のまんまでした。読みはやっぱりフランス風ですが。 でも、実際にフランスに行って「カポナータください」といってもダメで、「うちにはラタトィユしかないよ」などとあしらわれそうな気がします。偏見でしょうか。 これら二つの料理、いったいどう違うのか私にはまったくわかりません。 きっとつくった本人が「これはラタトィユだ」と思っていれば、それはカポナータじゃなくてラタトィユなのでしょう。旅行先で「スシ」として売られているものが、どう見ても「寿司」とは別物であることは少なくありませんが、それでもきっと作り手と食べたひとが合意していれば「スシ」なのでしょうし。 ごめんなさい、土曜日の午後だというのに書くことが考えつかなかったので、今日もまた語学学習とはあまり関係のない内容になっちゃいました。 蒸し暑くてばてやすい季節なので、今日の夕食は野菜をたっぷりと食べられるよう、ラタトィユをつくろうと思います。さて、そろそろ野菜を切り始めなくちゃ。 |