
2009年3月 7日 (土)
Es ist mir kalt!
卒旅で行った中国での「三峡下り」 大学4年の2月、私は友人と連れだって3週間の中国旅行へ行きました。いまでいう「卒旅」の走りというヤツです。広州から入って桂林へ北上し、重慶から武漢、上海と揚子江沿いに東へ移動してタイムアウト、北京や万里の長城にはたどり着きませんでした。 桂林で川下りをした帰りのバスが超オンボロで、しかもデコボコの山道をバウンドしながら走ったのも思い出ですが、同じような状況でバスが事故を起こしているニュースなどを見るとぞっとしますね。 旅のハイライトのひとつになったのが、重慶から武漢までの揚子江の川下りフェリー乗船でした。狭い船室に2段ベッドが4基、あわせて8人部屋だったと思いますが、非常に快適な船旅です。 何しろ貧乏旅行で、列車のきっぷひとつを買うにも長時間並び、平然と遅れるうえにぎっしりと客を詰め込んで座る場所もない車内で5~6時間は当たり前、という移動を繰り返した旅の後半でしたので、ベッドが確保されているだけでも相当ありがたかったのです。 問題は食事の時間が限られているうえに競争が激しく、直前に風邪をひいていたこともあってほとんどまともに食事のできなかったことですが、これは手持ちの食材と売店での買い物で何とかしのぎました。 Es ist mir kalt! 外国人だったので、一等客室のエリアにもわりと簡単にはいることができ、勝手にデッキで風景を眺めたりもしていました。そこで、けっこう寒かったので友人と「Es ist mir kalt!」といって騒いでいた(ドイツ語で、「寒いよ!」です)ら、近くにいた白人男性がこちらを見てニヤリ。やばいな、と思った直後に「Sprechen Sie Deutsch?」(ドイツ語話すんですか?)ときました。 教養部で1年半授業を受けたとはいえ、ドイツ語といえば他には「Ich habe Hunger.」(ハラへった)と「Ich habe kein Geld.」(カネはない)くらいしか出てきません。とりあえず「Ich habe Deutsch gelernt, aber spreche nicht.」(ドイツ語習ったけど、しゃべれません)とか誤魔化して、より英語の得意だった友人にバトンタッチした記憶があります。 その後も私は風邪が治りきらずにベッドで寝ている時間が長かったのですが、友人は一等船室にでかけていって件のドイツ人と英語で話をしていたそうです。たしか、Stuttgartからの旅行者だったといっていたような。 もちろん風邪で具合が悪かったのも事実ですが、慣れない外国に2週間以上も滞在し、自分で思っていた以上にくたびれて他人と話すことがおっくうになっていたのもたしか。いまから思えば、ただのホームシックですな。 こういう機会をつかまえたら進んで話そうとする積極性があれば、もうちょっと早くから英語なりドイツ語なりの習得を始めていたようにも思うのですが... そんなわけで、昨年になってから突然ドイツ語の学習を始めたのも、あのとき続けられなかった会話(英語とのチャンポンなら、なんとかなったはず)の続きを、どこかで望んでいるからなのかもしれません。 |