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人生まだ半分、37才からの外国語
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英会話教室や雑誌、ネットなど、ごく普通の環境だけで始められ、続けられる外国語学習の記録と秘訣を伝えていこうと思っています。
 

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人生まだ半分、37才からの外国語

2013年8月15日 (木)

自動翻訳があれば...
翻訳ソフトウェアの進化
つい9年前、会社の研修で米国の大学での短期授業を受けた際に、一緒に渡米した同僚が使っていた自動翻訳ソフトは、正直なところ実用には程遠いものでした。
一週間の授業の最後に行うプレゼン資料は英語でなければならなかったので、日本語を手っ取り早く英語にする手段として使っていたのですが、そもそも「英語に直すことを前提としてない」日本語を、自動翻訳にかけてみてもまともな英文は出てきません。結局、通訳の方がフォローすることにして、説明は日本語でも可、というはなはだ中途半端な発表となりました。

このときは、私もまだ英会話教室に行き始めてようやく2年が過ぎたところで、英会話が何とかなる状態ではありません。もちろん、課題のプレゼン資料を英語で作成することなんてとても独力ではできなかったので、同じように自動翻訳を使いました。
注意するのは、主語述語の明確な、そして文と文とをつなぐ接続詞をきちんと使った日本語を書くことです。これで、あとの作業はかなり楽になります。
そのままでは使えないことはわかっていましたので、出てきた英文を最初からきちんと英語として読んでみる、というのがポイントです。日本人にとってもなんとなく不自然な言い回しや、やたらに難しい単語があれば、そこをアナログ式に手直しします。同じ単語や表現が続く場合にも、言い換え語がないかを確認。時間はかかりましたが、それなりに格好はつきました。

日進月歩のIT技術にとって9年というのはものすごく長いもので、今では手のひらに収まる携帯電話で、当時の翻訳をはるかに上回る実用性のある訳文が得られるようになりました。
しかも、今では数十の言語を相互に自動翻訳可能。このまま行けば、すぐにもSF映画でおなじみの翻訳装置が完成しそうな勢いです。もしかしたら、これから生まれてくる子供達には語学学習なんて不要になるかも?

そうはうまくいかない
いやいや、そうはうまくいきませんよね。
自動翻訳の精度が上がってきたとはいっても、現状では「とりあえず何が書いてあるかを理解する手助け」になるレベルです。
同じように未知の言語からの翻訳でも、日本語がわけがわからないのに対して、英語のほうはそれなりに理解のできる文章になっている、ということも多いですね。

Google翻訳は旅行中も大変便利に使っていますが、ダイレクトに日本語になおしても意味がわかるとは限らず、英語に訳してその英語を理解したほうが、正確に意味を把握できることが多いというのは、みなさん経験済みじゃないでしょうか。
また、たとえばドイツ語から日本語にした場合と、一度英語にしてから再度日本語に直した結果とが一致するケースがあるところをみると、そもそも各言語から日本語に翻訳しているのではなく、一度中間で英語を介在しているようにも思われます。
それならば、万能の仲介役である英語を理解できたほうが、現状では自動翻訳を効率良く使える、といえそうです。

やっぱり英語
日本人とフランス人とフィンランド人が話すのに、それぞれの言葉を理解できるように学ぶのは非現実的です。実際には、三人とも習得可能な一つの言語を選び、共通言語として使うことにするのが手っ取り早い解決策です。
で、その共通の言語が、今は(多分これからしばらくの間も)英語である、ということです。

これは、人と人とのコミュニケーションだけでなく、機械による言語変換でも同じだということでしょう。自動翻訳技術は各言語と英語との部分に開発を集中させれば、効率的に実用化が可能です。
日本語とドイツ語、フランス語、スペイン語...と延々と作り続けるのは、とても非効率です。
となると、仲介役である英語をダイレクトに理解できれば、コミュニケーションがより上手にできるようになる、という状況は、当面は変わらなそう。
むしろ、英語以外の言葉を学ぶ理由は、その言葉が使われる地域の文化や生活、人々によほどの興味がなければ、必要性とか効率性とは無縁の行為、となってしまいそうです。
なんだか、ドイツ語学習者としては気分の悪い結論なんですけどね。
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