2014年2月 1日 (土)
話題の無料学習サービス「Duolingo」を試す
無料サービス花盛り 語学学習に限らず、SNSやオンラインのストレージ、写真やビデオの共有など、私たちは非常にたくさんの「無料で提供されるサービス」を使っています。 あまりにも便利なものが提供されるものだから、何かのサービスにお金がかかるとなると、たとえそれが数百円であってもすごく割高な気がしてしまいますね。これではデフレから抜け出せないのも仕方がないのかも。 とはいえ、たとえ有料サービスの試用程度であっても、新しいサービスを無料で使い始められるのはありがたいものです。買ったはいいけれど使えないまま放置したもの、とくに語学教材、みなさんの自宅にもたくさん転がっていませんか? 今回私が試しているのは、なんと試用レベルではなく本当に無償のままで使い続けられる外国語学習サービス(アプリ)の「Duolingo」です。イメージとしては、よく書店の店頭などでデモ販売をしている黄色いパッケージの有名語学学習ソフトに似ていますね。これがなんと無料。 ただし日本語なし このサービスで学べるのは、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語とポルトガル語で、英語を使ってこれらの言語を学ぶほか、逆にこれらの言語を使って英語を学べます。日本語には現在のところ対応していません(後述する理由から、これは難しいと思われます)。 つまり、すでに英語(ないしは学習に使用する言葉)を多少は理解できる状態でないと使えないわけですが、少なくとも初級レベルではそう難しい表現が出てくるわけではありません。中学校程度までの英語力、英会話教室半年とか1年目くらいの状態でも十分に使えるのではないかと思われます。 たとえばドイツ語でいうと、「The man」は「Der Mann」といった基礎単語からスタートして、これでもかというくらい何度も類似の表現が繰り返して出題されます。 英語をドイツ語にする、そしてその逆、音声が流れて対応する英語を入力する、出題された単語に相当するものを選ぶ、マイクに向かって表示された単語やフレーズを実際に読む、といった非常にシンプルな訓練が繰り返されます。 学習は20問程度のセクションに細かく分かれていて、同じテーマでの単語や表現が繰り返されますから、記憶にも残りやすいでしょう。 この細かなセクションが2つから5つ程度、徐々に表現や単語の数を増やしながら繰り返され、一つのブロックになっています。ブロックにはたとえば「野菜」とか「動物」などの単語のグループであったり、「複数形」「形容詞」といった文法上のくくりになっていてこれらを順番にクリアしていくのです。 各セクションはせいぜい5分程度しか必要ないので、寝る前とか昼休みとか、ちょっとした時間があれば使えるのが良いところでしょう。 学習の進捗はクラウドに記録され同期できるので、自宅ではタブレット、外出先ではスマートホンで使っていても、常に最新の学習ステップから再開できます。これはクラウドサービスならではですね。 フクロウさんからのメッセージ 一つのセクションをクリアするには、間違いを3問以内におさえることが必要です。 今の所ベーシックな問題ばかりなので、間違うとするとTypoか勘違い(出題の英単語が複数形だったのを見落とすなど)ばかりですが、この先進んでいくとミスも増えそうです。でも、なにもペナルティはなくて同じセクションを繰り返せば良いだけ、気楽ですね。 私が使い始めたのは1月10日で、今のところ3週間強が経過しました。 このサービスでの学習ペースは、概ね毎日1セクションを終える程度に設定されているようで(毎日の学習ペースは設定画面で調整できます)、なんとかこのペースにはついて行っています。 とはいえ、1日2日と間が空いてしまったり、その結果学習ペースが遅れてしまうこともままあります。そんなときは、メールボックスに「Hi ⚪︎⚪︎⚪︎, keep the owl happy! Learning a language requires practice every day」とか「Hi ⚪︎⚪︎⚪︎, you are on a 3 day streak! Use Duolingo today to make it 4」といったメッセージが届きます。 Owlとあるのは、このサービスのキャラクターである緑色のフクロウのこと。 1日の遅れならばフクロウが出てきて「頑張れ!」で済むのですが、3日4日と遅れが出てくるとメラメラと燃えるカレンダーの絵が届いて学習を促されます。 スマートホンやタブレットで学習できる大きなメリットは、そのメッセージが届いたらその場で学習を再開できること。これが、わざわざPCに向かわなければならないとか、テキストや教材を鞄から出さなければならないのだったら、「また後で」となってしまいがちです。メールを読んだらすぐにアプリを切り替えて5分だけ集中すれば良いのですから、私のような継続力に欠け自分に甘い学習者には合っています。 日本語対応は さて、こんなに優れた、しかも無料の学習サービスがあるなら、ぜひ日本語でも学べるようになってほしいと思うのは当然ですね。 もちろん不可能ではないのでしょうが、特に現在は初級ステップにいることもあって、難しいだろうな、と思わされることも多いです。 たとえば、冠詞の存在です。 出題の中では、「A boy eats an apple.」と「The boy eats the apple.」とはきちんと別物として、それぞれ「Ein Junge isst einen Apfel.」「Der Junge isst den Apfel.」と回答しなければなりません。 さて、これをどう日本語にしましょうか? 学校での英語の授業風にやれば「ある少年がリンゴを食べる」「その少年がそのリンゴを食べる」などとできないことはありませんが、これって生きた日本語とはいえません。複数形でも同じような問題は生じますね。 現在対象とされている言語がドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルであることからも理解できるとおり、今のところは英語と類似の文法構造を持つ言語間での学習サポートをするのが、このサービスの対象範囲ということになります。 同じヨーロッパの言語であっても、たとえばフィンランド語には冠詞が存在しませんから、対応させるのはそう簡単ではないと思われます。 そんなわけで、日本語対応ができるとしてもちょっと先になりそうですが、上述したとおり、少なくとも初球から中級の範囲では英語自体はそう難易度の高いものは出てきません。英語の訓練と同時にフランス語やスペイン語の基礎が学べると思えばむしろ一石二鳥。 全くの無償サービスで変な広告も出ません(どうやらサービスとしては利用者が入力する訳文を翻訳サービスに役立てる、というかたちで成り立っているもののようです)。一度試してみてはいかがでしょう。 |