2013年11月17日 (日)
Q & A コーナー、お待たせしました!こうして、どんどんご質問くださるのは、嬉しいです。ありがとうございます。
Q 英語を日本語訳をおかずにわかるようになるためには?
会話の時日本語←→英語と訳したりせずに英語だけで考えるにはどうすればよろしいのでしょうか?
私たち日本人は日本語←→英語と訳したりするのがくせになり、会話の時でも訳したりするんです。会話の時、訳したりすると頭の中がごちゃごちゃになります。会話の時、なるべく英語だけで考えたいです。
他に受験英語が抜け出せず、完璧を求めてしまったり、最初文法と訳したりすることを考えてしまいます。どうすればよろしいのでしょうか?英語の勉強をするとき楽しく気長にやりたいのです。
A 英語を練習すときは頭の中に映像を置くのです
英語を口から出して練習するとき、何が頭の中にありますか?英語の単語が頭に浮かんでくる?それとも日本語ですか?
このときに、「絵」あるいは「映像」が頭の中に浮かんでいたら大正解です。
英語を口から出す時は、その時の状況を浮かべて、頭の中に描かれた映像を描写する訓練をするといいのです。英語の練習をするときは、次のようにやってみましょうか。
◆(1)
まず、日本語訳を先に読んでしまってかまいません。これから、こんな状況になったときの英会話を練習するんだ、と自分の中に準備映像を作ります。
◆(2)
モデル音声を聴く
◆(3)
英語をまねをして繰り返す
(この時に、英語の文字は頭に置かない。日本語も置かない。映像だけを思い浮かべて、その絵を英語で描写している自分を考える。文字が浮かばなくなるまで、音声を何度も聴き込むのがポイント)
できれば、文字を見ずに、音声だけで練習してみる。
どうしてもわからないときだけ、文字で確認する。
ただし、このときに注意が必要です。
文字を見たとたんに、自分の知っている英語に発音を置き換えてしまう人がいます。自分の知っている英語の音と実際に聴こえてくる音では、ズレがあるのです。このギャップを埋めることのできた人が発音美人になります。
あとは、毎日この作業を繰り返すだけです。
あっ!もうひとつ、大事なことがありました。
完璧を求めない、ということです。英語はたくさん失敗して、たくさん恥をかきながら上達していくものです。完璧になるまで待つのではなく、中途半端でも失敗しながらでも、口を使って練習した人だけが話せるようになるのです。
失敗したり、恥をかいたりしてしまった自分をいたわることも忘れないでくださいね。頑張っている自分には、甘いケーキかアイスクリームでもご褒美にあげてくださいな。
2013年11月 6日 (水)
Q & A コーナー、こちらも先月いただいていたお便りです。お返事遅くなってしまってごめんなさい!!
Q 英語が 1回で聴き取れない。何か学習法は?
こんにちは。45歳、サラリーマンです。
先生の音まねレッスンの本を機に英会話の勉強を始め、NHK ラジオ英会話を1年半続けています。自宅から駅までの通勤を徒歩して、その時間を利用して聴いています。運動にもなりますし、一石二鳥です。
さて、最近少し壁にぶつかっている気がしています。最初は全く聞き取れず苦労しましたが、最近はそうでもなくなりました。続けてきた効果はあると思います。
でも、読めばごく簡単な会話でも一回ではなかなか聞き取れないのが悩みです。ちなみに、繰り返し聞きばだんだん分かってくることが多々あります(聞き取れた時は嬉しく、それが励みです)。
電車(在来線、新幹線)や駅、飛行機や空港など、出先で何気に流れてくる簡単な英語アナウンスがとっさに聞き取れません。ちなみに、アナウンスのスピードが速いとは思いません。
このままでは、とっさに1回で聞き取れない人になってしまうような気がしてなりません。集中力が足りないのでしょうか?学習法がありましたら、是非アドバイスよろしくお願いします。
先生のレッスンを受けてみたいのですが、関西在住なので困難です(涙)
A このまま継続あるのみです!ディクテーションを加えてみたらいかが?
「音まね」の本を使ってくださっていて、ありがとうございます。
どこも間違っているところはありませんよ。このままの練習をひらすら続けましょう。通勤時間の活用、素晴らしいですね。こうやって日常生活の中に、うまく英語のリズムを組み込んだ人は必ず成功します。運動と一石二鳥だなんてさらに良いですねえ~。
思い出してくださいな、語学は数年でマスターできるものではありません。必死になって集中して聴いて、「音まね」をして口から出す。この作業を、何の疑いもなく5年から10年続けると思ってくださいな。私は英語の練習を始めて20年になりますが、いまだに「音まね」を続けています。それでも、まぁ~だ、完璧な英語は話せていません。でも、いいのです。このまま40年続けますよ!
駅や空港などで流れる英語アナウンスは聴き取れなくて当然です。雑踏の中で流れてくるアナウンスは、ただでさえ聴き取りにくいのです。日本語のアナウンスだって、「何々?何を言っているの?」と聞き耳を立てるではありませんか。
どうしても聴き取りたかったら、英語アナウンスを録音してみてください。それを何度も何度も聴いて、聴こえてきた音だけを書き出してみてください。わずか数秒のアナウンスを書き出すのに、数時間かかるかもしれません。一日で書き出すことができなかったら、その日はもうやめて、次の日に、もう一度聴いてみます。
それでもわからなかったら、自分より少し英語のできる人やネイティヴたちに手伝ってもらって、いくらか完成品に近づけてみてくださいな。ここまでが 1週間かかっても落ち込まない、気にしない。
実は、これがディクテーションという作業になります。ディクテーションが完成したら、「へえ~、そんな風に言っていたのかあ~」、と感心し、今度は、音の再生作業に入ります。ひたすらに「音まね」をしてみてください。
自分が駅や空港のアナウンスを英語でしていると思って、気持ちよくやるのがコツです。
そんなことと続けていると、公共の場での英語のアナウンスが、あら不思議、いとも簡単に聴き取れてしまうときがやって来ます。
呼んでくだされば、関西までレッスンしに行きますよ~。もちろん無料でねえ~。ホントです。日本全国に 「英語諦めるな会」 を結成したいと本気で思っています。
2013年11月 5日 (火)
Q & A コーナーです。早くにお便りをいただいていたのに、すっかりお返事が遅くなってしまいました。ごめんなさい!
Q 英語で思ったように伝えられません
こんにちは。ゴガクルブログをいつも楽しく拝読させていただいております。
私は今、インドに住んでいて、これをチャンスに英語を勉強しよう、となるべく日本語を話さない環境に飛び込んで来ました。おかげさまで、簡単な会話ならばストレスを感じずに出来るようになったのですが、問題はその先です。自分が何を考えているのか、自分はどう思っているのか、また、状況の描写、といった細かい説明がまるでできません。
先日、グループで私だけが意見が異なるという事があり、その理由を言おうとするのですが、きちんと伝えられず、また一部誤解が生じたり、と違った意味でグッタリしてしまいました。
語彙のチョイスが不適切で変に衝撃を与えてしまう、ということもありました。やはり失敗を重ねながら身につけて行くしかないのでしょうか?
お忙しい中、突然このようなご連絡をさし上げて申し訳ございません。
(こちらでもラジオ講座の受講を続けていて、ラジオ英会話、実践ビジネス英語、入門ビジネス英語を聴いています。ただ、佐奈恵さんが勧めていらっしゃるほどしゃぶりつくすまではできていません。聴いて、使いそうなフレーズを時々ノートにまとめるくらいしか...。そういった日頃の積み重ねの欠如の現れなのかもしれません。)
A 50% 伝えられたら、それはスゴイことです!
インドにお住まいなのですね。海外からアクセスしてくださり、ありがとうございます。ゴガクルも読んでくださっていて嬉しいです。
簡単な会話であれば、ストレスを感じることなく、お話しなさるまでになったのですね。すごいです。普通は、そこに行くまでに挫折してしまう人が多い中、よく頑張りましたね。
さて、その先ですか!?
自分の思いが十分に伝えられず歯がゆい思いをしているのは、自分の英語力がそれだけ上達した証拠でもあります。まずは、自分の歩んできた軌跡を認め、自分を褒めてあげてください。
「よくぞ、ここまできた!偉いっ!!」 とね。
話す時に、ポイントがいくつかあると思うのです。
◆ まずは、むずかしい単語を使わずにやさしい英語だけで話してみる
論議が白熱してくると、ついつい、難し単語や言い回しを使ってみたくなったりします。そうすると余計混乱してしまうものです。
◆ 相手の顔をよくみて、反応を確かめながら話す
Does it make sense? (わかりますか?) なんで言葉を挟むのもいいかもしれませんね。
◆ 5割通じたらよし!としましょう
自分の言いたいことが 50% 言えたら、自分に合格点をつけてあげましょう。私たちはネイティヴではないのですから、他の言語で 50% を伝えることができたら上出来ですよ。
あぁ~、もっとうまく伝えたい。ああも言えた、こうも言えたのに、と歯がゆい思いをしながら英語は上達していくものです。たくさん悔しい思いをしましょう!その悔しさこそが、次の学習への原動力になると思いませんか?
使いそうなフレーズをノートにまとめたら、「このフレーズ、いつか使ってやるぞ」と強く念じながら、口から出す練習をおすすめします。私もまだまだですので、一緒にがんばりましょう!
2013年10月12日 (土)
Q 道に迷っています
『働く女!私が32才から始めたこと』 を読ませていただき、大変感銘を受けました。
私が日々個人的に悩んでいることに関して、川本先生ならなんておっしゃるだろう。ぜひご意見を頂きたいと思い、厚かましいとは思いましたが、藁にもすがる思いでご連絡させていただきました。
私は現在37才で、児童書の翻訳家を目指して勉強していますが、時々、どうしようもない不安に襲われます。
私の夢は実現するんだろうか?
それよりも、「私は本当に翻訳がやりたいんだろうか?」 ということです。
英語が好きだし、絵本も好き。だから翻訳をやってみたいとずっとずっと思ってきました。そして結婚を機に仕事をやめ、勇気を出して翻訳の世界に足を踏み入れ分かったことが沢山あります。
翻訳とは英語力はもとより、日本語力がないとダメだということ。若いころから本を沢山読んでこなかった私には日本語力がなさすぎる。多くの翻訳家を目指す人たちと比べると相当不利。ゼロ以下からのスタートだということ。
児童書の翻訳の世界で活躍されている方々は、文学部卒で児童文学の勉強をしてきたり、図書館司書経験があったり、出版社勤務経験があるなど、専門的な方々ばかりだということ。児童書の翻訳をやっている人たちは、本当に児童書が大好きなんだということ。
今の私には到底及ばない、専門的な仕事だったのです。
翻訳の世界を知れば知るほど、不安が大きくなりました。
川本先生は「英語学習に夢中になった」「英語を勉強するのが楽しい」と言われていましたが、私はそこまで夢中になれないのです。
独学で翻訳の勉強をしていてもすぐに眠くなっちゃうし、楽しいと思えないのです。これが仕事なら、やりがいもあるし真剣にできるのに、なんて考えたり......。本当に真剣に頑張れるのは、翻訳コンテストの課題を訳しているときだけです。
私、本当に翻訳がやりたいんでしょうか?それともただ、訳書に自分の名前を載せたいだけなんでしょうか? 「翻訳家をやってます」と言いたいだけなんでしょうか?
「自分が将来やりたいこと」=「自分ができること」ではない場合、どうしたらいいのでしょう?
「なりたい自分」はあっても、「そこまでの努力が苦痛」な場合、それは本当にやりたいことではないのでしょうか?
翻訳家になることは、私が初めてやってみようと真剣に行動に移した夢です。向いてなくてもあきらめたくはありません。他にやりたいこともないし、あきらめたら後悔すると思います。
ただ「好きこそものの上手なれ」ですが、私は本当に翻訳をやりたいのか、本当に好きなのかが分からないのです。
川本先生は、こんな私をどう思われましたでしょうか? このまま勉強を続けていていいのでしょうか?
A 大きな山の前ではひるむのが当たり前。足元に咲いている小さな花を楽しんで歩きませんか?
『働く女!私が32才から始めたこと』 の本を読んでくださって、ありがとうございます。とても嬉しいです。そして、時間をかけて、こうしてメールをお送りくださいましたこと、感謝いたします。
児童書の翻訳家を目指して勉強していらっしゃるのですね?夢がありますね。夢の実現のために、ほんの小さなステップから始めてみませんか?
翻訳という作業は、想像していたよりも、地味で孤独な作業ですよね。これは、英語学習全般に対してもいえることではないかと思います。だからこそ、小さな喜び探しをしていきませんか?
日本語力がない? ⇒ だから勉強しているのですよ。
たくさんの本を読んでこなかった? ⇒ じゃ、今から感動する本をたくさん読んで涙を流しましょうよ。そうこうしているうちにセンスは磨かれていきます。
きっと、そんな翻訳家になりたいのではありませんか?素敵な絵本で人を感動させられるような言葉を使い、人々の役にたちたいのだと思います。
違いますか?
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児童書の翻訳の世界で活躍されている方々は、文学部卒で児童文学の勉強をしてきたり、図書館司書経験があったり、出版社勤務経験があるなど、専門的な方々ばかりだということ。
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私もかつてはそんな風に考えていました。
英語を話している人たちは
・ 英文科を出ている
・ 海外留学をしたことがある
・ 海外に住んだことがある
でも、あるとき、友人が言ってくれました。
「あなたは、英文科卒じゃないし、海外留学の経験もない。海外に住んだこともない。でも、それでも英語を教えられる。だからすごいんじゃない?海外に行って学んできた人より、もっとすごいことしているんだよ。」
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翻訳の世界を知れば知るほど、不安が大きくなりました。
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それは、それだけ翻訳の世界に近づいたからでしょう。
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私、本当に翻訳がやりたいんでしょうか。それともただ、訳書に自分の名前を載せたいだけなんでしょうか。「翻訳家をやってます」と言いたいだけなんでしょうか。
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最初は見栄だって何だっていいのですよ。その道に近づけば近づくほど、その道は大きく、遠くに感じ、途方に暮れるものです。迷ったっていいじゃありませんか。今から勉強をして、60歳のときに、翻訳家としての名前を本の中にみつけたら、それって本当にすごいことじゃありませんか?
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「自分が将来やりたいこと」=「自分ができること」ではない場合、どうしたらいいのでしょう。「なりたい自分」はあっても、「そこまでの努力が苦痛」な場合、それは本当にやりたいことではないのでしょうか。
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あきらめるのは、もう少しやってみてからにしましょう。まだまだこれからですよ!自分が本当にやりたいことが見えてきただけです。巨大な山に気づいたから怖気づいているだけです。上を見上げるのを一旦やめて、足元に咲いている小さな花の美しさに気づいてみてください。
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翻訳家になることは、私が初めてやってみようと真剣に行動に移した夢です。
向いてなくてもあきらめたくはありません。
他にやりたいこともないし、あきらめたら後悔すると思います。
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あらっ!? もう答えが出ているではありませんか!
自分と語り合ってみたのですね。こうして私にメールを書いているということは、やっぱりあきらめたくないからですよね。自分の心の中に出ている答えに、さらに念を押したいからですよね。
・ 今、ここであきらめちゃダメ!
・ 今、ここであきらめたら、またいつもの自分に戻っちゃう。
・ 自分を変えたいから始めたのよね。
・ あきらめるのは、もう少しやってみてから......。
私は、そう思いながら 20数年が過ぎています。
苦しい道でも、足元を見たら、ホラ、小さな花がそこに咲いていませんか?
「あなたの決心」、それは小さな花なのです。
大輪が咲かなくてもいいのです。
小さな花をたくさん眺めながら歩いてみませんか?
このたびは、相談してくださってありがとうございました。
あなたと同じように悩んでいる人が、たくさんいると思います。
今回の問いかけは、そうした悩んでいる人たちに勇気を与える一歩でもあったと思いますよ。
メールをありがとうございました。
2013年10月 7日 (月)
Q オリンピックまでに英語が話せるようになりたい
私は現在32歳、英語は話せません。実は最近夢が出来ました。 7年後のオリンピックまでに自分が納得するくらい英語が話せるようになり、ボランティアに参加することです!
さっそく先日から、ラジオ英会話で真似を開始しました。 が...昨日、一緒に生活している彼から「発音はだいたいで構わないと思うよ。大事なのは話さないといけない環境に身を置いて、どう伝えようとするかだと思うよ。」とアドバイスが。
勉強するなと言われたわけではないのですが、彼は留学経験もあり、仕事で英語を使う環境に居ます。 全く話せない自分。中学以来に始めた勉強。やる気が出て楽しい日を過ごしていましたが、少しわからなくなりそうに、、 私としては川本さんを信じてやっていくだけだと思うのですが......。
A 話せるようになりますよ!スタートは「音まね」から
東京オリンピックは多くの人に「夢」も運んできてくれますね。
英語がまったく話せない?今から7年しっかりやれば、十分話せるようになりますよ。
「話さないといけない環境に身を置いて、どう伝えようとするか」 ⇒ まったくその通りです。でも、これは、すでに英語をある程度話せるようになった人が、さらに英語力をあげるときにすることです。
まったく話せない人にとっては、どこからどうやって始めたらよいのか、わからないわけですよね。そんな時は、モデル音声を聴き、すっかり同じように真似をする「音まね」から始めると良い、というのが私の長年の英語学習から出た答えです。
日本人の英語学習者は実際に口を使い、自分の声を使った練習が圧倒的に少ないと思っています。話せるようになりたいのであれば、やはり、話す練習をしないとね。聞くだけでは、英語は話せるようにならないのです。聴いた音を再生するところからスタートするのです。
英語を話さなければいけないようなところに身を置くことができる人はラッキー!です。そうでない人が大半かと思います。では、そんな人たちはどうしたらいいか!?
自分でそんな環境を作ってしまうのです。と、いっても海外旅行に行きましょう、ということではありません。自分で自分に語りかけるのです。独り言のようにブツブツと英語を唱えるなんて、ちょっとおかしい人のように見えなくもないですが、実は、英語達人になった人たちは、必ずどこかでそんな過程を経てきています。
「発音よりも話す中身が大事」 ⇒ これも良く聞く話です。実際にそうだと思います。でも、英語初心者から練習するのであれば、スタンダードな英語を話せるように練習するのが一石二鳥というものです。
ネイティヴのようにまねして練習するには、それなりの意味があるのです。聴き取りの練習を同時にしているんですよ。日本語英語で思いっきり、「ビューティフル」と発音するのもアリかもしれませんが、優雅に流暢に「ビュ~リフォ~」と、気持ちよく練習してみませんか。
今まで、ア・リトル・ビット (a little bit) だと思っていたフレーズも、実際は ア・リロゥビッ と聴こえてくるんだとわかると、聴き取りにも強くなるというものです。What are you doing? の最初の What are you の部分も、実際に聴こえてくる音は、ワラユ になってしまいます。こうした、書いてある英語と実際に聴こえてくる音の違いに気づき、自分の発音を矯正していくことは、リスニング力を向上するうえでも必要かと思います。
残念ながら、語学は数ヶ月や数年で思い通りになるものではありませんが、あきらめずに続ける。ひとつのことをただひたすらに繰り返す。いつかは話せるようになるぞ!と強い信念を持ち続けることが大事だと思います。
2013年5月21日 (火)
Q
38歳で、久し振りに英語の勉強を始めました。辛いけれど少し楽しい自分が居ます。年齢的にも最後のチャンスなので、意地でも止めません。まずは英検3級を今年中に、受けてみようと思っています。
基礎1は優しく感じられますが、たまに忘れていたなと思う事も有ります。ラジオ英会話は少し難しく感じますが、頑張れば何とかついて行けそうです。今は、ラジオ英会話中心に毎日何度か口に出して練習し、基礎1を抜け落ちが無いよう、サラッと1回流しでいますが、どちらかに絞った方が良いでしょうか?
A
「年齢的にも最後のチャンスなので、意地でも止めません」 との言葉に、思わずニヤリとしてしまいました。昔の自分を思い出したのです。私も、
「今ここでやめたら、いつもの優柔不断な自分に戻ってしまう。」
「今、ここでやめたら、また何事も中途半端なままで終わってしまう。そして自分に言い訳をするんだ。だって忙しいんだもの。だってお金がないだんもの。だって頭悪いんだもの、って......。」
そう思いながら英語を続けてきました。だからお気持ち、よくわかります。
あれから20数年たった今、ひとつ言えることがあります。
「年齢的に最後のチャンス」 と思う必要はないということです。年齢は関係ありません。私の生徒さんの中には、70歳代で英会話の門を叩いてくれる人もいます。そんな人々に勇気をいただくのは、こちらのほうです。継続することが何よりも大事だと思っています。
極端な話、覚えることは忘れちゃっていいと思います。覚えることではなく、モデル音声をまねすること、毎日繰り返し、口から出すことが非常に大切なことだと確信しています。
さて、教材の使い方ですが、基本的には1本です。実は、たっぷり、しっかり学習すると、他のものには手が出せないのが事実です。それくらいひとつのものに集中し、しがみつき、徹底的に反復練習をすることで実力がついていきます。
「ラジオ英会話は少し難しく感じるけれど、頑張れば何とかついて行けそう」 とのことですので、選ぶ教材としては、ピッタリですね。「毎日何度か口に出して練習」、これを次のように変えてみませんか?
「毎日最低50回、口から出して練習」
音声を良く聴いて、モデル音声とすっかり同じリズム、イントネーションになるまで徹底的に練習。自分の思い込みの発音を捨てるためには、まずは文字をみずに音だけ聴いて繰り返すことが肝心。
英語を口から出す時は、文字を思い浮かべるのではなくて、脳に絵を描く。自分がその状況の中にいて、実際に英語を話している映像を頭に置く。あなたは女優、テキストは台本です。立派な女優になるためには、50回のせりふの言い回しでは足りないかもしれませんね。感情を込めて抑揚たっぷりに練習しましょう。少し大げさかなと思うくらいでちょうど良いです。本当は、英語を口から出す時に、音声が脳の中で鳴り響くくらいまで聴き込んでいると理想的です。
そうは言っても、ただひたすらにひとつのことを続けるって結構しんどいですよね。だからTVを観たり、映画を観たりして気分転換をします。基礎1は、この気分転換のひとつだと思ってください。
気分転換なのですから、それを観たり聞いたりすることによってストレスが溜まるようではいけません。映画なら、「あぁ~何て言っているのだか、さっぱりわからない」 と落ち込むのではなく、「いつかは、この俳優/女優さんののようにしゃべれるようになりたい!」 と目標と憧れにします。
基礎1を活用するのでしたら、「基礎1なのに、わからない単語がある。どうしよう!」 と思うようなら、思い切って聞かないほうがいいでしょう。それよりも、「へっへ!私の英語も上達したもんさ。基礎1なら、ほとんどわかるじゃない!」 と自分でニヤニヤとすることに使うのであれば、大賛成です。
「辛いけれど楽しい自分がいる」、これも良くわかります。苦難の中にも小さな光や喜びを見つけながら歩いていきませんか?
2013年5月 6日 (月)
Q
子供に英語を学ばせることについて心がけることなどがありましたら教えてください。
中2の息子です。まずは私が勉強して、その姿をさりげなく見せようと思います。中学英語からですので、ラジオの基礎英語1.2.3をやろうと思っていますが、ほかに何か良い教材はありますでしょうか。とにかく興味がないと食いついて来ないので、会話が楽しい日本のアニメなどで教材用に英語版があると良いのですが良く分からなて・・・ それから、普通、英会話教室に通うお子さんというのは、本人が英会話に興味があるから通うのですね。本人が英会話をやりたいとも言ってないのに、やらせようとするのは良くないでしょうか。しばらくは強制はせずに、私が楽しく勉強する所を見せるだけのつもりでいますが・・・ 。
A
お母さんが勉強してその後ろ姿を見せるというのはとても良い案ですね。実は、子供向けの教材は英語をこれから始めたい大人のビギナーの方にも適したものがたくさんあります。子供と一緒に、、、といいながら、実は大人のほうが勉強になったりもします。
私も最初は、子どもの教材をたくさん使いました。楽しいですし、難しくないのでとっつきやすいのです。可愛らしい絵柄などもあるので見ているだけでワクワクしてきます。発音も子供教材のCDをたくさん聴いてまねしました。
幼児向けの教材の中にもたくさん良いものがあるのですが、お子さんが中学生さんだということですね。お考えになっている、NHKラジオの基礎英語はとても良いですよ。昔の基礎英語は文法中心だったのですが、最近の基礎英語は普段使える日常会話を中心におりなされているようです。そのまま「聴いて」→「まねして」という作業を繰り返しているとかなりの力になります。
ただし、基礎英語1、2、3の三本をいっぺんに聞くのは無理があります。3本流していたら失敗するといってもいいですよ~。番組は15分ですし、そんなに難しくないので3番組くらい大丈夫と思ってしまいがちですが、そこが意外と落とし穴になります。聞き流しで終わってしまうからです。
おなじせりふを何度も何度も聴いて、何度も同じように口から出す、という作業をすると話せる道へとつながりますので、ひとつの番組をしっかりと一年間聞き、練習し続けることのほうが、はるかに大事なのです。
アニメの翻訳はマンガ本では出ているようですが、大事なことは音声を聴くことですので、音声なしの教材はおすすめしません。「音を聴いてまねる」、この作業が語学の練習の中で一番大事ですし、最初にやって欲しいことだと個人的には思っています。
「リトル・チャロ」なんかいかがですか?ストーリー仕立てになっているので、次が気になり思わず物語の中に引きずり込まれます。気に入ったフレーズが出てきらた、まねして口から出すといいですよ。
CSやケーブルTVでは、英語だけで放送されているアニメもありますね。でも幼児ならともかく、日本語が確立された中学生になってしまうと、英語だけでアニメを観るのは辛いものがあるかもしれませんね。それに英語のTVドラマ、アニメ、映画はどれをとってもかなり難しい言い回しが入っていますので、学習者向けというよりも、あくまでも「楽しみ」、英語の勉強に疲れた時の気休めや、「ああ、こういうふうにしゃべれたらいいな」というモチベーションの維持に使うといいと思います。
では、ここでお子さんに英語を習わせたいときのポイントです。
ご質問者のように子供に「これをやりなさい」と押し付けるのではなく、まずは親が勉強して背中を見せる⇒パチパチパチパチ!大賛成です。
決して親が無理強いしてはいけません。さりげなく家のあちこちに英語の教材やCD、歌などを散りばめておくのはいかがですか?洋楽から英語の勉強に入ったという人も多いですね。「音」から入った人は発音がきれいです。
子どもに英語が話せるようになって欲しいと思っている親ごさんはたくさんいらっしゃると思いますが、無理強いは逆効果です。子どもがやる気になったときがチャンスです。
2013年4月 4日 (木)
Q
こんにちは。NHK活用法の著書がとても参考になり、以降、音まねの本、アプリ、ブログとフル活用させていただいてます。
どうしてもアドバイスいただきたいことがありまして、突然のメールで失礼いたします。
近く主人がイギリスに転勤になりました。
今後英語を上達させないと困るのですが、今までは英語を使う環境にはありませんでしたが、アメリカ英語の響きが好きで、英語に触れようとしてきました。
時々TVなどでイギリス英語を聴く機会があると、全くの素人感覚ですが、発音やイントネーションなど米語と比べ、かなり違う印象を受けます。もちろんある程度の上級者にとっては、そのギャップを埋めるのがそんなに大変ではないのかもしれませんが、少なくとも私にとっては、それなりの違いに思えていました。色々調べてみると、単語や言い回しもけっこう違いがあるようですね。
私自身、先に書いたように米語の方が好きで、せっかく勉強するなら好きなものに焦点を当てた方がモチベーションが維持できますし、また教材も気に入っているNHKラジオ英会話や音まねで英語学習を続けたいのですが、おそらくアメリカ英語を中心とされているかと思うのです(詳しい知識ではないので、違っていたらすみません)。
イギリス英語に特化した教材と並行するという考えもありますが、複数のテキスト手を出すのは、先生もおっしゃられているように消化不良になりそうでよくないと思ってます。まだ向こうでの生活がスタートしていないので、細かいことはわかりませんが、今後の英語学習仕方につき、アドバイスをいただけないでしょうか。
A
『NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法』を読んでくださったのですね。ありがとうございます。『音まねレッスン』も、本もアプリも、それこそフル活用してくださっていて本当に嬉しいです。
さて、アメリカ英語とイギリス英語、確かに違いますね。おっしゃる通り、発音やイントネーション、まったく違います。違った単語を使う場合もあります。イギリス人の先生が、セーターを指してジャンパーと言ったときは衝撃的でしたね。じゃ、これは?といわゆるジャンパーを見せると、「それは、ジャケット!」と言っていました。エレベーターのことをリフトと言ったり、ガソリンスタンドをペトロと言ったりするのは聞きかじりで知ってはいたものの、セーターのことをジャンパーと言うなんて、その時は知りませんでしたから。『音まね』は確かにアメリカ英語を基本としています。
結論を言いますと、
アメリカ英語でもイギリス英語でもどっちでも好きなほうで学習を続けるべきです。
まずは、英語という言語を使って自分のことを表現できるようになること、それが先かなと思います。
そうはいっても、これからイギリスに行かれることがわかっているのであれば、イギリス英語の音には慣れておくといいかなと思います。つまり、今まで同様に『音まね』やNHKの英語講座で勉強しながら、BBC などのニュースをかけっぱなしにして音の流れに親しんでおくといいかなと思うのです。
ここで、ちょっとしたコツがあります。音声をかけっぱなしにしても、ただ聞き流しているだけでは学習にはなりません。あくまでもメインの学習は『音まね』『NHK』教材にし、TVやラジオのBBCの音声は息抜き、娯楽、これがわかるようになったらいいなあ~という憧れを抱く材料とします。そして、時々、聴き取れた音をまねして口から出してみるのです。ここの「音まね」をするっていうところが、結構重要です。
アメリカ英語とイギリス英語の聞き分けができるなんて、それだけで英語がかなり上達している証拠です。まったく英語ど素人のときは、アメリカ英語もイギリス英語もフィリピン人やインド人、中近東の人が話す英語もおなじ英語に聞こえていましたから。
アメリカ英語を数年、徹底的に勉強したあと、イギリス人と会話したときは、「これ、英語!?......違う!私、英語、ぜんぜんわかんないじゃん!」と衝撃を受けたことがありました。その衝撃を避けるためにも、メインで勉強しつつ、なにげなくイギリス英語で耳慣らしをするのがいいのではないかなと思います。
いつだったかオーストラリアに行ったときは、またしても新鮮な衝撃がありました。オーストラリア人たちの話している英語がまったく聞き取れないのです。でも、どうやら、私の話す英語はわかってくれるらしい。
その頃には心臓に毛も生えて、「え?私の英語、通じない!どうしよう!?」と、おどおどとしている日本人でななくなっていたので、「あなたたちの話している英語、ぜんぜーん、わかんない!」と言い返せるようになっていました。「さなえは、完璧なアメリカ英語を話しているからね。僕らの英語がわからなくても当然だよ。明日からオーストラリア英語の特訓だよ!あっはっは!!」という会話を繰り広げたことを覚えています。
多少なまりがあってもいいじゃないですか?英語は世界の共通語です。大事なことは、人とコミュニケーションを取るということですよね。ホラ、想像してみてくださいよ。外国の人が日本語を話していたとします。発音もイントネーションもまったく日本人と同じ完璧な日本語を話していたら、ちょっとギョっとしませんか?それよりも、多少イントネーションが違っていても、たどたどしくても、それでも一生懸命話している姿をみたら、何となく親しみがわきませんか?そんな人には、つい手を貸してあげたくなってしまう、そんなことってありませんか?まず目指すところはそこでいいと思いませんか?
そして、語学を学びながら、人間性も磨かなくてはという思いに、いつもかられている私です。言葉は大事ですが、人を思いやる気持ちは言葉がなくても通じるときってありますものね。
イギリス、いいなあ~。私、行ったことないのです。行かれたら、ぜひぜひイギリス便りをくださいね。違った文化を楽しんでいらしてください。
2013年4月 2日 (火)
Q
今週からラジオ英会話の講座をスタートしました。 ダイアログの部分を100%は無理でも70~80%ぐらいはまねられるようになるまで(大体、20回ぐらい)オーバーラッピングしています。
先ほど、今週の復習をしたのですが、穴埋めは50%ほどしか正解できませんでした。イディオムや表現をほとんど忘れていました。覚えなくてもいいとのことですが、さすがにこれは良くないですか?すごい方は80回ぐらい音読するとのことでしたが、覚えるのではなく、染み込んでいるぐらいにもっと音読した方がよいのでしょうか? スクールのみなさんは週末の穴埋めはやはり完璧に正解するぐらいなのでしょうか?
A
ズバリ、回答からいっちゃいますね!
覚えなくても、忘れちゃってもかまいません。
覚えることが大事なのではないのです。続けることのほうが大事なのです。穴埋めが50%も正解できるなんてスゴイじゃないですか!音をまねる作業も何度も繰り返しなさっているのですね。それだけやっていれば結果はおのずと後からついてきます。今は忘れちゃっても自分を許してあげてください。
大事な表現や言い回しは繰り返し出てくるようになっています。ですので、出会った回数に応じて下記のように意識が変化していきます。
2回目: 「おや!?似たような表現、以前やったかもしれないなあ~」
3回目: 「あっ!この間も出てきた。でも何だったかな?」
4回目: 「あぁ~、知ってる、知ってる。この間出てきたもんね。」
5回目: 「おっ!久しぶり!これなら何度も出てきているから知っているもんね...... と、思ったら久しぶりなので忘れてしまった。あれ~?」
6回目: 「やっとわかるようになってきたぞ」
7回目: 「ああ、この表現なら知っているよ。応用練習でもしてみっかな!」
どんなに覚えたと思っても、日頃使っていないと忘れてしまうものです。忘却曲線との闘いです。ここを克服するためには、何度も繰り返し練習すること。チャンスがあったら使ってみること。使うチャンスがなければ、自分で作る。自分に英語で語りかけてもいいのです。
あまり根を詰めずに適当なところで、自分に合格点を出し、先に進むことも英語学習では大事です。難しかったら思い切って捨てちゃうくらいの気持ちも必要です。そうこうしているうちに徐々にわかるようになっていくのが英語です。
英語の習得は思った以上に時間がかかるものです。腹をくくって学習の過程を楽しみましょうよ。どんなに険しい道にも、喜びはあるものです。荒れ果てた荒野にだって時々小さな花は咲くものです。別の言い方をすれば、大変な中にも喜びや楽しみを見つけられる人が英語を習得できるのかもしれません。これは英語学習に限らず、人生、何にでも応用できると思います。
大人になってから英語を始めた人はテストの点数や合否に関係なく、自分のペースで勉強できるという強みもありますね。人が数回で覚えてしまっても気にせず、あの人が3回で覚えたのなら、私は10回で覚えるようにしてみよう、というゆったりとした気持ちでいきませんか?