2009年4月 3日 (金)
今、オーストラリアに来ています。
ここ、パースは緑が多く、空の色、海の色がうっとりするほどきれいです。昨夜は夜景がきれいに見える場所に連れて行ってもらいました。空を見上げると、星の数が違うのです。こんなに肉眼でもくっきりと見えるんだなと感動しました。
私の教室の特別プログラムで生徒の何人かと来ました。それぞれ一軒一軒のお宅へホームステイさせていただき、子どもたちは現地の学校へ、大人は語学学校へと通っています。
私も語学学校の生徒のひとりになりました。韓国人、インド人、ブラジル人、ポーランド人たちと席をともにしています。みんな20代、30代の若者たちですが、Sanae, Sanae と話し掛けてくれ、とても居心地がいいです。
昨日は生徒のひとりが Pub で飲み過ぎたとか、変なおやじが言い寄ってきて嫌だったなんておしゃべりから授業がスタートしました。先生が、「Sanae, パースに来てからもうパブに行った?」 と聞くので、「まだ行っていないし、スケジュールを見ると行くチャンスもないかもしれない」 というと、「じゃあ、今日の2時間目の授業はパブでやりましょう」 ということになりました。
2時間目になると、さあ、パブへ行って授業よ、と先生は資料を持ち、クラスメートとともに近くにあるパブに繰り出しました。パブといっても当然昼間はカフェです。グリーンのパラソルの下、明るい太陽の日差しを浴びながらの授業はとても素敵でした。
授業の内容はスピーキング。ひとりひとりテーマが与えられ、そのテーマに沿って 3分間しゃべり続けなければいけません。聞いている人たちは、この会話に邪魔を入れるというものです。話している内容とは全く違ったことを話しかけたり、わざと気をそらせたりします。スピーカーは、話し掛けられた質問に返答したり、上手にあしらったりしながら、3分間のうちに自分のストーリーを簡潔させなければなりません。
2分30秒~3分の間にストーリーが簡潔できればポイントがもらえ、早く話が終わってしまったり、3分を過ぎてしまったりすると失格になるというものでした。スピーチするときはテーマに沿った話題をすばやく探し出し、ストーリーを即座に作らないといけないのであせりましたが、邪魔を入れるほうは好き勝手に話し掛けていいので、おもしろかったです。
時間はあっという間に過ぎ、授業の時間は終了し、またみんなで学校へと戻っていきました。まるで夢を見ているようです。10数年前は、ちっとも英語が話せなかったんですよ。私の英語もまだまだですが、今は世界の人とコミュニケーションを楽しめるようになりました。
2009年4月 5日 (日)
オーストラリア、パースの電車の中でおもしろい広告を見つけました。
赤ちゃんがしかめっ面をして何かを手に持っています。とても目を引く広告だったのでパチリと撮影してしまいました。この広告、何だと思います?
STOP
PRIORITY SEAT
FOR MOM AND ME
(やめて!ここはママと僕のための優先席だよ。)
優先席のところに貼ってある広告です。写真の下には次のような説明書きがありました。
This seat is reserved for seniors, people with a disability and parents carrying small children. Please make this seat available who need it. Thank you.
下記のような意味になるのでしょうね。
<この席は、お年寄りや身体が不自由な方、小さなお子さん連れの優先席です。そんな方々のために席をお譲りください。>
パースを走っている電車はとてもきれいです。私はパースから数駅離れた Victoria Park という駅の近くにホームステイさせていただき、パース市内にある語学学校まで通っていました。ちょっと愉快な広告! おもしろいですね。
2009年4月11日 (土)
読者からの質問にお答えします。
Q:
洋書ですが、なにかお勧めのものがありましたら教えてください。
A:
自分が興味のある分野を読むのが一番です。読んでいて楽しいと感じなければさっさと新しいものと取り替えるといいでしょう。小説でもよし、ミステリーでもよし、実力があればノンフィクションなどに挑戦してみるといいかもしれません。
購入するとなると高額になりますので、中古や図書館などを利用するといいかもしれませんね。都内には洋書専門の古本屋もありますので、チャンスがあったらのぞいてみるといいでしょう。
Good Day Books (恵比寿) 洋書の古本がたくさん置いてあります
私は、子どもの絵本をよく活用しています。そんなに難しくなく、絵も楽しめて、以外と知らない単語も混じっていたりします。Oxford や Longman では薄い学習者向けの書物をたくさん出していますので、初心者の方にはおすすめです。
ペンギンリーダーズ
Oxford Reading Tree シリーズ
意外とおもしろいのが、Brain Quest という子供向けの知識カード集。いや、クイズ問題集といったらいいかな?ネイティブの子どもたちが使うものですが、ちょっとしたトレビアクイズになったり、知識の宝庫になったりします。英語のレベルは小学生用でも結構手強いです。算数や地理、歴史を英語で学んでみたいという人の初歩編としてもおすすめです。アマゾンジャパンでも購入可能です。
もう1冊のおすすめは THE WORLD ALMANAC FOR KIDS
こちらは子供向けの年鑑本ですが読むのはなかなか手強い。音楽やスポーツ、歴史、地理、科学など興味のある分野だけペラペラとめくるだけでも楽しいです。オンラインでも読めますが、手元に置いて暇なときに眺めていたい1冊です。
2009年4月12日 (日)
読者からの質問にお答えします。
Q:
スピーキング力が伸びないのが悩みです。どうしたらスピーキング力を伸ばすことができるのでしょう?
A:
さて、スピーキング力が伸びないとのことですが、そう思っているのはご自分だけで、実は結構話せる人がたくさんいます。あなたもそのひとりではありませんか?
スピーキング力をもっと伸ばしたいと思ったら、やはり話す訓練をしないといけません。話す訓練というと、すぐに誰か話し相手がいなくてはと思うのですが、実はその前の段階の「自分ひとりで英語を口から出して練習する」という部分が意外と大事なんですね。
誰かと話すためには、事前に話すための準備をしておかなければ、とっさのときに英語は口から出てきてくれません。コレを克服するためには、日頃から 「ひとりブツブツ練習」 をしておくことです。
英語を聴いたら、真似して口から出してみる
イントネーション、声の高低、間の取り方、スピードが同じになるまでセンテンスをひとつずつ練習しておくといいですよ。この訓練は毎日必要です。TVや映画も観たら、登場人物と同じように真似して英語を口ずさんでみるのです。この時は自分が俳優や女優になったつもりで少し大げさなくらいにやってみると効果抜群です。
この練習なくして実際の会話はありえないかもしれませんねえ。さあ、あなたは女優!台本を読むがごとく、毎日 「英語ブツブツ練習」 しましょうか。
2009年4月17日 (金)
読者からのメールにお答えしています。ご本人には了解をとってあります。
Q:
「ラジオ英会話」 か 「入門ビジネス英語」 かで悩んでいます
中高と受験英語に取り組みましたが、英語は不得意のままで大学時代に英検準2級まで取得しましたが、就職後は英語の勉強をおろそかにしていました。
昨年夏から英語を勉強しようと色々、試行錯誤しておりますがパッとしない状況で悩んでいたところ川本様の本を知りました。
「NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法」 では講座は1本に絞るとありますが、私は 「ラジオ英会話」 と 「入門ビジネス英語」 のどちらの講座で学習しようか迷っておりまして、今回ご連絡させて頂きました。
「ラジオ英会話」 は平日5日間放送されているが、「入門ビジネス英語」 の内容のほうが私自身が気になる。「入門ビジネス英語」 は平日2日間の放送で、放送時間が少なく感じるが内容は 「ラジオ英会話」 よりも興味がある。
という上記の2点でどちらの講座が良いか迷っております。
「入門ビジネス英語」 は放送時間が少ないから、同時に学ぶのも一つの手かなとも勝手に思っております。良いアドバイス等が頂ければ幸いです。
A:
本を読んでくださり、感謝申し上げます。
結論から申し上げますね。「入門ビジネス英語」 をメインの教材にして、「ラジオ英会話」 はサブにするといいでしょう。
あくまでも 「入門ビジネス英語」 を中心に勉強します。ビジネスの現場で使えそうな便利な表現がたくさん出てきています。エドさんとケイさんのやり取りもおもしろいですですね。余裕があったら、「ラジオ英会話」 は聞き流し程度に耳を傾けておくといいでしょう。
入門ビジネスで出てきた表現を口から何度も出して練習しておくと、とっさのときに役にたちますよ。
ここからは本に書いていないことです。
・テキストは1本に絞る
・英語学習はTVよりもラジオ
私は本の中でこううたっていますが、それはこれから英語を学習しようとしている人、あるいは、長年英語を勉強している割には、どうも英語が話せるようにならない、あるいは上達が感じられないという人向けのアドバイスです。
ある程度英語がしゃべれるようになった人は、もう好きなものを自由に組み合わせて、英語力をキープしていけばかまわないと思います。
初、中級者が英語の力を伸ばそうとしたら、ある程度時間をとって真剣に英語と向き合うことが必要なのです。本気でやろうとしたら、テキスト1本分が限界のはずです。
つまり、NHKのテキストはどの番組も非常によくできていますので、隅から隅まで目を通していると、1回分の放送で1,2時間は軽く勉強できるくらいの充実度なのです。
また、15分の放送分で、1,2時間くらい勉強量が必要なくらいのレベルのテキストを選ぶのもポイントです。聞いただけでおしまい、あるいは聞いているだけで簡単にわかってしまうようなら、その上のレベルのものを選ぶべきです。
もちろん、テキストは隅から隅まで目を通す必要はありません。大事なのは、ダイアログの部分です。あの部分をテキストを見ずにシャドーイングできるようになるまでを1日の目標にするといいでしょう。
2009年4月21日 (火)
4月18日、土曜日、「実践ビジネス英語」の講師、杉田敏先生を囲んでの「ビジネス英会話リスナーの集い」が開催されました。
会場は、日本外国特派員協会(The Foreign Correspondents' Club of Japan)。
番組アシスタントのクリス松下さん、スーザン岩本さんはもちろんのこと、今回は特別ゲストとしてグーグル株式会社名誉会長の村上憲郎氏や北海道帯広から、わざわざこの集いのために駆けつけてくださった浦島久学院長(小樽商科大学特認教授)などが注目の的でした。
おふたりとも英語学習者向けのベストセラー著者でもあります。
「村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける」
「1分間英語で自分のことを話してみる」
当日は司会を担当させていただいていたので写真撮影をする時間がなかったのですが、じきに 杉田敏先生のホームページ に掲載されることと思われます。
また AERA English さんも取材に入っていたので、AERA English 8月号(6月発売)に掲載される予定です。取材のときにいつも思うのですが、フォトグラファーってカッコいいですねえ。会場のあちらこちらを邪魔にならない程度に動き回り、カシャカシャやっている姿は妙に魅力的です。それにプロが取った写真ってやっぱり違うんですね。表情の取り方がうまい!その人の一番いい瞬間を逃がさない......、AERA English 8月号が楽しみです。
会場の中には AEON の社長さんや NHKからも番組プロデュサー、しかも腕利きナンバーワンの女性敏腕プロデューサー(実は私の憧れの女性です)やNHKエデュケーショナルの語学部長さんもいらしていました。
参加者の質問、番組制作の裏話などにしっかりお答えしていた語学部長さんはさすがだなあと思いました。何の打ち合わせも事前準備もなかったはずなのに、リスナーの質問に的確にわかりやすく話をまとめて話す姿にうっとり聞き入ってしまいました。
クリス松下さんからは、英語でのスピーチやプレゼンのための訓練には Toastmasters Club なども活用するといいですよ、とのアドバイス。
スーザン岩本さんは、リスナーからの「話すスピードが速い」との声を拾い、わざとスピーディーにスピーチを始め、会場の笑いを誘っていました。
歓談の時間になると杉田先生の前には、長ぁ~い行列。皆さん直接お話をさせていただいたり、サインをいただいたり、記念撮影をしたり。残念ながら時間切れになってしまってお話ができなかった方のためには、終了時間を過ぎても直接対話に応じてくださっていた杉田先生、本当にありがとうございました。
夢のような時間の中にいた私はまだ余韻が残っています。これで 1年間はまた頑張っていいけそうです。
北は北海道、南は熊本、宮城、広島など、本当に日本全国からリスナーが集まってきました。会場で直接お話させていただいた皆さま、ありがとうございました。またイベントなどでどこかでお目にかかりましょうね。
当日いらしていた方でブログなどをお書きの方はこちらにコメントを残してくださると嬉しいです。
2009年4月25日 (土)
読者からのメールです。同じように悩んでいらっしゃる方がきっといるのではないかと思い、この画面で回答させていただきます。
Q:
私は、この4月から、ラジオ英会話を始めた33歳の主婦です。なんと、佐奈恵先生と同じく 32歳の時、英語やろうかなあ、と思い立ち今年の 1月の英検で 2級をとりました。自分の今のレベルを知りたくて受けた英検でしたが、合格した今も自分がどのくらいのレベルにいるのかわからず不安でたまりません。
試験の長文は読めるし穴埋めもできるけど、スカパーの子供向けアニメを英語の音声にすると全く意味がわかりません。こちらのサイトで先生が書いていらっしゃるような英文を組み立てることもできないと思います。
試験の級ではなくもっと実践的な力を身に付けたくて、遠山先生のラジオ英会話を聞くことにしたのですが、今日からラジオドラマを聴くというテーマになりました。これまた、耳で聞いているだけでは全く何の話なのかわかりませんでした。
ダイアログのテーマを音読して空で言えるようになるまで繰り返し練習することはとても楽しくてこの 20日くらいでリズムができたと思っていたのに、今回のレッスンを聞いたら、また、「無理かも……」、と思ってしまいました。
先生は listen for it の聞き取りや english theater のところは毎月どんなふうに勉強されていましたか?スクリプトを見てしまってもいいのですか?また、英文を書くための練習はラジオ講座とは別に何かしてらっしゃいますか?質問ばかりですみません。今日はかなりへこみぎみです。どうか、よいアドバイスをお願い致します。
A:
英検 2級を持っていらっしゃるのですね。スゴイではないですか! 自信を持っていいですよ。私が英語の勉強を始めたときは、英検 4級の問題でもつまづくものがありました。自分の実力がわからなくて不安になる気持ち、よくわかります。
まず、スカパーの子供向けアニメの英語がわからないとのことですが -- 私もすべてはわかりません。ちょっとわかる部分があったらラッキーと思うことにしています。映画も字幕なしではストーリーさえも追えないものもあります。「ラジオ英会話」 の 「ラジオドラマ」 の部分は結構上級です。耳だけで聞いてわかる人は、かなり英語ができる人です。かなりってどのくらいかと言うと、ネイティヴと対等に渡り歩ける人でしょうね。
私は教室で生徒さんに対し、「ラジオ英会話」 を聴くことを毎日の日課にしてもらっていますが、Listen for it や English theater の部分は思い切ってカットしてしまっていい、と言ってあります。まずはダイアログの部分に集中する。とにかく口を使って声を出して練習し、リズム、イントネーションがラジオと同じように言えるまで練習する。これだけを毎日続けてください、と話しています。もちろん聴くのであればスクリプトを見てかまいませんよ。
1週間に1度、教室に来たときには、どのくらい練習してきたか披露していただきます。コレだけを続けて数年、生徒さんたちは着実に話せるようになってきています。
英文を書くための練習は、ラジオ講座の他に、友人に英文メールを書いています。間違っていようがどうしようが、とにかく書く、ということを続けています。たとえ数行メールでもかまわないではありませんか。
いつも思うのですが、大事なことは完璧に仕上げることではありません。「毎日」 続けることだと思うのです。聴き取りが完璧になるまでには、そうですねえ~、私は今から 30年くらいかかるかなあ~。
そうそう、誰かが講演で話していました。「英語学習者は、グシャっとつぶれてもスポンジのようにしなやかに戻る心を作りましょう。へこんだままになる粘土になってはいけません。」 と……。私もへこんだこと、何千回もありますし、今でも、「あぁ~、わっかんないよ!!」 とへこむこと多々あります。でも、また復活して学習を続ける力はつけたかもしれません。
結局のところ、英語ができる人とできない人の違いは
「続けるか、続けないか」
それだけだと思うのですが、いかがでしょうか? 読者の皆さま、あなたはいかがですか? 落ち込んだり、へこんだりしたとき、どうしていますか?
2009年4月30日 (木)
「ラジオ英会話」 の講師、遠山顕先生が今度は琵琶奏者に変身します。
5月5日 1:30 開場 2:00 開演
神楽坂 岩戸ホール 入場料 2,500円
詳細は こちら
ご予約は こちら iwashere@bp.iij4u.or.jp へお願いします。
琵琶で、初めて物語を弾き、語り、そして歌うことになりました、とは遠山先生のお言葉。師事する田原順子師匠と門下生の 「糸遊び」 という発表会で 「Mujina/むじな」 を奏します。和英、かなり違うものになり、お楽しみ頂けると思います、と先生がおっしゃっています。
先生、いつ練習する時間がおありになるのでしょうか? とっても不思議に思い、
「先生、1日が36時間おありになるのではありませんか?」
と恐る恐る尋ねてみたら、
「最近 1日が 19時間くらいしかないような気がしています。ひょっとして地球の自転が加速しているかも。もっと時間が欲しいですが、これは川本さんも同じではないでしょうか。」
というお答えが返ってきてしまいました。
ひょっとしたら、この画面のむこうにいるあなたもそうではありませんか? ホントに熱心な英語学習者は時間がもっと欲しいですよねえ~。