2010年6月 3日 (木)
Q
英語学習に迷いが出てきてしまいました
英語学習のやり直しをはじめて四ヶ月目になります。毎日ではないのですが、朝4時に起きて、ラジオ英会話を聞くのが習慣になっています。 ラジオを聞くのが、英語を勉強するのが楽しくなってきました。この数ヶ月 「ラジオ英会話」 一本に教材を選んで、録音してあるのを繰り返し聞いたり、テキストを音読してきました。
そろそろTOEICでも受けてみたいなとまずは単語を強化しようと、書店に向かったところ、英語教材がたくさん出版されていました。インターネットでもTOEICを高得点に取るためには......、というようなハウツーサイトがたくさん出ています。
TOEICや英会話上達にはやはりラジオ英会話にプラスアルファして、単語や他の文法書も勉強した方がいいのでしょうか。巷には英語に関するいろいろな情報が飛び交っていて、正直迷いがきています。
A
自分の目標を見極める
すごいですねえ。毎日朝4時に起きてラジオ英会話を勉強する、しかも習慣化して学習が楽しくなってきた。
大成功ですね。普通はここまでくるのが大変なのです。習慣化してしまったらあとはそれをキープさせればいいだけです。必ずあなたの英語力は伸びます。
さて、次へのステップですが、確かに街にはいろいろな学習教材や情報が氾濫しています。どれも良いように思えて確かめたくなります。そして、あぁ~、やっぱりあの時、あの教材を使わなかったから自分の英語は伸びないんだ。これをやってみればもっと英語力が伸びるぞと、新規のものに手を伸ばしたくなります。
しかし、ちょっと待ってくださいよ。あなたの目標って何ですか?
◆ 英語が話せるようになることですか?
◆ TOEIC で良い点数を取るためですか?
その両方!という答えも聞こえてきそうですね。そう、本当は両方が理想的です。でも目標によってそれに向けての最短学習方法が違ってきます。
将来的に英語が話せるようになって外国人とコミュニケーションを取りたいというのであれば、今やっていることで間違いはありません。ラジオを毎日聴き、真似して口から出し、時にディクテーションを取り入れるといいでしょう。ディクテーションはリスニング力を伸ばす最適で最短の方法です。
TOEICの点数を伸ばしたいのであれば、TOEICの問題集を徹底的にやることです。間違った部分の解説をよく読んで理解していきましょう。また間違っても気にしない、また解説を読んで繰り返すだけです。この作業を試験前 1~2ヶ月間徹底的にやると効果があがります。
会話力を伸ばすのもTOEICの点数を伸ばすのも、共通していえることは 「毎日」 やり続けることです。それから、教材をコレと決めたら、あまりフラフラせずにその一冊を徹底的にやりこなす、というのも大事です。
とは、言っても英語学習は辛いものではなく、楽しいものであるべきです。NHKの語学講座はとても優れたものだと思います。単語はラジオ英会話の中で十分強化できます。それに 「英単語=日本語の意味」 で覚えるのではなく、センテンスの中で単語力を増やしていくのが理想的ですし、最短で 「使える英語」 を身に付ける方法でもあります。
文法もラジオ英会話や基礎英語で強化できるんですよ。あまり手を広げないこと、それがポイントかもしれませんね。
こんなのでお答えになりましたでしょうか?
読者の皆さんはいかがですか?あなたのおすすめの学習法、教えてくださいね。
2010年6月12日 (土)
ある読者の方からメールが届きました。ご本人の許可をとって下記にご紹介させていただきます。皆さん、この方に励ましのひと言、いただけませんでしょうか?同じような思いをしている方、いませんか?お声を聞かせてください。
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サナエさん、こんにちは。いつも楽しくブログ拝見させていただいております。久しぶりにメールをさせていただきました。私ごとですが、4月からラジオ講座2年目を迎えました。そして、会社の人と実家の母親にもサナエさんの本をプレゼントしました。会社の人は、ラジオ講座を録音し、ipodに入れて、おうちでお風呂に入りながらレッスンをしているそうです。
さてさて、私、会社を辞めることを決めました。
私の勤める会社は数年前に外資系となり、英語が必須となってきたのです。突然上司がアメリカ人となり、それをきっかけに英語を勉強し始めました。
べっこり凹むことはあっても歯をくいしばってがんばってきました。しかし、英語ができないと、昇進も昇給もないと言われてしまいました。そして今の私のポジションには英語のできる人が来ることになり......、私は必然的に異動だそうです。理由は英語ができないから......。結局、経験より英語能力という壁を越えられませんでした。
すごく悔しいけど、これが私の今の現実です。今の会社の組織の現実です。
ただ、すごく悔しいから、これからも英語学習を続けていきます。せっかく、続けると自分で決めたから。仕事をやめるから、必要なくなるから、英語学習もやめるというのはイヤなのです。
こんなに英語に対してコンプレックスを持ち、英語ができないことに対して、イヤな思いをし、悔しい思いをし、凹んだり、大嫌いにもなり、涙したけれど、でも、サナエさんの本と出合って、英語を本気で勉強する!という気持ちを持たせていただき、こんなにも英語をがんばりたいと思ったのは、サナエさんのおかげです。そして、ブログを拝見し、DHCでナマのサナエさんに会い、こんな風にメールをさせていただいて、これからも続けていこうと思えるのは、サナエさんのおかげです。本当に感謝しております。
ゼッタイに、話せるようになってやるーーーー。
英語がなんだーーーーー!!!
ダーリンは外国人の作者の方のエッセイをご存知ですか?
「英語ができない私をせめないで!I want to speak English」
すごくおもしろいです。世にでている英語学習の全てを体験したんじゃないかと思うぐらい。最後の最後に行き着いたところは、NHKのラジオ講座だそうです。そしてそれは今も続いているそうです。
そして最後に書いてあったことは、英語習得のコツは「地道な努力」と書いてありました。
だから、私も「地道な努力」をしていきます!
これからも、サナエさんとNHKについていきます!!
読んでいただき、ありがとうございました。
2010年6月20日 (日)
さて、私の学習法のお話に戻りましょう。
今回はディクテーションのお話です。
公民館で英語の勉強を続け、仲間とNHK「ラジオ英会話」のテキストを使い学習を続けていた私。使っていたのは、この一冊だけです。テキストのありとあらゆるところに書き込みをし、1ヵ月が終わる頃には真っ黒でボロボロになるテキスト。
当時、「ラジオ英会話」の講師は大杉正明先生でした。番組が始まるとスキットに入る前に、1分間くらいのネイティヴのおしゃべりが入るのですが、これがチンプンカンプンでして、何を言っているのだかちっともわからないのです。
そこで、次のことを確かめてみたくなりました。私はいったいどのくらい英語がわかっているのだろうか?どのくらいの単語を知っているのだろうか?それを知るために、聞こえてきた音を書き出す作業を始めてみたのです。それがディクテーションということとは知らずに、ただ単純にシラシ広告の裏側に知っている単語をメモする程度のことから始めてみました。
この作業を始めてすぐに気が付いたこと、それは、今まで自分がいかにいい加減に英語を聞き流していたかということです。何となくふんふんとわかるつもりになっていた英語もいざ書き出してみると書けない書けない。
知らない単語はカタカナで記入しておき、あとで辞書をひっくり返すということを繰り返します。聞き取れないときは、単語ひとつでも音声を止め書き出す。また次のひとつの単語を書き出す、なんてことを繰り返していました。
わずか1分程度の会話を書き出すのに1時間かかっていました。それでも出来上がったノートはボロボロの穴ぼこだらけ。何を話しているのだかちっともわからない。それでもおかまいなしに、これは単語の書き取り練習よ、くらいの気持ちで続けていました。
続けていると、いやあ、不思議なことが起こるのですね。
(つづく)
2010年6月27日 (日)
2010年4月17日(土)、外国人特派員協会で行われた実践ビジネス英語リスナーの集いの模様が動画になって NHK語学番組 のサイトにアップされています。皆さん、もうご覧になりました?
当日が思い出されます。インタビューを受けている人、カッコ良いですねえ~。皆さん笑顔が素敵です。会場にいらした方、あなたの姿も写っているかもしれませんよ。私の姿も冒頭で杉田先生の後ろのほうに写りこんでしまっています。司会をやらせていただいていたもので......。
実践ビジネス英語は世界の人と話をするときの話題作りや新しい単語、表現を覚えるのに適した番組です。いつも世の中で起こっている最新の情報に即した話題に触れているので非常に質の高い内容を学ぶことができます。実践ビジネス英語を使って勉強しただけで英検1級に合格してしまったという人もいるくらいです。
私は、クリス松下さんの解説やスーザン岩本さんと杉田先生のおしゃべりの部分を毎回ディクテーションしています。あなたはどんな学習法をお持ちでしょうか?日常会話はもう卒業、その上を目指している人向けの番組ですが、意外と普段の会話でも使えそうな表現も拾うことができるんですよ。難しい部分は思い切って聞き流してしまい、優しい表現、使ってみたい表現にだけフォーカスして勉強するのも、ひとつの学習方法です。
つまり、無理をせず、長続きをさせる。英語学習は楽しく、というのがいつのときも基本です。
2010年6月29日 (火)
長年大人にレッスンをしてきて感じていることです。プライペートレッスンよりもグループレッスンを受けている人のほうが伸びます。さらに、レベル分けをせず、同じクラスに違ったレベルの人が混じっていたほうが伸びるということを発見しました。
英語力が下だと思っている人は少しでも自分より上の人の英語に憧れます。もう少し頑張ればあの人のように話せるようになるかも、と、「手が届きそうな近くの目標」ができるのです。英語力が上の人は下の人が必死になって勉強し、ヒタヒタと追いついてきそうな足音が聞こえてくると、追いつかれては困る、とさらに勉強するようになります。こうして相乗効果が生まれ、全員が上達します。
ただし、レベルが違う人を混在させた場合、気をつけなければいけないことがひとつだけあります。それは特に講師側が注意しなければいけないことなのですが、クラスの雰囲気作りが大事になってきます。
◆ 英語初級者の人が上の英語中級者・上級者に憧れるのはOK。でも上の人を羨んではいけません。
◆ レベルが上の人は下の人の英語を決してバカにしてはいけません。
レベルが上の人は、英語初級者の人の英語を聞き、私にもあんな時代があった、あの頃に比べたら少しは私の英語もまともになったかも......と思ってくれればいいのです。そしてさらに、下の人に対して、「わかる、わかる、その気持ち。一生懸命やっているのに言葉が出ないのよねえ。私も昔はそうだった。」という感情を抱き、手助けをするようになります。手助けをすることによってさらに英語力が伸びます。
こうしてクラスの中に相乗効果が生まれると、もうそのクラスは放っておいても伸びていきます。レッスンをしていても、どういうわけか、講師が説明するよりも、ちょっと上の人が、「こうだから、こうなるのよ」と説明してくれるとすんなり納得するようです。
私が実際に教えているクラスに、英語を主婦になってから再び始め、今は講師になってしまった人が何人かいます。講師になってもさらに学びに来てくれています。
さて、英語力が下だと思っている人は、英語力が上の人に対して足を引っ張って失礼になってしまうのではないかと躊躇してしまうことが多々あります。しかし、英語は少しレベルが高いかなと思うところにくらいついていった人が結局は伸びます。上の人の胸を借りて、おじゃまかもしれないけれど、おじゃまにならないように一生懸命勉強しますから、このクラスに置いてください、と思える人は伸びます。
その反面、お邪魔虫になってしまうからダメ、と考えるその気持ちの裏をよく見つめてみてください。自分が恥をかくのが嫌、足を引っ張ってしまうから迷惑になるかも、と思うその心のどこかに、あんな上手な人たちと一緒にやるのは嫌、自分が惨めになるから、という考えはありませんか?
英語は惨めさにぶち当たり打ちのめされて、恥をたくさんかき、失敗を繰り返し、それでも踏ん張った人だけが上にのぼっていけるのです。遅かれ早かれ、結局はその過程を乗り越えた人だけが英語が話せるようになっていくのかもしれません。
そして、そんな思いを乗り越えて英語が話せるようになった人は、あなたの苦しみをよく理解してくれているんですよ。だから思い切って胸を借りていいのです。
2010年6月30日 (水)
「NHKラジオ英会話」でいつも楽しい番組を届けてくださっている 遠山顕先生の琵琶の弾きか語り が動画になってアップされています。先生から学習者へのコメントも入っていますよ。
これは、2010年5月14日(金)に行われた模様を収録したものです。きれいに撮れていますねえ。
会場には、Jeff anning さんもいらしていらっしゃいました。その数週間前にも別の会場(杉田敏先生のリスナーの集い)で Jeff さんにご挨拶させていただいていたので、顔を覚えていてくださり、You never email me! (e-mail ちっともくれないじゃない!)なんて言われました。そっ、そんな Jeff さん、いくら名刺交換をさせていただいたからといって、あなたのような有名人に気軽に e-mail は送れませんよ。
遠山顕先生もよく人のお名前を覚えていてくださる方で、「いやあ、川本さん、いつもありがとうございます。」なんてお声をかけてくださいましたが、こちらが恐縮してしまいます。そしていつも思うことがあります。英語の達人ってコミュニケーションの達人でもあるのですね。
遠山顕先生は特にこれだけ有名なのにもかかわらず飾ったところがなく、いつも丁寧に対応してくださいます。かなり前になりますが、遠山顕先生のお宅に取材に伺ったことがあります。先生自らがコーヒーを入れてくださいました。頭が下がりますねえ。
遠山先生の番組は実に軽快でテンポ良く進みますので、とても楽しいです。日常会話を中心とした英語初心者から上級者まで対応できる番組になっていますヨ。