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川本佐奈恵
32歳で英語をスタート。 英会話スクール English Timeを経営。
毎週日曜日には英会話カフェ Sunday English Time を運営。

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川本佐奈恵 You can do it!

2013年4月 2日 (火)

覚えるまで音読する?

Q
今週からラジオ英会話の講座をスタートしました。 ダイアログの部分を100%は無理でも70~80%ぐらいはまねられるようになるまで(大体、20回ぐらい)オーバーラッピングしています。


先ほど、今週の復習をしたのですが、穴埋めは50%ほどしか正解できませんでした。イディオムや表現をほとんど忘れていました。覚えなくてもいいとのことですが、さすがにこれは良くないですか?すごい方は80回ぐらい音読するとのことでしたが、覚えるのではなく、染み込んでいるぐらいにもっと音読した方がよいのでしょうか? スクールのみなさんは週末の穴埋めはやはり完璧に正解するぐらいなのでしょうか?


A
ズバリ、回答からいっちゃいますね!


覚えなくても、忘れちゃってもかまいません。


覚えることが大事なのではないのです。続けることのほうが大事なのです。穴埋めが50%も正解できるなんてスゴイじゃないですか!音をまねる作業も何度も繰り返しなさっているのですね。それだけやっていれば結果はおのずと後からついてきます。今は忘れちゃっても自分を許してあげてください。


大事な表現や言い回しは繰り返し出てくるようになっています。ですので、出会った回数に応じて下記のように意識が変化していきます。


2回目: 「おや!?似たような表現、以前やったかもしれないなあ~」
3回目: 「あっ!この間も出てきた。でも何だったかな?」
4回目: 「あぁ~、知ってる、知ってる。この間出てきたもんね。」
5回目: 「おっ!久しぶり!これなら何度も出てきているから知っているもんね...... と、思ったら久しぶりなので忘れてしまった。あれ~?」
6回目: 「やっとわかるようになってきたぞ」
7回目: 「ああ、この表現なら知っているよ。応用練習でもしてみっかな!」


どんなに覚えたと思っても、日頃使っていないと忘れてしまうものです。忘却曲線との闘いです。ここを克服するためには、何度も繰り返し練習すること。チャンスがあったら使ってみること。使うチャンスがなければ、自分で作る。自分に英語で語りかけてもいいのです。


あまり根を詰めずに適当なところで、自分に合格点を出し、先に進むことも英語学習では大事です。難しかったら思い切って捨てちゃうくらいの気持ちも必要です。そうこうしているうちに徐々にわかるようになっていくのが英語です。


英語の習得は思った以上に時間がかかるものです。腹をくくって学習の過程を楽しみましょうよ。どんなに険しい道にも、喜びはあるものです。荒れ果てた荒野にだって時々小さな花は咲くものです。別の言い方をすれば、大変な中にも喜びや楽しみを見つけられる人が英語を習得できるのかもしれません。これは英語学習に限らず、人生、何にでも応用できると思います。


大人になってから英語を始めた人はテストの点数や合否に関係なく、自分のペースで勉強できるという強みもありますね。人が数回で覚えてしまっても気にせず、あの人が3回で覚えたのなら、私は10回で覚えるようにしてみよう、というゆったりとした気持ちでいきませんか?



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2013年4月 4日 (木)

アメリカ英語とイギリス英語

Q
こんにちは。NHK活用法の著書がとても参考になり、以降、音まねの本、アプリ、ブログとフル活用させていただいてます。


どうしてもアドバイスいただきたいことがありまして、突然のメールで失礼いたします。


近く主人がイギリスに転勤になりました。
今後英語を上達させないと困るのですが、今までは英語を使う環境にはありませんでしたが、アメリカ英語の響きが好きで、英語に触れようとしてきました。


時々TVなどでイギリス英語を聴く機会があると、全くの素人感覚ですが、発音やイントネーションなど米語と比べ、かなり違う印象を受けます。もちろんある程度の上級者にとっては、そのギャップを埋めるのがそんなに大変ではないのかもしれませんが、少なくとも私にとっては、それなりの違いに思えていました。色々調べてみると、単語や言い回しもけっこう違いがあるようですね。


私自身、先に書いたように米語の方が好きで、せっかく勉強するなら好きなものに焦点を当てた方がモチベーションが維持できますし、また教材も気に入っているNHKラジオ英会話や音まねで英語学習を続けたいのですが、おそらくアメリカ英語を中心とされているかと思うのです(詳しい知識ではないので、違っていたらすみません)。


イギリス英語に特化した教材と並行するという考えもありますが、複数のテキスト手を出すのは、先生もおっしゃられているように消化不良になりそうでよくないと思ってます。まだ向こうでの生活がスタートしていないので、細かいことはわかりませんが、今後の英語学習仕方につき、アドバイスをいただけないでしょうか。


A
『NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法』を読んでくださったのですね。ありがとうございます。『音まねレッスン』も、本もアプリも、それこそフル活用してくださっていて本当に嬉しいです。


さて、アメリカ英語とイギリス英語、確かに違いますね。おっしゃる通り、発音やイントネーション、まったく違います。違った単語を使う場合もあります。イギリス人の先生が、セーターを指してジャンパーと言ったときは衝撃的でしたね。じゃ、これは?といわゆるジャンパーを見せると、「それは、ジャケット!」と言っていました。エレベーターのことをリフトと言ったり、ガソリンスタンドをペトロと言ったりするのは聞きかじりで知ってはいたものの、セーターのことをジャンパーと言うなんて、その時は知りませんでしたから。『音まね』は確かにアメリカ英語を基本としています。


結論を言いますと、
アメリカ英語でもイギリス英語でもどっちでも好きなほうで学習を続けるべきです。


まずは、英語という言語を使って自分のことを表現できるようになること、それが先かなと思います。


そうはいっても、これからイギリスに行かれることがわかっているのであれば、イギリス英語の音には慣れておくといいかなと思います。つまり、今まで同様に『音まね』やNHKの英語講座で勉強しながら、BBC などのニュースをかけっぱなしにして音の流れに親しんでおくといいかなと思うのです。


ここで、ちょっとしたコツがあります。音声をかけっぱなしにしても、ただ聞き流しているだけでは学習にはなりません。あくまでもメインの学習は『音まね』『NHK』教材にし、TVやラジオのBBCの音声は息抜き、娯楽、これがわかるようになったらいいなあ~という憧れを抱く材料とします。そして、時々、聴き取れた音をまねして口から出してみるのです。ここの「音まね」をするっていうところが、結構重要です。


アメリカ英語とイギリス英語の聞き分けができるなんて、それだけで英語がかなり上達している証拠です。まったく英語ど素人のときは、アメリカ英語もイギリス英語もフィリピン人やインド人、中近東の人が話す英語もおなじ英語に聞こえていましたから。


アメリカ英語を数年、徹底的に勉強したあと、イギリス人と会話したときは、「これ、英語!?......違う!私、英語、ぜんぜんわかんないじゃん!」と衝撃を受けたことがありました。その衝撃を避けるためにも、メインで勉強しつつ、なにげなくイギリス英語で耳慣らしをするのがいいのではないかなと思います。


いつだったかオーストラリアに行ったときは、またしても新鮮な衝撃がありました。オーストラリア人たちの話している英語がまったく聞き取れないのです。でも、どうやら、私の話す英語はわかってくれるらしい。


その頃には心臓に毛も生えて、「え?私の英語、通じない!どうしよう!?」と、おどおどとしている日本人でななくなっていたので、「あなたたちの話している英語、ぜんぜーん、わかんない!」と言い返せるようになっていました。「さなえは、完璧なアメリカ英語を話しているからね。僕らの英語がわからなくても当然だよ。明日からオーストラリア英語の特訓だよ!あっはっは!!」という会話を繰り広げたことを覚えています。


多少なまりがあってもいいじゃないですか?英語は世界の共通語です。大事なことは、人とコミュニケーションを取るということですよね。ホラ、想像してみてくださいよ。外国の人が日本語を話していたとします。発音もイントネーションもまったく日本人と同じ完璧な日本語を話していたら、ちょっとギョっとしませんか?それよりも、多少イントネーションが違っていても、たどたどしくても、それでも一生懸命話している姿をみたら、何となく親しみがわきませんか?そんな人には、つい手を貸してあげたくなってしまう、そんなことってありませんか?まず目指すところはそこでいいと思いませんか?


そして、語学を学びながら、人間性も磨かなくてはという思いに、いつもかられている私です。言葉は大事ですが、人を思いやる気持ちは言葉がなくても通じるときってありますものね。


イギリス、いいなあ~。私、行ったことないのです。行かれたら、ぜひぜひイギリス便りをくださいね。違った文化を楽しんでいらしてください。



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