プロフィール

川本佐奈恵
32歳で英語をスタート。 英会話スクール English Timeを経営。
毎週日曜日には英会話カフェ Sunday English Time を運営。

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川本佐奈恵 You can do it!

2010年9月 4日 (土)

主婦からの転身 No. 19

お久しぶりの「主婦からの転身シリーズ」です。前回はディクテーションを続けていたら耳が開いたというお話でした。


ディクテーションは効果的な学習方法なのですが、苦しくて辛い作業なので簡単にサボってしまいがちです。何でも続けてこそ意味があるので、ディクテーションをいかにサボらなくするか、それがその当時の目標でした。英語の学習を怠けてしまうことなんていとも簡単なのです。そして、お決まりの言い訳、「だって忙しかったんだもの」 それをつぶやくのです。


何とかして勉強をサボらなくするために、あることを考えました。


インターネットには当時、杉田敏先生の『やさしいビジネス英語』を聴いている仲間が集まっているメーリングリストというのがありました。そこに投稿を始めたのです。当時は、『やさしいビジネス英語』の語句の解説部分を書き取ることを始めていたのです。


前日の夜に録音しておいた番組を翌朝の4時に起きてディクテーションをするようになりました。どうして朝の4時ですかって?自分だけの時間がどうしても欲しかったのです。当時は子供たちがまだ小さかったので、自分の時間があるようでなかったのです。もっと勉強をしたいと思った私、どこで時間が作れるかな、と考えた結果、早朝の時間帯を見つけたのでした。


この時間、マジックアワーなんですよ。静かで誰にも邪魔されないとても素敵な時間なのです。ピンポーンと誰かが来ることもなく、電話も鳴らない。お母ぁさ~んと呼ぶ声もしない。世の中には、こんな静かな時間があったのかと感動さえしましたね。最初はひとりでコーヒーを飲んで早めの朝食をとることをしていました。贅沢なひとときです。


やがてこの時間帯を勉強にあてるようにしました。夜眠い目をこすりながらやっても能率があがらないのです。ならば、思い切って寝てしまい、朝早起きをしてやってみようかなと思ったのがきっかけでした。以来、この静かな時間帯ががとても好きになりました。


毎朝、毎朝、同じような時間帯に前夜の番組のディクテーションを投稿するようになった私。すると、どうでしょう。それに返答するメールが届くようになりました。穴ボコだらけの私のディクテーションに対し、「ここはこう言っていたのではないの?」「ここにはこの単語が入ります。」など、同じ番組に耳を傾けている人たちからのヘルプが入るようになりました。


もう、こうなるとサボることができません。朝の5時半までに仕上げて投稿しておくと、どうでしょう、午前7時にはすでに何通かのメールが返ってくるのです。皆さん、出勤前に私の草稿に目を通し訂正を入れてくれるのです。有難いですねえ。このときできたディクテーション仲間は私にとって宝です。あれから10数年、いまだにやりとりをさせてもらっています。


こうやって自らをサボれない状況に追いやっていったのです。


(つづく)



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2010年9月10日 (金)

主婦からの転身 No. 20

前回の転身シリーズでは、自分のディクテーションノートをメーリングリストに投稿して学習をサボれない状況に追いやったという話をしました。


その他にも自分が逃げられない、勉強をせざるを得ない状況へ追いやる工夫はしてきました。


まず、講師たちが集まっている組織に入りました。どうせ入るのなら、日本語で英語指導法を学ぶよりも、思い切って英語で学んでみようと、ネイティヴスピーカーたちが多く所属するところに入りました。


全国に支部があります。支部のミーティングに出ていくと、3時間びっちり英語漬けになります。当然、私はみんなが何を話しているのだかわかりません。ただ、黙ってそこに座っているだけの時間が過ぎます。


月に一度のミーティングはついつい足が遠のきそうになってしまいます。だって、私、ネイティヴたちが話していることがわからないんですもの。


そこで考えました。ここで、ミーティングへ足を運ぶのをやめてしまったら、私の英語はここでストップするだろう。これ以上は進歩しない。どうするか?


ちょうどその頃、支部の役員決めをする時期でした。英語がわからず引っ込み思案になっている私の気持ちとは裏腹に、私の腕が上がってしまいました。そうです。役員に立候補してしまったのです。スタッフになったからには絶対にミーティングをサボることができません。


こうして、私は自らを逃げられない状態に追い込んでいきました。


この組織では多くのことを学びました。英語だけでなく、英語圏でのものの考え方や会議の進め方、セミナーの行い方など。通常、日本ではセミナーなどに行くと、最後まで黙って話を聞いているじゃないですか。質疑応答は大抵最後ですよね。彼らのやり方は違うのです。スピーカーが話していても、自分が少しでも疑問に思うことがあればどんどん聞いていきます。スピーカーでない人同士で意見交換が始まることもまれではなく、プレゼンを行っているスピーカーは、そんなやり取りをこなしながら時間内にプレゼンを終える、という高度なテクニックを使います。


この組織に入ってもう10年以上、最近、やっとほんの少しだけ声が出せるようになってきた私です。10年でやっとここまでですよ。この組織が年に一度開催する大きなカンファレンスに出席したときは、英語の渦に圧倒されて、「私、英語ぜんぜんわからないじゃない!」 とホテルに帰って大泣きしたという話は私の著書を読んでくださった人ならよくご存知ですよね。


でもこの組織のある支部が来月、私を何とスピーカーとして招いてくれています。またご案内しますので、もしお時間のある方いらしてみてくださいね。茨城のつくばで行います。(10月10日)


その他にも自分を追いやる工夫はそのつどそのつどしてきました。また追々お伝えします。


(つづく)



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2010年9月11日 (土)

NHK英語講座の序列は?

読者からの質問コーナーです。

Q

NHK講座の序列は?


これからNHKのラジオ講座で英語の勉強を始めようかと考えている30代の女性です。


著書の中に自分のレベルより2段階上の講座を選ぶのがよい、とのことですが、番組の序例はどうなっているのでしょうか?


イメージとしては、基礎英語の1、2、3のその次の段階にラジオ英会話があり、その上に「入門ビジネス英語」が位置し、さらにその上が「実践ビジネス英語」になるのでしょうか。では、リトルチャロや、ニュースで英会話、さらにテレビの方のトラッド・ジャパンなどは、どのランクに位置づけられるのでしょうか?? そのあたりの説明が本の中には見つけられませんでしたので、質問させていただきました。


「しゃべれるようになりたいなら、断然〝ラジオ英会話〟がおすすめ」と書いておられますが、「レベルは2つ上を選べ」というアドバイスから言えば、「しゃべれるようになりたければ、誰もがみんな〝ラジオ英会話〟から始めるのがベストだ」とは言えないはずです。


録音機器は何を使う?


それから、川本さんは本の中で、番組を録音して何度も聞くことを推奨されていたのですが、それはカセットテープで録音されたのでしょうか?その音源を持ち歩いて、通勤・通学電車で聞きたいという人も多いと思うのですが(私も、自宅にいる時間が短いので、できれば持ち歩きたいです)、


最近はもう、カセットテープではなく、iPodなどの携帯型音楽プレーヤーが主流ですよね? AMラジオの音声を、そうしたプレーヤーで聴くには、どうすればいいのかという案内が、本の中には書かれていなかったのですが、川本さんは実際はどうされていたのですか?


A
本を読んでくださって、どうもありがとうございます。詳しく読んでくださったようでとても嬉しいです。こういう人は必ず英語力が伸びますよ。いえ、すでにかなりの英語力をお持ちと拝見しました。だからこういった質問が出てくるのですね。


私が本を書かせていただいたのは5年前ですので、現在とは番組構成や使える機器が少し違っているかもしれませんね。情報にズレが生じていて申し訳ありません。


まず、序列ということですが、私はTVに関しては正直なところ研究不足であまりものが言える立場ではありません。TVは継続的に学習する道具というよりも、英語の世界を楽しんだり、モチベーションを上げたりするときに使うものだと思っています。TVを観たあとって、やる気がモリモリと上がってきませんか?あんな風にしゃべれるようになったらいいな、とか、こういうふうに練習すればいんだ、とヒントを与えてくれるのがTVだと思います。


下記は私の独断と偏見によって並べてみたものです。あくまでも私の主観ですから実際には違ってくるかと思います。そのへんは差し引きしてお考えくださいね。下に行くにしたがって難しくなると考えます。


1) 基礎英語1 
2) 基礎英語2
3) 基礎英語3
4) 英語5分間トレーニング
5) ラジオ英会話 / リトル・チャロ
6) 入門ビジネス英語 / ものしり英語塾
7) ニュースで英会話
8) 実践ビジネス英語 / トラッド・ジャパン


参考サイト: NHK語学番組


英語は学ぶ目的によって使う教材も違ってきます。ですので、人によって選ぶテキストは当然違ってきます。


一般的に英語を始めたいのであれば、自分の実力よりも2段階上。これは英語全般の実力を上げたいときです。日本人は自分の実力を過小評価する傾向にあります。実は自分で思っているよりも実力があるはずなのに、私はダメだと考えがちです。ですから、無条件に一段階上を。これでやっと自分の英語の実力と同じくらいのレベルのテキストを手に取る人が多いはずです。さらに、現実的に考えて自分の現在の実力よりも少し上のものをやると伸びますから、もういひとつ上を選ぶ。これで2段階上になりましたね。


では、会話はどうなのでしょう?


英検1級を持っていても英語を話すとなると、どうもしどろもどろになってしまうという人がいます。口から出てくる英語はカタカナ英語で、どうも自然な英語とはちょっと違う......。「英語全般の知識」 と 「英会話」 は全く別物だからです。TOEIC 700点くらいの人で、とても流暢に話せる人と、全くダメな人がいます。


ですから、日常的な英語を話す訓練をしたいのであれば、実力が上だろうが下だろうがいきなり「ラジオ英会話」 から入って問題ないということです。英会話のダイアログの中には、初心者でも学べるような簡単で日常使えるフレーズから上級者でも 「ん?この言い回しは知らなかった」 というようなイディオム的な表現が混在しています。


すでにある程度流暢に英語を話している人でもキープアップのために 「ラジオ英会話」 を聞き続けている人もいます。「聞く」 と 「練習する」 では違いますので、これから英語を話せるようになりたいと願っている人は、やはりテキストを1本に絞り、徹底的に 「練習する」 ことをおすすめします。しっかり練習するとなると、テキスト1本以上は無理になってくるはずなのですが、いかがでしょうか?


ここではあくまでも、大人になってから英語をやり直し始めたい人を対象に語っています。もし、小学生でこれからABCを習うというような人は当然、基礎英語1からやると楽しいでしょう。


普通の高校を普通に卒業した人なら、自分では気づいていないだけで、ある程度の文法知識は持っているはずなのです。忘れてしまっているだけです。あるいは、テストの時だけ集中して覚え、テストが終わったら脳の片隅へと情報を追いやってしまっているだけなのです。スムーズに会話が言えるようになったところで文法の勉強に戻るとより効率的だと思っています。


これでいくらか補足説明になりましたでしょうか?きっと話せるようになりますヨ。英語は練習さえすれば誰でも話せるようになるのです。


録音機器については、次のブログでご説明いたします。ありがとうございました。



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2010年9月12日 (日)

録音機器は何を使う?

読者からの質問コーナー。前回の記事 からのつづきです。

Q

録音機器は何を使う?


川本さんは本の中で、番組を録音して何度も聞くことを推奨されていたのですが、それはカセットテープで録音されたのでしょうか? その音源を持ち歩いて、通勤・通学電車で聞きたいという人も多いと思うのですが(私も、自宅にいる時間が短いので、できれば持ち歩きたいです)、最近はもう、カセットテープではなく、iPodなどの携帯型音楽プレーヤーが主流ですよね? AMラジオの音声を、そうしたプレーヤーで聴くには、どうすればいいのかという案内が、本の中には書かれていなかったのですが、川本さんは実際はどうされていたのですか?


A
録音機器ですが、私は次のような機器を使ってきました。


私が英語を始めた頃はまだカセットテープが主流でした。ラジオ番組をカセットテープに録音して、ウォークマンのような持ち運びのできるもので練習。テープは聞きすぎて伸びきり、ウォークマンはカシャカシャと操作するので何台も壊しました。


次に使ったのが、MDウォークマン。頭出しが簡単にできるようになったので、学習がとても楽になりました。テープが伸びきるということもなくなりました。しかし、こちらも行ったり来たりを何度も繰る返すので何台も壊しています。


MP3プレーヤーが主流になってきましたが、iPod などは英語学習機器にはあまり向いていないような気がします。ラジオを直接録音できない、ひとつのファイルの中で一部分を行ったり来たりしたり、好きな箇所から聞き始めることのできるインデックス機能がついていない、などがその理由です。私が知らないだけでひょっとしたら良い方法があるのかもしれませんが。


今、使っているのは ラジオ付き IC レコーダー です。家電量販店で買うよりもアマゾンで購入したほうが安いのを発見し、生徒さんにはすすめています。タイマーをセットしておけば勝手に録音しておいてくれます。


新型の機種が出ているようですが、そちらは使っていないので、使い勝手についてはわかりませんが現状のもので満足しています。


A-Bリピート機能
同じ箇所を何度でも好きなだけ繰り返し聞くことができる。


インデックス機能
ひとつのファイルの中に30数箇所のインデックス(頭だし)を入れることができる。


上記のふたつが英語学習者を助ける大きな機能です。似たような製品でトークマスターというものがありました。私も実際に使っていたのですが (今でも予備として使っています)、インデックスがひとつのファイルの中に4箇所しか入れられなかったのです。これは私にとっては非常にストレスが溜まりました。英語学習者にとっては、同じ箇所を何度も繰り返し聞く、という作業が必ず必要になってきます。


例えば、番組が始まってから、1分目のとろこと、5分目のところ、5分30秒目のところ、7分目、10分目、10分20秒目、10分50秒目、12分目のところなど、信号を入れておけばボタン操作ひとつで飛ぶことができるのです。この機能はとても便利です。


早送りをしてA-Bリピート機能を使うという手もありますが、やはりボタン操作ひとつで思いの場所に一発で飛べるというのは非常に快適です。私はディクテーションを学習の中に取り入れているので、余計そう考えるのかもしれません。


自分の言えない箇所、言いにくい場所、聞き取れない場所にあらかじめ信号を入れておき、その部分を何度も繰り返し聞き、練習するという作業はとても大切で、はずせない練習方法です。


以上が私が現在使っている録音機器でした。他にも何か便利なものがあったら皆さん教えてください。よろしくお願いします。



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2010年9月13日 (月)

英会話力、これでホントに伸びるの?

読者からの質問コーナーです。最近、相談メールが増えてきました。ありがとうございます。皆さんのご意見もおきかせくださいね。

Q

英語学習に関して疑問が出てきたので、相談に乗ってください。


● 現在の教材
入門ビジネス英語
実践ビジネス英語


● 一日の学習時間
机に向かって一時間を目標にしていますが、達成できていません。
移動時間での勉強は仕事の疲れからできていません。


● 学習方法と現状
入門ビジネス英語
オーバーラッピング、シャドーイングの後本文の解説を聞き、最後に本文を暗記して終わるようにしていますが、やっとのことでつっかえながら全文言えるようになるのは70分ぐらいかかります。(シャドーイングだけ行ってすらすら言えるようになればよいのですが、時間がかかりすぎるので暗記しています。)


実践ビジネス英語
オーバーラッピングの後、本文の解説を聞き、最後にシャドーイングして終了。
60分では終わらないことの方が多いのですが、力尽きてだいたい60分で切り上げて終了します。土曜日のスーザンさんと杉田先生の会話は何をいっているのかよくわらかないことが多いです。


● 相談内容
上記の通り、オーバーラッピングとシャドーイングで時間のほとんどを使っています。学習方法としてこれでよいのか疑問を感じています。
(この方法でここ一年は続けていますが、このまま同じことを繰り返していて上達するのかなと思いまして、、、)


単語、重要なフレーズ等を覚えていません。ディクテーションも行いたいのですが、学習時間を増やすことは、今の仕事量を考えると難しいです。


学習方法が間違っていれば修正したいと思っています。この先、どういう方法で学習を進めていけばよいのか、アドバイスを頂ければと思います。よろしくお願いします。


● その他
いつまでにどれだけ話せるようになるという、具体的な目標を挙げて英語に取り組んだ方が上達するということは理解していますが、今は英語を使う環境になく、目標がないので、漫然と続けています (やめたいとは思っていません)。


A

す、す、すごい練習量ですね。入門ビジネス英語に70分、実践ビジネス英語に60分。毎日1時間以上勉強しているというわけですね。しかも集中してやっている様子が伝わってきます。


まず、結論から。


今やっていることに間違いはありません。このまま続けましょう。

ただし、ひとつだけ加えると良いのではないかなと思うことがあります。


自己練習だけでなく、誰かと一緒に練習する。あるいは、実践の場を作る。


ということです。これだけ練習したら十分です。あとは使って覚えていきましょう。さあ、どこで英語を話したらいいのでしょうね?


・ 英会話スクール
・ 公民館の英語サークル
・ 英会話カフェ


などはいかがでしょうか?英語を使うのならネイティヴスピーカーとでないとと考える人が多いかもしれませんが、実はそうでもないんですよ。ノンネイティヴスピーカーとでもいいですし、日本人同士でもかまわないのです。英語を話す環境に慣れるということが次のステップとなります。


ダイアログを役柄になりきって、誰かと交互に練習する。このとき、なるべくテキストに目を落とさず練習する。これだけでも効果があります。俳優が台本練習をしているようなものです。実はこれが実際に会話するときに役立ちます。お互いにテキストなしで上手に言えたときは、英語が通じたときと同じ喜びを感じることができますヨ。


もう一点、気をつけたほうがいいのではないか、ということを挙げるとしたら......、
練習方法についてですが、私は個人的に 「暗記」 という言葉があまり好きではありません。「暗記」 しようとすると、どうしてもつっかえつっかえになったり、文章構文や言葉の並びを考えてしまったりして流暢さからは遠ざかってしまうような気がするのです。


つっかえながら空で言うのよりも、文字を見てスラスラ言えるようにするのが先決だと思います。スラスラ言えるようになったところで、今度は徐々にテキストから目を離して言うように練習するといいのではないかなと思います。


テキストを見ないでシャドーイングできたら、暗記していてもしていなくても、おしまい!にしてかまわないと思います。シャドーイングをしているときに、自分が何を話しているのだか理解しながら話せていればOKです。ここまでを1日の区切りとし、翌日、新しいダイアログを練習。


あとは、この自己練習を繰り返し、実践の場で使ってみる。また自宅に戻って自己練習 → 実践 → 自己練習。これで英会話力は伸びるはずです。


いかがでしょうか?覚えなくてはいけない、というプレッシャーを解いてあげたらいいのではないかなと思います。暗記しなくてもかまわないのです。そのうち口が勝手に覚えてくれます。大事な表現やよく使う言い回しは必ず繰り返し出てくるようになっていますので、「口ずさみブツブツ練習」 だけに徹したほうがストレスも溜まらず長く続けられるのではないかと思います。


余裕が出たら、これにディクテーションを加えれば、さらに英語力、リスニング力が付くことは言うまでもありませんが、まずは十分過ぎるほどの学習量だと思います。完璧に覚えなくてもいいんだと思ったら、その分のエネルギーをひょっとしたらディクテーションにまわせるかもしれませんね。


ご質問ありがとうございました。きっと多くの方が同じような悩みを抱えていると思います。お便りくださって嬉しいです。



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2010年9月15日 (水)

NHK英語講座、復習のしかた

Q

毎日変わる内容、どうやってついていくの?

私は長い間、「1つの教材(本とCD)をどこに何が書いてあるか覚えてしまうくらい、完璧にやりこむ」ということにすごくこだわっていて、そのためにいろんな教材に手を伸ばし、気に入らなければまた別のものを探し......を繰り返してきました。完璧にやりこむのなら、飽きないように、納得のいく教材でやりたい、という思いがあったからです。


そのため、日ごとにレッスンが進んでいくNHK講座は、自分には合わないとずっと思っていました。反復練習する必要がどうしてもあるのに、復習する暇がないからです。


でも、取り組んでみると、ラジオ講座は、自分を引っ張っていってくれる、いいペースメーカーになるということに気づきました。今の自分には、「疲れた!もう寝たいけど、今日は放送があるし!」 ともうひと踏ん張りさせてくれる存在がどうしても必要だったからです。


実践ビジネス英語の放送のない土日、月、火にシャドーイングをしたり、言えな いところを紙に書いたり、手のひらに書いたり、本当に必死で取り組みますが、自分にとっては難しい内容なため、まだまだ消化できないところで次の週のレッスンが始まってしまいます。


ラジオなのだから、あくまで自分のペースで、「今週は休んで前回のレッスンの復習!」 などと臨機応変にやればよさそうなものですが、日々やらなければならないことが多いと、「自分のペースで~」 なんて言っていられません。何が何でも放送を聴く!くらいでないと、続かないんです。


佐奈恵さん、次から次へと流れていくラジオ講座の放送内容について、「復習」 ということにどういう見解を持っておられますか。


A

ひとつの教材を徹底的にやるのは王道
ひとつの教材を徹底的にやりこなすのはとても良い方法です。お気に入りの本とCDがあれば、どこに何が書いてあるのか覚えてしまうくらいやるのが本来のやり方です。素晴らしい方法を知っていますね。シャドーイングをしたり、言えな いところを紙に書いたり、手のひらに書いたりしているんですか! 学習者の鏡です。


私が、NHKの講座を使っているのは、ご質問者がおっしゃっているように、まさしくペースメーカーにしやすいからです。


では、どんどん新しい中身になっていく番組にどうやってついていくのか?ということですよね。


放送があったその日か翌日に消化を

このメッセージの中で込められている 「復習」 というのはつまり 「練習」 ということですよね。


番組は聴くだけでは、残念ながら英会話上達にはつながりません。


「復習」=「練習」 をしてこそ意味があります。復習はその日のうちか、遅くとも翌日のうちに消化します。そして番組のない土日に 1週間分の総復習をします。


ですから、真剣にやればやるほど、やはりテキスト 1本以上は無理が出てくるはずなのです。番組を3つも4つも聞いていたら、聞くだけで1時間くらいとってしまいますので、復習は難しくなってくるでしょう。


完璧は求めない、7割消化で次に進む

ただし、消化率は100%にする必要はありません。6割、7割消化したら、もう次に移ってしまってかまわないということです。これが意外なポイントかもしれませんね。100%消化していなくても、繰り返しで英語力は伸びます。つまり、わからない部分やうまく言えない部分に執着するよりも、思い切って捨てて次に移ってしまうのです。


繰り返しているうちに必ず言えるようになります。わからない部分もわかるようになるときが必ずやってきます。大事な表現や言い回しは繰り返し出てくるようになっています。練習がのちにすべてのダイアログをつなげて応用がきくようになります。ただし、時間はかかりますよ。数ヶ月ではとても時間が足りません。毎日練習して最低 3年と腹をくくってみてください。


前週の分が覚えられなかったとしたら、「翼週は休んで前回のレッスンの復習」 をするよりも「前回の分は忘れて、今週からまた頑張ろう!」 としたほうが良いと思います。


過去は捨て、未来の新しい自分だけを見つめる

なんて素敵じゃありませんか?


Keep on smiling!  (ラジオ英会話の中の遠山顕先生のせりふ)



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2010年9月16日 (木)

英語学習法質問あれこれ (1)

ブログのコメント欄からのご質問にお答えします。ご質問、ありがとうございます。人にはそれぞれいろいろなやり方や考え方があると思います。ここではあくまでも私の考えを書いてみます。皆さんのご意見もお気軽に書き込んでみてくださいね。コメントお待ちしております。


Q
音読
私は音読をする際にただ声に出すのではなく、ダイアログを最低でも10回はひたすらに聴く、音声に合わせてスクリプトを読む、スクリプトを覚えてしまうぐらい音読をする、そして音声に合わせて音読しています。問題はないのでしょうか。


A
音読の前に十分に音声を聴く → 大正解!
はい、音読をする前に十分に音声を聴くのは絶対に必要なことです。最低10回ですか!いいですねえ~。そのくらい聴き込んでから音読するのが理想的です。音読している時にモデル音声が脳の中で鳴り響くようなら最高です。


音声に合わせて音読、つまりオーバーラッピングということですね。ハイ、大正解です。


英語を声にだす練習方法はたくさんありますが、私は音声のない音読はおすすめしません。モデル音声を聞かず、自己流の英語で音読するのは反対です。すでにきれいな英語を話せるようになっている人が音を聞かずに音読する分には問題ありませんが、知らない単語があったりリズムやイントネーション、リエゾンを無視した音読はちょっとどうかなと思うわけです。ですので、ご質問者の方のやり方は完璧だといえましょう。


Q
リスニング
私は NHK BS1 で放送されています 「TOKYO EYET」 の大ファンです。まず見逃すことはありません。しかし英語を母語とする人の英語より、それ以外の人の英語のほうが聞き取りやすいのはなぜでしょうか。またTVニュース等でのアナウンサーやリポーターの英語は聞き取りできるのですが、インタビュー等での一般の人の英語は違和感を感じるのですが。


さらに、私の耳は弱く発音された音をキャッチしにくいのですが、listen carefully しかないのでしょうか?


A
ノン・ネイティヴは同じ学習者
ネイティヴ・イングリッシュ・スピーカーの話す英語よりもノン・ネイティヴの話す英語のほうが聞き取りやすいという話はよく聞きます。一般的に考えられることは、下記のようなことが挙げられると思います。


・ 相手も英語が完璧ではないので比較的簡単な英語を使っている。
・ イディオムが少ない
・ ネイティヴたちのようにリエゾンで消えてしまう音が少ない


つまりノン・ネイティヴたちも学習者なのですね。でもお国によっては英語がまったく違う音に聴こえてきて慣れるまで苦労することもあります。私は中近東の方の話す英語が苦手ですぅ。


アナウンサーは訓練した伝わりやすい言葉を話す
TVのニュースなどでは訓練された人々がわかりやすい言葉を使って、わかりやすい発音で話します。日本語でもそうですよね、アナウンサーやリポーターたちはマイクを通して伝わりやすい日本語を滑舌良く話すよう練習しています。モゴモゴしゃべる人、舌足らずの人、方言を話す人はあまりいないはずです。アナウンサーと一般人の言葉の違いだと思います。


ここから言えることは、私たちもジャパニーズ・イングリッシュではなく、なるべく伝わりやすい、標準英語に近い音で英語を話す練習をしたいということですね。


弱く発音された音が聞き取りにくいということですが、皆そうでしょう。日本人は特にリエゾン、つまり音と音の連結によって消えてしまったり音が変わってしまう音を聞き取るということが苦手かもしれません。日本語にあまり起こらない現象ですものね。


実はネイティヴたちもすべての音を聞き取っているわけではありません。彼らは文章の流れの中で次にくる音を想像したり無意識に補ったりしているのだと思います。だから私たちに聴き取れなかったとしても何もガッカリすることはありません。


Cut it out. = カリルアウッ
I like it. = アイ ライケッ
Get on a car. = ゲロン ナ カー


上記のように自分が知っている音と聴こえてくる音の間にはギャップがあるわけで、これが長い文章の中でところどころ入っていたら、もうお手上げです。


リスニング力を上げたいのであればディクテーションをおすすめします。ディクテーションではまさしく聴き取れない音を、理解力、文章読解力、文法力を駆使して埋め込んでいく作業が出てきます。集中して何度も何度も繰り返し聴くので、嫌でも耳が開くようになっているというわけです。


私の学習法はいつもシンプルです。
聴いて → 真似して話して → ディクテーション
これだけです。


さあ、質問はまだ続きます。また明日! 皆さん、記事を読んでくださってありがとうございます。



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2010年9月17日 (金)

英語学習法質問あれこれ (2)

前回からの質問の続きです
英語学習についていろいろ質問があります。下記のような場合どのように考えますか?

Q
英字新聞 
朝日ウィークリーを購読して、上級者向けの記事を好んで読んでいます。辞書の助けを得ながらも読破はできていますし、内容もきちんと把握できています。しかし「日本語に訳すよう」要求があった時は、つまずいてしまいます。どうしたらよいのでしょうか。


A
それは英語は英語で理解している証拠です。素晴らしいではありませんか?頭の中で英語から日本語への変換をせず物事がわかっているからです。これを日本語に置き換えるためには特殊な訓練が必要です。いわゆる通訳の域に入っていくわけですね。


以前、どこかの記事で書いたと思うのですが、日本語と英語はまったく違う言語です。単語ひとつひとつを直訳できません。


例えば、何か料理を出したとします。「お口にあいますか?」 という日本語を英語にすると何と訳しますか?


口 = mouth
あう = meet, see


実は上記のどの単語も使わずに英訳することができます。


Do you like it?


です。えー、そんな簡単な英語でいいの?と思うかもしれませんが、これが英語と日本語の違いの典型的なもので、直訳できない良い例でしょう。


通訳は英語の単語を日本語に訳しているわけではなく、英語表現を理解して、一番良く合う日本語表現を瞬時に脳の中で探し出すという作業をしているのです。ですから、ご質問者の疑問、英語は英語でわかるのに、日本語に訳すとき躊躇してしまうという現象はごく自然なことです。気にせず今の勉強を続けましょう。


そのうちに 「英語→日本語」、「日本語→英語」 の変換が瞬時にできるようになるときがきます。通訳の勉強をするためには、英語力だけでなく日本語の勉強も必要になってくるでしょうね。


Q
実践
実践の場がありません。「実践」することが極めて大切であることは百も承知しているのですが、これに変わるべく方法はないものでしょうか。


A
日本人同士でも英語で話すことです。ネイティヴの前だと話せるのに、日本人の前だと話せない、という人もいますが、ここの心理的な壁をとったときから英語は話せるようになります。日本人同士で英語で話すとき、英語が間違ってしまうと恥ずかしいとか、完璧に話さなければいけないというこはあまり考えず、とにかく英語のやり取りを楽しむことです。


会う機会がなかなかなければ、電話でやり取りします。今から10分間は英語だけで話してみようと決めるのです。話題を作り出すのが難しければ、「ラジオ英会話」のダイアログを電話でやり取りしてみるというのはいかがですか?


これは私も実際にやりました。友人と電話で英語談義をするついでに、ダイアログの練習をします。テキストをみずに役柄を変えながらやり取りします。電話ですから相手にテキストを見ながら話しているかどうかはわかりませんが、テキストを読みながら練習していたら、いつまでたっても話せるようにはならない、ということはこのブログを読んでいる方なら、もうすでにご存知ですね。


英語学習は自分との闘いでもあります。楽しみながら奮闘していきましょう。




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2010年9月22日 (水)

主婦からの転身 No. 21 特別編「主婦がいまさら英語なんか」

読者からのQ&Aコーナー、皆さんからの質問が増えてきてとっても嬉しいです。ありがとうございます。今回の読者の方のご質問は、私の転身シリーズとも重なるものがあるので、特別編とし、Q&Aコーナーと転身シリーズの合体編でいきます。


Q
怪訝そうな周りの目、どうやって対処?


子供が学校に行く時間がやっと私の勉強時間となりました。この時間は私の時間!と思っていますが、まわりの主婦仲間が怪訝そうに「子供のいない時間なにしているの?遊ぼうよ」......何だか悔しい思いです。自分の夢を追いかけるって大変ですね。さなえさんが子育てしながら勉強に励まれていた時、弱い自分が出てきた時、どのように闘っていましたか?ぜひお話を聞かせてください。


A
出る杭は打たれるけれど、出過ぎると打たれない


英語を生活の一部にすることによって得たもの、また失ったものがあります。


まず、ランチ友達、お茶友達がいなくなりました。私はテニスが大好きで、週に何度かテニスをしていたのですが、ラケットをペンに変えて10数年がたっています。テニスコートの脇を通り、あのボールの音を聞くと、あぁ~、テニスがやりたいなと思いますが今は時間がありません。


英語を勉強しているというと、「主婦が何でいまさら?」 という声はあちらからもこちらからも聞こえてきました。PTAに行けば、何かひとりだけ浮いているような気がしました。でも、私は自分を変えたくて英語を勉強し始めたのでした。


それまで何に対しても中途半端な生活で、何かに夢中になったこと、一生懸命になったことがなかったのです。受験勉強に明け暮れたことはない、スポーツで県大会や全国大会を目指して頑張ったこともない。ただ時間に流されて、努力という言葉からはほど遠いところにいました。


死ぬ前に何かひとつだけでいいから、これだけは頑張ったぞ!と自分自身で誇れるものが欲しい、そう思ったのです。


映画もTVのドラマも観なくなりました。あまりTVを観ないので、あるとき、友人との会食の席で、「松たか子って誰?」 と聞いてしまったことがあります。「やだあ~、英語の勉強ばかりしていないで、TVくらい見なさいよぉ~。」 とみんなにからかわれました。


その日、家に帰ると、子どもたちに、「ねえ、TVに松たか子が出ていたら教えて」 と言うと、「お母さぁ~ん」 と子どもたちが頻繁に呼びます。それだけTVへの出演回数が多いということですね。ああ、この人なら知ってる、知ってる、見たことある。この人が松たか子ねって妙に納得したことがありました。以来、子どもたちは、「お母さん、この人は今時の人だから、覚えておいたほうがいいかも」 と、時々私に情報を吹き込んでくれるようになりました。


怪訝そうに見ていた人たちの中には、やがて私のように英語の勉強をはじめ、今では講師になってしまった人もいます。「私が生徒になってあげるから私に教えてみな!」 と大人の生徒第一号になってくれた人も、そんな仲間のひとりでした。


彼女たちは今でも言います。


「あんた、ホントに変わっていたよねえ。子ども同士が幼稚園の帰りに約束したからって、あなたのうちに寄ってみると、いっつもダイニングテーブルの上にはNHKのテキストと辞書とノート、ウォークマンがあってさ、この人、何してるんだろう?って思ってたんだよ。」


とひとりが言えば、別の人は


「ホント、ホント、子どもの運動会のときだって、昼休みはみんなぺちゃぺちゃしべっているのに、隅っこにひとりで座って、テキスト広げて、ウォークマン耳に突っ込んで、ディクテーションしてたよね。」


「そうそう、電車の中で、立ちながらディクテーションしている姿を見たこともある。」


「自転車乗っているときもスーパーの買い物かご下げているときも、いっつも耳にイヤホンが入っていて、何だかひとりでぶつぶつ口動かしていたよね。」


「思いっきり、怪しくて変な奴、って思ってたんだ!」


と口をそろえて言います。こうやって言ってくれている人たちは英語側に寄ってきて人生を変えている人たちです。きっと英語の向こう側の人たちは、私の行動をあきれて、アホか、と思っていた人が、何十人、何百人といるはずです。


でも、私はある時から、世間の声がまったく気にならなくなったのです。


出る杭は打たれるけれど、出過ぎてしまうと、もう誰も打たなくなるそうですよ。
あっはっは!


(つづく)



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2010年9月23日 (木)

主婦からの転身 No. 22 特別編「主婦が起業」

またまた読者さんの質問と転身シリーズと重なるものがあったので、特別編とさせていただきました。

Q
どうやってスクールを始めたの?

好きな英語を生かして英語塾でも開けたらいいなぁと漠然と考え始めました。


さて、さなえさんは32歳から英語を学び始めて 英会話教室を主宰するまでになられました。もし、よかったら起業するにあたり どのような努力をされたかどうやって生徒さんを集められたかなど 聞かせていただけると嬉しいです。


A
リビングルームが週1回教室に変身、生徒は3名


まずは自分の子どもとその友達2人から教え始めました。その当時、私にお子さんを預けてくれたご両親にとても感謝いたします。その頃には、いつも英語を勉強している変な奴、という噂はかなり広がっていましたので、英語を教え始めたらしい、という噂が広まるのもそんなに時間はかかりませんでした。


○○ちゃんのお母さんが英語を教え始めたみたいよ!


口コミというのはすごい威力を発揮するものです。以来、スクールを自宅から外に出し、さらに2校目を出した今年の4月まで、広告らしい広告は一切したことがありませんでした。すべて口コミでつながってきました。ですから、ごくご近所の方でも、「あら?こんなところに英語教室があったの?」 と知らない人がたくさんいます。


教室に通ってきてくれた子どもたちと、そのご両親に感謝、感謝です。


子どもたち自身が私の最高の指導者でした。子どもたちの目はキラキラと輝いていて、どんどん新しいことを吸収します。おもしろくなければ、すぐに 「つまんねぇ」 と反応します。最も当時の私は自分の英語力を上げることに必死で、子どもたちに教えるというよりも子どもたちを利用して私が一番勉強していました。


「お母さん、今日のあのゲームおもしろかったよ」 とか 「これ、やってみようよ」 という声を拾いました。家の中では毎日ひとりで歌って踊って、レッスンに備えました。


発音もどうせ教えるなら正しい音をと、子ども向けのCDを何度も何度も擦り切れるくらい聞きました。昔、うちにホームステイをしたことのあったアメリカ人がフォニックスのテープを送ってくれました。アメリカ人の子どもたちは、母国語を覚えるとき、こうやって覚えるのよと、その時、初めてフォニックスという存在を知りました。


A says a, a, apple
B says b, b, bear
C says c, c, cat


というチャンツです。このときにそれぞれのアルファベットに音があるんだということを知りました。当時の私は子どもの教材を使って自分が英語を勉強していたといっても過言ではないでしょう。


本屋さんを駆け巡り、指導書を徹底的に読みあさりました。このとき、英語の教え方を日本語で読んでどうする?と思い、わざと英文を選び読みました。大きな書店には、Oxford をはじめ、子どもたちに英語を教えるための教材がたくさん並んでいます。それらを隅から隅まで研究しました。なるべく、楽しそうなもの。私が楽しくなかったら、子どもたちも楽しくないだろうな、と吟味に吟味を重ね、おもしろそうなものはすぐにレッスンに取り入れました。


子どもたちが反応してこないと感じれば、5分でそのレッスンプランはやめ、手品師のように次から次へとアクティビィティーを実験していったのです。子どもたちはゲラゲラと笑いながら英語を口から出します。1時間のレッスンが終わると、子どもたちの反応でレッスンが成功だったかどうかがわかります。


「えっ?もう終わり?もっとやりてーー!」


とか


「他の曜日にも来ていい?」


という子どもたちの反応で、ヨシ!このレッスンプランでいいんだなと、ど素人が英語を教える、というよりも、英語を使って遊ぶという感覚で、自宅のリビングで週に 1回のレッスンをスタートしたのでした。


やがで口コミは威力を発揮し、友達が友達を呼び、自宅英語教室は発展していったのです。やがて、リビングリームだけでは手狭になってきたので、スクールを自宅から外に出し、現在では2校のスクールを構えるところまできました。


この間、もちろん自分の勉強を怠った日はありません。しかし、行き詰まり、こんな英語力で英語を教えていていいのだろうかと悩み、私の英語はもう伸びないのではないかと苦しんだことは数知れずあります。仕事をするの、やめるの、スクールを出すの、出さないのに関しては家族とのバトルもありました。歴史ですねえ~。また追々お伝えしていきますね。


何かにぶつかって行き詰ったときはいつも次のように考えました。


・ ここでストップしたら今まで積み重ねてきたことが水の泡になってしまう


・ きのうまで勉強したことがパーになってしまう


・ 自分の意見を持たず、何事にも優柔不断に生きてきた。そんな自分に嫌気がさして、自分を変えたくて英語を始めたんじゃなかったの?


(つづく)



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2010年9月24日 (金)

遠山顕先生 秋の琵琶コンサート

ラジオ英会話の講師、遠山顕先生が琵琶奏者にまたまた変身します。


2010年10月9日(土)


昼の部 午後 2時開演 (午後 1時半開場)
夜の部 午後 6時開演 (午後 5時半開場)


入場料: 2,500円 (全席自由)
会場: シアター・イワト
詳細/チラシ: こちらをクリック


遠山先生からご案内をいただき、先生のどこに琵琶を練習する時間があるのかと、
「先生、1日が28日時間くらいおありではないですか?」
とお尋ねすると、下記のようなお答えが返ってきました。


「いやぁ~、1日が28時間あったらいいですねえ。先日、富山の薬売りが来てね、
『時間がゆっくり感じるような薬ありませんか?』
と尋ねたら
『それはまだ作っておりません』
ということでした。」


あの番組の中で聞かせていただける、ダジャレ、ジョークを実際の生活の中でも実行しているんだなと感じた瞬間でした。


才能ある人ってたくさんの顔をもち、人生を楽しんでいるのですね。
生の遠山顕先生にお会いしに行きませんか?



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2010年9月25日 (土)

覚えても忘れてしまう 本当に話せるようになるの?

Q
覚えてもすぐに忘れてしまいます
こんなので本当に話せるようになるのでしょうか?


英会話の勉強を始めて、もう何年になるでしょうか。お恥ずかしい話ですが、1週間に1度の英会話教室で勉強するだけでしたので、少しも進歩がなくほとんどしゃべれない状態です。


4月から佐奈恵さんの勉強方法でラジオ英会話を始めました。英語を勉強して楽しいと感じれるようになり、きっとスラスラと話せる日が来ると信じて頑張っていますが、思うようにダイアログを覚えることができず、覚えてもすぐに忘れてしまい、落ち込む日もしばしばです。


単語力が乏しくセンテンスの和訳を見て、なんでこんな風に訳されているのか理解するまでに時間もかかります。日本語で文章を考えて話すのではなく、英語で考えるという事も、まだまだの状態です。こんな状態で続けてて、話せるようになるのでしょうか?それとも基礎英語をした方がいいのでしょうか?


A
1週間に1度、英会話スクールに通うだけでは英語は話せるようにならないのは、このブログを読みにきてくださっている皆さんなら、もうすでにご存知ですよね。


どんなに良い先生についても、どんなに高いお金を出して良いスクールに通ったとしても、そこに行くだけでは無理です。英会話スクールでの1時間、2時間よりも、そこに行くまでに自分がいかに勉強したかで話せるようになるかならないかが決まってきます。


これは私が実際にやってきた方法です。すべての皆さんにあてはまるというわではありませんので、あくまでも参考になさってみてくださいね。


1) 最初の1年間は、とにかく徹底的に真似をしました。


私は今から英語を始めても、学生時代に勉強してきた人、留学してきた人などにかなうわけはない。いまさら勉強をしたところで頭には入らない。ならば別の方法でいこうと考えたのです。


そして取った方法が真似。徹底的な模倣です。自分が口から出す英語の意味がわかろうがわかるまいが、とにかくモデル音声とスピード、リズム、音の上がり下がりなどが同じになるまで練習しました。


このとき、暗記はしていません。英語が口から出るときには、脳の中で音声が鳴り響くまで聴きまくりました。たぶん、15分の番組をまる1日繰り返し聴いていました。


日本語の部分を見るのはあくまでも話の流れを追うだけ。訳す作業は一切していません。英語を口に出しながら、今はこんな状況の話をしているのねえ~程度にしか理解していませんでした。


2) 2年目から文法の勉強開始


上記の練習に加え、基礎英語2を聴き続はじめました。文法がおもしろいようにわかるのを実感。時々、そうか、こっちの勉強を先にしちゃったから、英語の勉強がおもしろくなくなっちゃったんだな、英語が難しいと感じてしまったのはこれが理由だったんだ、と妙に納得。最初に英語のリズム、音を徹底的に練習するべきだったんだと気付き、今はスクールのレッスンの中で活かしています。


3) ディクテーションの作業開始


いつの頃からか、もっと英語がわかるようになりたくて、ディクテーションの作業を開始。リスニング力の強化と文法の強化につながることを実感。以後、現在に至るまで、この作業は10数年間ずっと続いています。


結果、覚えるということはしていません。忘れたらまた練習するだけです。とにかく口を動かして、脳に覚えこませるのではなく、口の筋肉に叩き込んだと言ったほうがいいかもしれません。


話せるようになるかならかいかは、どれだけ練習したか、それだけだと思いますが、皆さん、いかがでしょうか?ですから、練習を続けている限りは必ずしゃべれるようになります。途中でやり方を疑い、方法を変えてみたり、悩んだりしている時間があったら少しでも口を動かして声に出して練習する。それだけです。


4) 今後の私の課題: 読み、書きに力を入れる


英語がいくらか聞けて話せるようになってきたので、これからは読み書きにもう少し力を入れたいと思っています。リスニング・スピーキング・リーディング・スピーキングの4技能がそろってはじめて、「英語ができる」 といえるのでしょう。


そのために今していること。毎日書く作業を取り入れています。何の目的もなく読み書きするのはつまらないので、手紙を書いています。e-mail ですけどね。昔のペンパルのようなものですよ。自分に関連することなら飽きずに続けることができるだろうと思ったわけです。今はインターネットの普及で、ペンパルを探すのもそんなに困難ではなくなりました。とにかく毎日読んで書いています。


英語を勉強し始めて18年、やっとここまでたどり着きました。まだまだ完成はしていません。だから皆さんと一緒に、勉強を続けますよ。皆さん、よろしくお願いします。私がくじけそうになったら、支えてくれるのは、あなたですからね。



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