2010年9月13日 (月)
読者からの質問コーナーです。最近、相談メールが増えてきました。ありがとうございます。皆さんのご意見もおきかせくださいね。
Q
英語学習に関して疑問が出てきたので、相談に乗ってください。
● 現在の教材
入門ビジネス英語
実践ビジネス英語
● 一日の学習時間
机に向かって一時間を目標にしていますが、達成できていません。
移動時間での勉強は仕事の疲れからできていません。
● 学習方法と現状
入門ビジネス英語
オーバーラッピング、シャドーイングの後本文の解説を聞き、最後に本文を暗記して終わるようにしていますが、やっとのことでつっかえながら全文言えるようになるのは70分ぐらいかかります。(シャドーイングだけ行ってすらすら言えるようになればよいのですが、時間がかかりすぎるので暗記しています。)
実践ビジネス英語
オーバーラッピングの後、本文の解説を聞き、最後にシャドーイングして終了。
60分では終わらないことの方が多いのですが、力尽きてだいたい60分で切り上げて終了します。土曜日のスーザンさんと杉田先生の会話は何をいっているのかよくわらかないことが多いです。
● 相談内容
上記の通り、オーバーラッピングとシャドーイングで時間のほとんどを使っています。学習方法としてこれでよいのか疑問を感じています。
(この方法でここ一年は続けていますが、このまま同じことを繰り返していて上達するのかなと思いまして、、、)
単語、重要なフレーズ等を覚えていません。ディクテーションも行いたいのですが、学習時間を増やすことは、今の仕事量を考えると難しいです。
学習方法が間違っていれば修正したいと思っています。この先、どういう方法で学習を進めていけばよいのか、アドバイスを頂ければと思います。よろしくお願いします。
● その他
いつまでにどれだけ話せるようになるという、具体的な目標を挙げて英語に取り組んだ方が上達するということは理解していますが、今は英語を使う環境になく、目標がないので、漫然と続けています (やめたいとは思っていません)。
A
す、す、すごい練習量ですね。入門ビジネス英語に70分、実践ビジネス英語に60分。毎日1時間以上勉強しているというわけですね。しかも集中してやっている様子が伝わってきます。
まず、結論から。
今やっていることに間違いはありません。このまま続けましょう。
ただし、ひとつだけ加えると良いのではないかなと思うことがあります。
自己練習だけでなく、誰かと一緒に練習する。あるいは、実践の場を作る。
ということです。これだけ練習したら十分です。あとは使って覚えていきましょう。さあ、どこで英語を話したらいいのでしょうね?
・ 英会話スクール
・ 公民館の英語サークル
・ 英会話カフェ
などはいかがでしょうか?英語を使うのならネイティヴスピーカーとでないとと考える人が多いかもしれませんが、実はそうでもないんですよ。ノンネイティヴスピーカーとでもいいですし、日本人同士でもかまわないのです。英語を話す環境に慣れるということが次のステップとなります。
ダイアログを役柄になりきって、誰かと交互に練習する。このとき、なるべくテキストに目を落とさず練習する。これだけでも効果があります。俳優が台本練習をしているようなものです。実はこれが実際に会話するときに役立ちます。お互いにテキストなしで上手に言えたときは、英語が通じたときと同じ喜びを感じることができますヨ。
もう一点、気をつけたほうがいいのではないか、ということを挙げるとしたら......、
練習方法についてですが、私は個人的に 「暗記」 という言葉があまり好きではありません。「暗記」 しようとすると、どうしてもつっかえつっかえになったり、文章構文や言葉の並びを考えてしまったりして流暢さからは遠ざかってしまうような気がするのです。
つっかえながら空で言うのよりも、文字を見てスラスラ言えるようにするのが先決だと思います。スラスラ言えるようになったところで、今度は徐々にテキストから目を離して言うように練習するといいのではないかなと思います。
テキストを見ないでシャドーイングできたら、暗記していてもしていなくても、おしまい!にしてかまわないと思います。シャドーイングをしているときに、自分が何を話しているのだか理解しながら話せていればOKです。ここまでを1日の区切りとし、翌日、新しいダイアログを練習。
あとは、この自己練習を繰り返し、実践の場で使ってみる。また自宅に戻って自己練習 → 実践 → 自己練習。これで英会話力は伸びるはずです。
いかがでしょうか?覚えなくてはいけない、というプレッシャーを解いてあげたらいいのではないかなと思います。暗記しなくてもかまわないのです。そのうち口が勝手に覚えてくれます。大事な表現やよく使う言い回しは必ず繰り返し出てくるようになっていますので、「口ずさみブツブツ練習」 だけに徹したほうがストレスも溜まらず長く続けられるのではないかと思います。
余裕が出たら、これにディクテーションを加えれば、さらに英語力、リスニング力が付くことは言うまでもありませんが、まずは十分過ぎるほどの学習量だと思います。完璧に覚えなくてもいいんだと思ったら、その分のエネルギーをひょっとしたらディクテーションにまわせるかもしれませんね。
ご質問ありがとうございました。きっと多くの方が同じような悩みを抱えていると思います。お便りくださって嬉しいです。
今の自分の悩みと重なる部分が多く、とても参考になりました。
すみませんがまた質問したいことがでてきましたのでお伺いします。
私は長い間、「1つの教材(本とCD)をどこに何が書いてあるか覚えてしまうくらい、完璧にやりこむ」ということにすごくこだわっていて、そのためにいろんな教材に手を伸ばし、気に入らなければまた別のものを探し・・・を繰り返してきました。完璧にやりこむのなら、飽きないように、納得のいく教材でやりたい、という思いがあったからです。
そのため、日ごとにレッスンが進んでいくNHK講座は、自分には合わないとずっと思っていました。
反復練習する必要がどうしてもあるのに、復習する暇がないからです。
でも、取り組んでみると、ラジオ講座は、自分を引っ張っていってくれる、いいペースメーカーになるということに気づきました。、今の自分には、「疲れた!もう寝たいけど、今日は放送があるし!」ともうひと踏ん張りさせてくれる存在がどうしても必要だったからです。
実践ビジネス英語の放送のない土日、月、火にシャドーイングをしたり、言えないところを紙に書いたり、手のひらに書いたり、本当に必死で取り組みますが、自分にとっては難しい内容なため、まだまだ消化できないところで次の週のレッスンが始まってしまいます。
ラジオなのだから、あくまで自分のペースで、「今週は休んで前回のレッスンの復習!」などと臨機応変にやればよさそうなものですが、日々やらなければならないことが多いと、「自分のペースで~」なんて言っていられません。何が何でも放送を聴く!くらいでないと、続かないんです。
佐奈恵さん、次から次へと流れていくラジオ講座の放送内容について、「復習」ということにどういう見解を持っておられますか。
投稿者: スカラムーシュ | 2010年9月13日 10:32
日時: 2010年9月13日 10:32
川本先生 こんにちは。
このブログで先生がおっしゃっているように、私も暗記する
ことは好きではありません。すぐに忘れてしまいますから!
その代わりに同じ単語なりダイアログに何回もお目にかかる
ようにしています。そうすれば体に染み付いてきますから。
マスターしたと思ったら次のステップへ。そしてしばらく
経ったら復習し、覚えていたら合格、忘れていたらやり直し
この繰り返しをしています。時間が掛かるのが問題ではある
のですが。この方法はよいのでしょうか?
他にいくつかの質問があります。お答えして頂ければと思い
ます。
音読
私は音読をする際にただ声に出すのではなく、ダイアログを
最低でも10回はひたすらに聴く、音声に合わせてスクリプトを読む、スクリプトを覚えてしまうぐらい音読をする、そ
して音声に合わせて音読しています。問題はないのでしょう
か。
リスニング
私はNHK・BS1で放送されています「TOKYO EY
E」の大ファンです。まず見逃すことはありません。しかし
英語を母語とする人の英語より、それ以外の人の英語のほう
が聞き取りやすいのはなぜでしょうか。またTVニュース等
でのアナウンサーやリポーターの英語は聞き取りできるので
すが、インタビュー等での一般の人の英語は違和感を感じる
のですが。
さらに、私の耳は弱く発音された音をキャッチしにくいのですが、listen carefullyしか方法はないのでしょうか。
英字新聞
朝日ウィークリーを購読して、上級者向けの記事を好んで
読んでいます。辞書の助けを得ながらも読破はできていま
すし、内容もきちんと把握できています。しかし「日本語
に訳すよう」要求があった時は躓いてしまいます。
どうしたらよいのでしょうか。
実践
実践の場がありません。「実践」することが極めて大切
であることは百も承知しているのですが、これに変わるべく
方法はないものでしょうか。
以上よろしくお願いします。
投稿者: ハンター | 2010年9月13日 16:43
日時: 2010年9月13日 16:43
すっすっスゴイです!
2講座もやっていて、そのうえ1時間以上も時間を割いているなんて、スゴイです!
それに比べたら、すき間時間(朝の30分ぐらい+電車の中+お昼休み)でしか勉強できていない私は、足元にも及びません。同じような悩みをかかえておりますが、練習量に歴然の差があり、、、私の方が、全然できてないじゃんとショックを受けましたよ。
仕事で疲れて、テキスト置いたら、録音した講座を流したまま、寝てしまうこともたびたびだし。
でも練習ができなかったことに、ストレスを感じる気持ちとってもわかります。
私もそうです。特に週末とか。
あとは、これだけやっていればできるようになるという自分を信じる気持ちが大切なのではないでしょうか?
って私自身に言っているだけなんですが・・・。
さ~てと、仕事の前に、昨日のラジオ英会話講座を聞かなきゃっと。
投稿者: さくらんぼ | 2010年9月14日 08:44
日時: 2010年9月14日 08:44
いくら時間があっても集中しきれない私は、お仕事しながら時間を作って英語の勉強をされているかたはそれだけでスゴイ!と思います。
どなたかの本に書いてありましたが、英語を聞きながら居眠りしてしまった場合、「眠りに落ちる瞬間まで英語を聞いていた。」「起きた瞬間から英語を耳にした。」自分は頑張っているなあ、とほめてあげていいそうです。
それからは、私もそう考えるようにしています。^^
投稿者: カプチーノ | 2010年9月14日 17:38
日時: 2010年9月14日 17:38
カプチーノさま
高校生のときだったか、Dick Leeさんをはじめてテレビでみて、「シンガポールってこんなかっこいい人がいるんだ!」とビックリし、Dickさんのアルバム「Mad Chinaman」をきいて、「シンガポールってこんな音楽をつくる人がいるんだ!」とまたビックリしたことを思い出しました。
彼の音楽に、何か感じるものがあって、何曲か歌詞を覚えて口ずさんでいました。
シンガポールの国の生い立ちも、その歌が「シングリッシュ」だということも何も知らずに・・・
なぜ思い出したのかというと
先週までの実践ビジネス英語の"Office Politics”の4回目に、「I know where you're coming from.」というフレーズがあり、音読していたらDickさんの歌の、この一節が浮かんできたんです。
「Don't forget where you've come from, take a little time to know~」(”Windchime song”より)
もう20年くらい前のことなのに、若いころ覚えた歌やフレーズって骨の髄にまでしみこんでいて、なにかの拍子にピーンとよみがえってくるものなんですね。
先週は、そんなことを考えながら実践~を聴いていました。そしたら、カプチーノさんが佐奈恵さんのブログに登場!私、仲間もなくひとりで勉強しているので、何ヶ月か前にこちらでカプチーノさんからコメントをいただいたことが嬉しくて。そして今回のコメントも、とってもあたたかくて。勝手にごめんなさい!ご挨拶したくなって、この場をお借りしました。
投稿者: 匿名 | 2010年9月15日 13:58
日時: 2010年9月15日 13:58
スカラムーシュ さん、コメントありがとうございます。ご質問については新規のブログでお答えさせていただきました。スカラムーシュ さんは反復練習の大切さをよく心得ていらっしゃいますね。それに素晴らしい練習量です。そのままで大丈夫ですよ。真剣にやっているからこそ出てくる疑問でしたね。いつもブログを読みにきてくださってありがとうございます。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月15日 18:33
日時: 2010年9月15日 18:33
学習方法は人それぞれあると思います。やり方は違っても、やはり「楽」にできる方法は無く、当然「苦」は避けられません。
でも、その「苦」以上の喜び、達成感を感じる事が、学習を継続しよう・・・と意欲に繋がると思っています。
インプットだけでなく、アウトプットする機会をもっと持って、「喜び」を感じる事を楽しみにして、私は続けています。
「実践ビジネス英語」に出ているワンフレーズを、ネイティブに話しかけて、相手が何気なく返してきた時の・・心の中で「やったぜ・・」の快感がたまりません。
投稿者: yusuke | 2010年9月16日 01:02
日時: 2010年9月16日 01:02
ハンターさん、ご質問をあげてくださってありがとうございました。新ブログで回答させていただきました。よろしくお願いいたします。しかし、ハンターさんも非常に良く勉強していますねえ~。こういう人は必ず英語力が伸びます。いえ、もうすでに英語が話せるようになっているからこそ、こんな質問が出てくるのだと思います。さらに上をいこうとしているハンターさんを尊敬しますよ。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月16日 09:03
日時: 2010年9月16日 09:03
さくらんぼさん、コメントありがとうございます。確かに、このご質問者さん、非常に良く勉強していらっやいますね。こんなに熱心に英語を勉強している人がたくさんいて、嬉しい限りです。でも、さくらんぼさん、隙間時間の学習を続けているさくらんぼさんだってスゴイですよ。他人と比べてはいけません。過去の自分と比べるのです。さくらんぼさんは、今のままで素敵ですよ。underestimate しないで先を見ていきましょう。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月16日 09:07
日時: 2010年9月16日 09:07
カプチーノさん、メッセージありがとうございます。カプチーノさんの言葉好きです。そうですよね!頑張っている自分を褒めてあげるのはとても大事なことです。「何にもやっていない」、と思うのではなく、「今日はこれだけやった」 と自分の行動を認めてあげましょう。たまには自分にご褒美をあげるのもお忘れなく。私はよく、「自分で自分にご褒美ね」 といいながら、おいしいご飯を思いっきり食べてしまいます。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月16日 09:13
日時: 2010年9月16日 09:13
匿名さん、お名前書き忘れちゃったかな?カプチーノさんへのメッセージありがとうございます。カプチーノさんはこのブログを通して多くの学習者の皆さんを励ましてくれていますよね。心よりお礼を申し上げます。あなたの一筆が、励ましが、どれだけ多くの学習者の気持ちを支えているのでしょう。そして、このブログを読みにきてくださっている皆さんおひとりおひとりに感謝申し上げます。キーボードの向こうで繋がっているんですね。
さて、匿名さん、実践ビジネス英語を聞いていらしゃるのですね。ひとつのフレーズから昔がピーンを思い出せるなんて、それだけしっかり学習したということですよ。昔も今もね。ありがとうございました。また書き込んでくださいね。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月16日 09:20
日時: 2010年9月16日 09:20
yusuke さん、その気持ちよくわかります。通じた時の喜びがさらに学習への意欲をかきたてるのですよね。それにしても yusuke さん、実践ビジネス英語に出てきたフレーズを使ってネイティヴに話しかけるなんて、やりますねえ~。さすがです。またエピソードお聞かせくださいね。ありがとうございました。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月16日 09:23
日時: 2010年9月16日 09:23
匿名様
コメントありがとうございます。そして何ヶ月も前の私のコメントを覚えていてくださってありがとうございます。
私、未だにウェブ上にコメントした後は「でしゃばり過ぎたかな?」「私的なことを書いてしまってみなさんには興味ないことだったかも。」などあれこれ考えます。
こちらのサイトには特に英語学習に関してうれしかったこと、がっかりしたこと、ついついそのまま投稿してしまうので、後で反省したりもします。
ですので、匿名様からコメントいただいてとても嬉しかったです。
20年も前の歌を今でも覚えているなんてすごいですね!
私はこちらに来るまでシンガポールの国名くらいしか知りませんでした。
わたしも実ビジ、勉強しています。
「I know where you're coming from」のセンテンス、
匿名様のおかげで印象深く覚えられそうです!
ところで、昨日、抜歯をしてきたのですが、最後に受付で「抗生物質の薬はでないんですか?以前親知らずを抜いたときはもらったんですが。」と聞きました。
でも、ちょっと想像してみてください。
口の半分が麻酔で麻痺していて、2本抜歯したので、ガーゼも2切れ口に挟みながら「antibiotic」ってすごく言いにくいんです。
なにせ、日本語でもちゃんとしゃべれない状態なんですから。
こんなところでそんなことをしている自分が無性におかしくなってしまい、ついコメントしてしまいました。
発音もなにもあったもんじゃありません。
受付の方はさすがにプロで分かってくれましたが、最後は気合かな?と思ったできごとでした。
投稿者: カプチーノ | 2010年9月21日 15:19
日時: 2010年9月21日 15:19
カプチーノさん、匿名さんへのメッセージありがとうございました。カプチーノさんの投稿は多くの人に勇気を与えています。でしゃばりなんてことはちっともありません。これからもどんどん書き込んでくださいね。カプチーノさんからのシンガポール便り、英語奮闘記を楽しみにしていますよ。 歯の具合はいかがですか?抜歯、大変でしたね。 antibiotic の愉快な話をありがとうございます。そうそう、気合で何とかなりますって。いつも思うのですが、一番大事なことは語学力ではないんですよね。コミュニケーション能力だったり、人間力だったりすると思いませんか?カプチーノさん、いつもありがとうございます。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月22日 10:18
日時: 2010年9月22日 10:18