2010年9月15日 (水)
Q
毎日変わる内容、どうやってついていくの?
私は長い間、「1つの教材(本とCD)をどこに何が書いてあるか覚えてしまうくらい、完璧にやりこむ」ということにすごくこだわっていて、そのためにいろんな教材に手を伸ばし、気に入らなければまた別のものを探し......を繰り返してきました。完璧にやりこむのなら、飽きないように、納得のいく教材でやりたい、という思いがあったからです。
そのため、日ごとにレッスンが進んでいくNHK講座は、自分には合わないとずっと思っていました。反復練習する必要がどうしてもあるのに、復習する暇がないからです。
でも、取り組んでみると、ラジオ講座は、自分を引っ張っていってくれる、いいペースメーカーになるということに気づきました。今の自分には、「疲れた!もう寝たいけど、今日は放送があるし!」 ともうひと踏ん張りさせてくれる存在がどうしても必要だったからです。
実践ビジネス英語の放送のない土日、月、火にシャドーイングをしたり、言えな いところを紙に書いたり、手のひらに書いたり、本当に必死で取り組みますが、自分にとっては難しい内容なため、まだまだ消化できないところで次の週のレッスンが始まってしまいます。
ラジオなのだから、あくまで自分のペースで、「今週は休んで前回のレッスンの復習!」 などと臨機応変にやればよさそうなものですが、日々やらなければならないことが多いと、「自分のペースで~」 なんて言っていられません。何が何でも放送を聴く!くらいでないと、続かないんです。
佐奈恵さん、次から次へと流れていくラジオ講座の放送内容について、「復習」 ということにどういう見解を持っておられますか。
A
ひとつの教材を徹底的にやるのは王道
ひとつの教材を徹底的にやりこなすのはとても良い方法です。お気に入りの本とCDがあれば、どこに何が書いてあるのか覚えてしまうくらいやるのが本来のやり方です。素晴らしい方法を知っていますね。シャドーイングをしたり、言えな いところを紙に書いたり、手のひらに書いたりしているんですか! 学習者の鏡です。
私が、NHKの講座を使っているのは、ご質問者がおっしゃっているように、まさしくペースメーカーにしやすいからです。
では、どんどん新しい中身になっていく番組にどうやってついていくのか?ということですよね。
放送があったその日か翌日に消化を
このメッセージの中で込められている 「復習」 というのはつまり 「練習」 ということですよね。
番組は聴くだけでは、残念ながら英会話上達にはつながりません。
「復習」=「練習」 をしてこそ意味があります。復習はその日のうちか、遅くとも翌日のうちに消化します。そして番組のない土日に 1週間分の総復習をします。
ですから、真剣にやればやるほど、やはりテキスト 1本以上は無理が出てくるはずなのです。番組を3つも4つも聞いていたら、聞くだけで1時間くらいとってしまいますので、復習は難しくなってくるでしょう。
完璧は求めない、7割消化で次に進む
ただし、消化率は100%にする必要はありません。6割、7割消化したら、もう次に移ってしまってかまわないということです。これが意外なポイントかもしれませんね。100%消化していなくても、繰り返しで英語力は伸びます。つまり、わからない部分やうまく言えない部分に執着するよりも、思い切って捨てて次に移ってしまうのです。
繰り返しているうちに必ず言えるようになります。わからない部分もわかるようになるときが必ずやってきます。大事な表現や言い回しは繰り返し出てくるようになっています。練習がのちにすべてのダイアログをつなげて応用がきくようになります。ただし、時間はかかりますよ。数ヶ月ではとても時間が足りません。毎日練習して最低 3年と腹をくくってみてください。
前週の分が覚えられなかったとしたら、「翼週は休んで前回のレッスンの復習」 をするよりも「前回の分は忘れて、今週からまた頑張ろう!」 としたほうが良いと思います。
過去は捨て、未来の新しい自分だけを見つめる
なんて素敵じゃありませんか?
Keep on smiling! (ラジオ英会話の中の遠山顕先生のせりふ)
さなえさま
いつも楽しく拝読させて頂いています。
『復習』これはまさに今の私にとっての課題となっています。現在、ラジオ英会話を続けて1年半が経過しようとしています。毎日ダイアログを100回音読&シャドーイングそしてListen for it のディクテーションを続けたおかげで最近は英語が少しだけ楽に口から出てくるな~と実感し始めたところです。しかし、1年半分のテキストを振り返ると惨敗です。今じっくり振り返るところにきているのでしょうか。勝手に口から出てくる言葉は簡単な物ばかりです。復習、頑張るしかないでしょうね。あと一つアドバイスを下さい。子供が学校に行く時間が私の勉強時間となりました。(やっと!)この時間は私の時間!と思っていますが、まわりの主婦仲間が怪訝そうに「子供のいない時間なにしているの?遊ぼうよ」・・何だか悔しい思いです。自分の夢を追いかけるって大変ですね。さなえさんが子育てしながら勉強に励まれていた時、弱い自分が出てきた時、どのように戦っていましたか?なんだか窮屈な話になってすみません。でも今、本当に頑張りたいと思っているので、ぜひお話聞かせてください。お願いします。
投稿者: キナコ | 2010年9月16日 11:30
日時: 2010年9月16日 11:30
佐奈恵さま
「完璧は求めない、7割消化で次に進む」
意外でした。うまく言えないところを完璧をめざしてつぶしていくのが練習だとずっと思っていました。
「思い切って捨ててしまいましょう」
なんという、スッキリと霧が晴れるようなことば!
(会社の机の上も、たぶん要らないと思われる書類が山積みなので、そちらも思い切って捨ててしまいます・・・)
その日、その日を悔いの残らないように精一杯練習して、次へ進んでいきます。
これでもう、迷いはありません!
佐奈恵先生、丁寧にご回答くださってありがとうございました。
投稿者: スカラムーシュ | 2010年9月16日 12:43
日時: 2010年9月16日 12:43
キナコさん、メッセージありがとうございます。毎日ダイアログを100回音読&シャドーイング!!しかも加えて Listen for it のディクテーションを続けたですって!!??そっ、そっ、それはキナコさん、すご過ぎますって。簡単な英語が口から出てきたら素晴らしいじゃないですか。惨敗どころか、大成功ですよ。たったの 1年半で英語が出るようになったのですね。やっぱりねえ。それだけ練習したらそうでしょうねえ。私なんて、簡単な英語どころか、赤ちゃんのバブバブ言葉のようなものが出るのに3年かかりましたもん。
さて、周りの主婦仲間のお話……、私にも経験ありますよ。弱い自分が出てきたとき、どんな風に闘っていたかはまた次のブログで書かせていただきますね。キナコさん、ありがとうございます。キナコさんがお声をあげてくださってとっても嬉しいです。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月17日 21:59
日時: 2010年9月17日 21:59
スカラムーシュさん、迷いが消えてヨカッタです。ホッ!英語学習は迷ってばかりですね。でも出口はひとつ。歩き続けるしかないのですよ。どうせ続けるのなら、身軽にして楽しくいきましょう。思い切って切り捨てるのもひとつのキーだと思いますよ。無駄な贅肉はそぎ落としてこそ美しいのです。(あぁ、私の身体の贅肉は増えるいっぽうですが……) それにシンプルが一番です。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月17日 22:05
日時: 2010年9月17日 22:05
以前、私のコメントにお返事をくださったとき、
「何事にもシンプルに素直に生きる決心をしてから自分の人生が変わった」と、おっしゃっておいででした。
佐奈恵さんのようにキラキラ輝く存在にはなれそうに
はないけれど、私もそんな生き方をしたい・・・
語学の習得を通して前向きな自分を作っていく、
それを目標に頑張っていこうと思います。
私、5年くらい前にはじめて佐奈恵さんの書かれた本を読んだとき、
「ラジオ講座だけ」なんて絶対にウソ!と思いました。
でも、こちらのブログで私の質問にいつでも真摯に答えてくださるお姿やご回答の内容から、
英語それ以前にもっと大切な「素直に」「シンプルに」という心を学ばせていただいたような気がします。
やっぱり素敵です。佐奈恵さん。
投稿者: スカラムーシュ | 2010年9月18日 00:46
日時: 2010年9月18日 00:46
スカラムーシュさん、メッセージありがとうございます。あら、スカラムーシュさんだってキラキラ輝いていますよ。ここに投稿なさるスカラムーシュさんの書き込みから、スカラムーシュさんがどんなに真面目で真剣に英語に取り組んでいるかが伝わってきます。苦しい中にも何とか楽しさを見つけて前に進もうとしている。その姿って素敵ですよ!ご自分のことって意外と見えないのかもしれませんね。英語の上達も自分の目にはなかなか映らないものです。でも、毎日やっている限り、必ず伸びているんですよ。いつか高みから見下ろして、あぁ、こんなに登ってきたんだなと感じるときがくるはずです。いえ、もうすでに見下ろせる部分があるはずですよ。頑張っているご自分も褒めてあげてくださいね。スカラムーシュさん、また書き込んでください。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年9月22日 09:38
日時: 2010年9月22日 09:38