2010年8月12日 (木)
読者からの質問コーナーです。
Q
ラジオ英会話にすべきか、基礎3かで迷っています
現在、社会人です。英語は中学1年の2学期で挫折し、全くといっていいほどできませんでした。
英語学習の動機は、インターネットの facebook などで外国の方とコミュ二ーケーションを取りたい、同じく外国語のサイトが読めるようになりたいなどです。
先生の『NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法』を拝読し、4月からNHKのラジオ講座「基礎英語3」を聴いております。普段は3回の放送はほとんどラジオの前にはいられず、録音したものを通勤電車内でもっぱら聴いております。
今回、『THE21』を購入し、先生の記事に又触れて、記事内で、先生は「ラジオ英会話」をお勧めになっていらっしゃいますが、「基礎英語3」はここでやめて「ラジオ英会話」に切り替えたほうがいいんでしょうか。当初は、「基礎英語3」を1年間聴いて、多少上達したようであれば「ラジオ英会話」に進もうかと考えておりました。「基礎英語3」の内容も楽しく続けたいのですが、テキストはひとつに絞ったほうが良いとあり、どうしたものかと思い、メールを今回お送りいたしました。
A
本を読んでくださり、ありがとうございます。さらに、『THE21』 の記事も読んでくださったのですね。感謝いたします。基礎英語3を4月からずっと聴いているのですね。しかも、しっかり録音して何度も繰り返して聴いているあたり、さすがです。
英語が話せないのは文法ができないからではありません
さて、ご質問にお答えしますね。英語が話せない理由を下記の2つだと考えている人が多いのではないかなと思います。
1) 文法ができないからだ
2) 語彙が足りないからだ
私は文法否定派ではありません。文法はある程度は必要です。特に中学校3年生までに習う文法はきわめて重要です。
ただし、英語学習者、特に大人になってから英語を始める人は学習する順番を変えてもいいかなと思っています。文法も語彙もある程度必要なことに間違いはありません。でも、今までの学校教育の過程で英語が話せるようにならなかったのは、文法ができないからでも語彙が少ないからでもありません。
話す訓練をしてこなかったからです
英語を口から出す練習を学校教育の中でどのくらいしてきたでしょうか?テキストを見ながら文章を読む音読の練習はしたとしても、テキストから目を離し、実際に日常の生活で使われている会話、例えば
ちょっとお塩を取っていただけませんか?
Would you pass me the salt, please?
もうちょっといかがですか?
Would you like some more?
電気をつけてくれませんか?
Could you turn on the light, please?
朝ごはんよ~。
Breakfast is ready!
今行く~。
I'm coming.
などといった表現をどのくらい口から出して練習してきたでしょうか?音に注意して、リズムに気をつけて、音と音のつながりや、声の上がり下がりを真似してみる。そういった練習をしてこなかったから話せないのです。ですから、私は日常生活の中で使える表現が多く出てくる 『ラジオ英会話』 をおすすめしているわけです。
岩村圭南先生の 『英語5分間トレーニング』 にも日常会話で使える表現がたくさん出てきます。英会話が少し難しいかなと感じる人は、『5分間』 でもいいかもしれません。でも、ストーリー性のある題材を使ってその状況に置かれた自分を想像しながら練習するともっと楽しいかなと考えています。会話にはある程度流れが必要ですから。
しかも 『ラジオ英会話』 は、最後に講師の遠山顕先生と、ネイティヴスピーカーたちの、ちょこちょこっとしたおしゃべりが入りますので、その部分を何と言っていたのだろう、と考えたり、ディクテーションして、どのくらい聞き取れたかを確かめたりすると、かなり勉強になります。それで、総合的に判断すると、大人の方で、今から英語をやり直したいと考えている人にはピッタリの番組かなと思っています。
口を英語筋にかえたところで文法のおさらい
もちろん、口が少し慣れたところで文法の勉強に戻るのは大賛成です。
『基礎英語3 』も優秀な先生が担当なさっていますし、内容も悪くはありません。『基礎英語3』 を4月から、翌年の3月まで1年間勉強すると、かなりの文法力がつきますし、私も実際に文法を勉強したのは、『基礎英語2』 と 『基礎英語3』 からでした。
いずれにしても、一番大事なことは、
英語の学習を毎日の習慣にすること
それにはラジオ講座が一番適していると思っています。ご質問者の方は、この習慣化に成功しているわけですから、あとは続けていれば道は開かれること間違いなしですね。ただし、口を動かす練習は絶対に必要です。それは、リスニング&リピーティング、シャドーイングを経て実際にどこかで使ってみるという実践までを含んでいます。聞いているだけ、読んでいるだけでは英語は話せるようになりませんものね。
今学習に使っている 『基礎英語3』 が楽しいのであれば無理に 『ラジオ英会話』 に切り替える必要はありません。来年の3月まで基礎3をしっかり学んで、4月から英会話にしてもいいかもしれませんね。それまで基礎3をメインにしつつ、ラジオ英会話で雰囲気を楽しむというのもありかもしれません。
ただし、これだけはお伝えしておきますね。普通の高校を卒業し、普通の成績を取ってきた人なら 『ラジオ英会話』 から入ってぜんぜん問題ないと思いますよ。日本人は真面目で控えめな国民性ゆえ自分の実力を過小評価する人が多いのです。
『ラジオ英会話』 を1年間、わけもわからずひたすら真似して繰り返し、口が慣れたところで 『基礎英語』 に戻って勉強してきた。それが私のやり方でした。2年目からは多少余裕が出るので、学習にプラスアルファーができるのです。きっちり 『ラジオ英会話』 をメインにしながら、『基礎英語』 で裏学習したと言い換えればいいでしょうか。口を動かしながら同時に文法の勉強を始めたといえばいいのでしょうか。
私は話せるようになりたかった。ですからこの方法を取ってきました。自分の目標をどこに置くかでメインも必然と代わってきます。ある程度ペラペラとしゃべれるようになった人が自分の表現を増やすために 『英語5分間トレーニング』 を活用しているという人もいます。
お答えになりましたでしょうか?少しでも気持ちがスッキリし、自分の目指す学習方針が見えたのなら嬉しいのですが......。
ご紹介いただきました「The21]」を読みました。とても参考になりました。初めて知ったのですが、さなえ先生が英会話学校を始められたのは、勉強開始から4年後だったんですね。わたしは、学習5年目ですが、とても人様に教えるレベルではありません。「すご~い」と驚きました。そして、わたしに足りないのは、ディクテーションと音読だとあらためて思わされました。このところを見直してこれからも勉強を続けたいと思います。先生からは、いつも心暖まるコメントをいただいて感謝しています。ありがとうございます。
投稿者: ippichan | 2010年8月12日 21:27
日時: 2010年8月12日 21:27
ippichan さん、『THE21』の記事を読んでくださり、ありがとうございました。ippichan さん、私は思いっきり見切り発車をしてしまっただけです。当時の私の実力では、人様に教えるなんてとんでもなかったと思います。当時の生徒さん、息子と息子の友人たちには本当に感謝なんですよ。自分に英語の実力がないのを知っていた分、研究をし工夫を凝らした授業をしてきました。大きな本屋さんをあちこち歩き、教材を探し、1週間かけて1時間のためのレッスンプランを考えました。自分の経験を通し、初心者の立場に立ち、一から英語を学ぶ人の気持ちに立てたことはプラスになったと思います。大人の生徒さんの第一号も私の友人がなってくれました。「私が生徒になってあげるから、私に教えてみ!」とその友人は言いました。私は周りの人に恵まれているんですね。周囲の人たちが私を育ててくれたといっても過言ではないんですよ。そして、今は、ippichan さん、あなたが書いてくださる一文字一文字に救われている私がいます。ippichan さん、皆さん、記事を読んでくださり、そしてメッセージを書いてくださり、本当にありがとうございます。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年8月13日 07:50
日時: 2010年8月13日 07:50
さなえさん、こんにちは!
少し前から大人の生徒さんに英語を教え始めました。
でも、私でいいのかなあ、何だか申し訳ないなあ、という気持ちが半分、逆にすごく勉強させてもらってありがたいなあ、という気持ちが半分です。
「あの程度の英語力で?」と思われそうな気もして、まわりの方たちにも何だか言えずにいます。
英語学習仲間には報告しましたが、、、。
自分が何十回も音読し、今でも頭の中でCDなしでも音声が流れてくるほど聞いた岩村圭南先生のテキストを使っていますので、今になって「これだけは一生懸命勉強した」というテキストがあってよかったなあ、と思います。
でも文法はまだまだ頭の中でクリアになってなかったんだな、と思うことが度々です。
生徒さんのお人柄に助けられています。
さらに英語力をアップさせるべく、もっともっと頑張らなくちゃ、と痛感しています。
ただ、自分の子供たちにはうまく教えられずにいます。
子供に教えるって難しいですよね。
英語を使って楽しむ感じでいいのでしょうか?
投稿者: カプチーノ | 2010年8月13日 11:40
日時: 2010年8月13日 11:40
佐奈恵さん、こんにちわ^^
まだ『THE21』は読んでいませんが、お盆が明けたら、本屋へ行こう!と思ってます。
私も、7月号から「ラジオ英会話」を聞き始めました。
ずっと「5分トレ」だったので、ストーリーがあると新鮮で、記憶に残りやすい気がします。
でも、最近、圭南先生の講義のDVDを見る機会があり、実際に話している先生を見たら、
ものすごくファンになりました( ̄∇ ̄*)
きっと、NHKの講師をしている人は、みんな魅力的なのでしょうね。
佐奈恵さんの、1時間の授業をやるのに1週間かけて準備をした。というエピソードも、初めて知りましたが、
それくらいやっているから、今の佐奈恵さんがあるのですね。やっぱりすごいなぁ~と改めて尊敬です。
私も、自分の子供相手とはいえ、それくらいの気持ちでやらねばですよね。気を入れ直して頑張ろうと思います!
投稿者: 青森子 | 2010年8月13日 17:47
日時: 2010年8月13日 17:47
初めまして、中高年の女性です。
先生が出版された本、及び「THE21」読ませていただきました。
私も一念発起し、今年からラジオ講座を使い、やり直し英語を開始しました。
ゆくゆくは英検やTOEICにも挑戦してみたいのですが、
まずは日常の会話を習得するのが目標です。ガイドも憧れです。
しかし、未だにやりとりする場所を見つけられず、
友人にもそのような勉強をしている人がいない為に孤独学習状態です。
ところで、会話を習得なさるのに他のテキストを使用されなかったのですか?
サークルでは様々な内容の会話が飛び交うわけですから、
ラジオ講座1本だけでは足りないのでは?と思い、お聞きしてみることにしました。
今は、私も遠山先生の講座1本だけ聴いておりますが、
月のテーマに寄っては、「日常では使うことはないだろう」
などといった雑念から聴かない月もあります。
今月はお天気の話題のため、よく使うであろうということで、
興味深く聴いてはおります。
ただ、冒頭にも申しましたように、仲間がいないことや、
ちょっとした疑問や雑念などで、すでに行き詰まっております。
お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスをお願いしたく、
思い切って書き込んでみることにしました。
また、英作文やディクテーションの添削サイト等をご存知でしたら、
教えていただければ嬉しいです。
投稿者: エム | 2010年8月14日 12:48
日時: 2010年8月14日 12:48
カプチーノさん、お元気ですか?どうしていらっしゃるかなと思っていたんですよ。大人の方に英語を教え始めたのですね。スゴイ、スゴイ!!「あの程度の英語力で?」 と声をあげる人がいたら、それは、やっかみですよ。そうよ、この程度の実力だから必死に勉強しているのよ、と開き直ればいいのです。「頭の中でCDなしでも音声が流れてくるほど聞く」 ← そう、そう!ここまで聴きこなしたら大成功です。講師が誰よりも勉強していて欲しい、いつもそう思っています。生徒さんの胸を借りると思って自分が必死に学習すれば、きっと実力はあとからついてきます。カプチーノさん、胸を張って、私は英語講師です、って言ってくださいね。
子供に教えるときですか?私は、これから児童英語講師になろうと思っている人たちのカウンセラーのような仕事もしているのですが、時々、こう言っています。「教えようとすることをやめましょう。あなたが英語を使って楽しむのです。レッスンはあなたが楽しいと思わないと子供たちには伝わりません。あなたが英語を使って楽しんでいれば、子供たちは必ずついてきます。」 教えようとするからイライラするし、生徒が覚えてくれないと落ち込む。
ホラッ!英語って口から出すとそれだけで楽しいんだよ。失敗したってへっちゃら!そうそう、いーーっぱい失敗していーーっぱい練習した子のほうが上手になるからねえ~♪
ってな調子でやっていると、子供たちの能力ってすごいです。別に教えたつもりはないのに、しっかり覚えていたり、いつの間にか文字が読めるようになっている子が結構出てきます。
子供たちは 「あそこの先生変!俺が失敗しても間違ってもニコニコして、そうそう、それでいいんだよぉ~って。俺、同じことしてるのに学校では怒られて、英語教室では褒められるんだよ。調子狂っちゃうよ。」 とお母さんたちに話しているんだそうです。毎週、元気良く通ってきてくれる子供たちが愛おしくてたまりません。この、とにかく愛おしいという気持ちを持つのもコツかもしれません。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年8月14日 19:01
日時: 2010年8月14日 19:01
青森子さん、いつも投稿ありがとうございます。ストーリーがあると記憶に残りやすいかもしれませんね。感情を込めて自分がその状況に立ったときを想像して練習するとさらに良いですよね。女優ですよ、女優。あなたは女優、そしてテキストは台本。圭南先生も素敵な方ですよね。体育会系英語講師って感じです。NHKの語学を担当なさっている先生方はどの方も本当に魅力的です。
青森子さん、ご自分のお子さんは目線を変えると、良き指導者にもなってくれますよ。私も子供たちにはずいぶん助けられました。「お母さん、今日のアレ、おもしろかったよ。またやってよ。」 とか、「こういうのはどう?」 なんてアイディアもくれました。数年たつ頃には、私ではなく、子供たちがレッスンプランを立てるようになりましたから。最初はコレね。その次はコレ。ゲームはこれで、最後はコレ!なんて調子で。
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年8月14日 19:10
日時: 2010年8月14日 19:10
エムさん、初投稿ありがとうございます。また一人声をあげてくださる人が出てきて、とっても嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。英語学習は時として孤独との闘いでもありますね。私もずいぶんひとりでブツブツ言ったものですし、今でも独り言を英語で話して練習しています。
さて、ラジオ講座一本だけではもの足りないのでは?とのご質問ですが、この件に関しては別ブログでお答えさせていただきますね。数日お待ちいただけますか?
英作文やディクテーションの添削サイトですか?私は添削サイトをあまり使ったことがないのでよくわからないのですが、どなたか良いサイトをご存知の方、いませんか~!?
投稿者: 川本佐奈恵 | 2010年8月14日 19:47
日時: 2010年8月14日 19:47