プロフィール

川本佐奈恵
32歳で英語をスタート。 英会話スクール English Timeを経営。
毎週日曜日には英会話カフェ Sunday English Time を運営。

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川本佐奈恵 You can do it!

2011年3月27日 (日)

地震のあとで (2) 【電車が止まっています】って英語で何?

私にできることは何?地震の日からずっと考えています。日本にいる私たちよりも、世界にはもっと衝撃的に伝わっているようで、日本沈没でもするのではないかとの勢いで説明要求や、安否情報を要求するメールが飛び交っていました。


悲しい出来事が多い中、心温まるお話をお伝えします。


その前に、やっぱり英語の勉強もちょっとね。
【すべての電車が止まっています】って英語で何と言うのでしょう?


今回の地震が起きたときの東京での模様、ラジオ放送されていたものをディクテーションしました。わかりやすい部分だけ少しお伝えしますね。いつもの 『ラジオ英会話』 の放送時間帯に流れていたものです。答えはこの文章の中にあります。


英語ニュースなんて無理、なんて思わずに、深呼吸して読んでみてください。ホラ、意外とわかりやすいですよ。


We are at Ebisu station in Tokyo. People are forming long lines to use payphones. Cellphone connections are poor. People are having trouble getting connections on their cellphones and to the internet due to heavy traffic. This young woman says her cellphone doesn't work.
こちらは東京恵比寿駅にいます。公衆電話の前には長い行列ができています。携帯の電波状況は非常によくありません。人々は携帯やインターネットにアクセスするのに非常に苦労しております。皆が一斉に使っているので接続状況がよくないのです。こちらの若い女性は携帯が使えないと言っています。


And this person says that her child is still at school and she doesn't know what to do.
こちらの方はお子さんがまだ学校にいる。どうしたらいいのかわからないと言っています。


In Tokyo, all railways JR lines, private railways, subways are suspended.
東京では、JR、私鉄、地下鉄すべてが動いておりません。


JR has decided to stop Shinkansen, bullet train services for the rest of today. At station staff explain the situation to passengers.
JRはこれより終日、新幹線の運転を取りやめることに決めました。駅員が乗客に説明をしています。


Outside stations, people formed long lines waiting for taxis.
駅の外では、タクシーを待つ人が長い行列を作っています。


This woman who comes from Yokohama says she cannot reach her family. She is worried about them. She says she's been waiting for taxi for two hours.
横浜からいらしたこちらの女性は、家族と連絡が取れないと言って心配しています。タクシーを2時間待っているそうです。


【すべての電車が止まっています】 = All railways are suspended.


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さて、ここからはちょっと良い話です。


私の生徒さんの息子さんのお話。私の生徒さんは50代。息子さんは30代です。


福島の第一原子力発電所に事故が起こった日。
30代の息子さんは、お母さんにたったひとことだけ言いました。


「俺、行って来る!」


行って来るって......、自分が放射能に汚染されるかもしれない......、自分だって帰ってこられないかもしれない。そんなことは彼の頭の中にはありませんでした。会社に3日間の休暇願いを出します。


第一原発のその中には、彼が机を共にした学生時代の友人たちが働いていたのです。


何を言っても聞かないと悟ったお母さんは息子を手伝います。ガソリンスタンドを回ってやっとガソリンを60リットル、缶の中に詰め込むことに成功。ガソリン不足はすでにニュースになっていました。現地では手に入らないかもしれないのです。それを息子の車のトランクにこぼれないように置き、あとは、受け入れ態勢に入ります。


お客様用の布団を用意し、シーツを用意し、食べ物を用意します。


原発の中で働いていた彼の友人たちと、その家族、合計8人が彼の家にやってきたのは、それからまる1日以上たってからのことでした。あと半日遅かったら規制が引かれて原発の中に友人を迎えに行くことはできませんでした。


メールで 「何か手伝えることがあったら何でも言って」 と声をかけてくれた人はいたけれど、本当に行動に移し助けに行ったのは彼だけだったそうです。彼は、大型車とガソリンさえあれば、もっと多くの人たちを連れて帰ってきたかった、と思っています。


それから10日後、原発に中にいた彼らは、後処理をしにまたその中に戻って行きました。家族とは離れ離れです。危険の中で働いてくれる人たちがいるからこそ、私たちの安全があるのですね。


放射線を恐れて関西方面へ移動したり、日本を脱出したりする人が多い中、その中に飛び込んでいった若者と、避難してきた人たちを温かく迎え入れた人のお話でした。



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熊猫:

ものすごい行動力ですね!まるで火事場に飛び込む勢い!


私の行動力なんてまだまだですよ、佐奈恵さん。
でも皆さんひとりひとりが、ムリをしない範囲で、なにかしようと行動したり、出来なくて頭に思い浮かぶだけでも、全体としては大きな力になると信じます。


私はスーパーアリーナの避難町民に会いに行きましたが、防災という観点から、例えば首都圏で被災した所・・・市の3分の2が液状化した千葉県の浦安市や、津波で死者が出た旭市とか、少し落ち着いてきたら、行って見てみようと思います。なにか勉強になると思うんです。

川本佐奈恵 Author Profile Page:

熊猫さん、コメントありがとうございます。


息子さんをそんなふうに育てた、このお母さんを尊敬します。数年前にお亡くなりになったお父様が全く同じような方だったとか。何かが起きると、自分の危険はかえりみず、率先して火中に飛び込んで行くような人だったと。亡くなったお父様をご存知の方は、この息子さんの話を聞いたとき、「あなたのご主人が息子さんの中で生きている!」 と言ったとか。子供って大人の背中を見て育つって本当なのですね。


熊猫さんだって十分、立派ですよ。実は、地震の影響で私が首都圏に帰れず、シンガポールからのゲストとバスの中で長時間缶詰になっているとき、私の携帯に、「今日、ガイドに出ているでしょう?大丈夫ですか?」 ってテキストメッセージをくださったのは、何を隠そう熊猫さんでした。嬉しかったですよ~♪

とまと:

さなえさん、ご無事でお元気そうでホッとしました。良かったです。
熊猫さんもご無事で良かったです。

立派な息子さんですね。親の背中をしっかり見てたんですね。

私なんて、募金と節電と救援物資を送る事ぐらいしか出来てません。
阪神淡路大震災を経験してるだけに、ニュース映像や被災された方々を見るのが辛し怖いです。
自分に何が出来るか、被災された方々に心を寄せて考えたいです。

今日から今年度の基礎英語3が始まりました。今年度も毎日楽しんで頑張ります。
さなえさん、今年度も宜しくお願いします。

川本佐奈恵 Author Profile Page:

とまとさん、コメントありがとうございます。とまとさんのご無事が確認できて嬉しいです。どこに住んでいても影響をどんな形で受けるかはわかりませんからね。募金と節電と救援物資を送るなんて、とまとさん、とっても立派なことですよ。とまとさんは、阪神淡路大震災を経験なさっているのですね。恐ろしかったでしょうねえ。ご自分の体験と重なって恐怖や痛みがフラッシュバックされているのではないでしょうか?「自分に何が出来るか、被災された方々に心を寄せて考えたい」とおっしゃるとまとさん、本当にその通りですね。


今回のことで大きなショックを受け、英語の勉強に身が入らないという話もよく聞きます。わかります。なんだか身体の力が抜け落ちるほどの衝撃でしたよね。英語の勉強をしていられるって贅沢で幸せなことだったのですね。被災地の皆さんも少しずつ、少しずつ、ここに戻ってきてくださることを祈っております。祈るしかできず……英語の勉強に戻っていく私をどうか許してくださいね。


ご無事な皆さん、お声を聞かせてください!!

トット:

さなえさん、ご無事で良かったです。時々投稿させていただいていたトットです。被災された皆様、心よりお見舞い申しあげます。私の住んでいる地域は震度5強でした。それでも本当に恐ろしかったです。でもその後ニュースで知った現実はあまりにショックで被災地の方を思うと涙が止まらず、祈ることしかできませんでした。でも今は被災していない地域の私達が頑張って元気にしていかなくちゃいけないんだと思っています。自分に与えられた役割やできることを一生懸命やる、それが必ず復興につながると信じています。みんなで一緒にがんばっていきたいです。英語の学習もできるかぎり頑張ろうと思います。

川本佐奈恵 Author Profile Page:

トットさんもご無事でしたね。良かったです。お声を聞かせてくださってありがとうございます。被災された皆様には本当に申し訳ない気持ちで一杯です。せめて節電して贅沢を避け、祈ることぐらいしかできない私です。復旧作業のお手伝いをしに現地入りしている息子が昨日写真を何枚か送ってきたのですが、トラックが公民館のような建物の上にどうやって乗ってしまったの?というものや、船が大破した小屋の上に乗ってしまっていたり、その下には逆さまになった船がもう一隻、足元には大量の瓦礫など、誰がどんな力でどんなことをしたらそんな形になった???と想像を絶するものでした。でも余震の続く中、多くの人たちが、今この瞬間も働いています。復興をめざしているのです。


「被災していない地域の人たちが元気にしていかなくちゃ」というトットさんのご意見、ごもっともですよね。無事だった私たちができること、日本を元気にできることって何でしょうね?やはり、自分に与えられたことをやりこなすしかないような気がします。何だか力が抜け落ちたようになっていた数週間ではありませんでしたか?ここから徐々に元に戻っていきましょうよ。テキストはすでに4月号に入りました。被災地の皆さんが安心してテキストを手にする日が一日も早く来るこを祈って……。


海外にお住まいの皆さん、日本のご家族、ご親戚、友人、知人はご無事でしたか?


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